第8話 レビィアの気苦労
「はぁ~」
今日も私はお城の窓から外……。雲一つない真っ青な光景を小鳥達の囀りを私は自分の大きな耳をピクピクと動かし、聞きながら穏やか……。のんびりと……ではないですね? 私の口から大きな嘆息が漏れ……。窓枠を枕にして気だるげにしている訳ですからね……と私が嘆いたところで話しの方を前回へと戻しますが。
またお母様と言い争い……と言っても? 私がお母様へと一方的に憤怒しながら罵声を吐いただけですが。
彼女……。お母様は私に売女と罵声を吐き、罵られた日からまた数日部屋に篭り、「シクシク」と泣いているようで。時には「陛下~、申し訳ございません……」とか。
「陛下~、お許しを……。こうするしかわらわ達雌は生きてはいけないので。わらわも子供達を守るために致し方がなく。陛下を裏切るような罪を犯してしまいました。本当に申し訳ございません……」と独り言……。
そうお母様は泣きながら他界した前王……。私達姉妹のお父様へと彼女は天を仰ぎながら謝罪もしているようで。
その言葉を私も扉越しに聞けばお母様に対して娘らしからぬ酷く、恐ろしい言葉を告げてしまったなと、いつも反省をするのですが。
でも娘の私としては、お母様にこれ以上お父様を裏切るような事はしてもらいたくはない。
だから私は次の竜の女神になる者として、悪者になると決めて、リムの我儘をお母様の話しを持ち出して制御……。
そして独り身が辛くて仕方がない……。誰でも良いからオスに甘え、戯れたいと思っているお母様へも制御掛けるのだ。
だってお母様が時より変な言葉を漏らしつつ、他界したお父様へと謝罪をする事があるのだが。
その内容と言うのが?
「わらわが当家の家宝をあのひとへと渡したがために。わらわ達種族は衰退の一歩まできてしまいました。本当に申し訳ございません……」とかね~?
「わらわがあのひと達へと尽くしたことで領内に紛争……。争いが起こってしまいました……。陛下~。本当に申し訳ございません……。わらわのことをお許しください~」と嗚咽をもらしている時もあるから。
私はお母様の大罪の件? を聞けば。
「うぅ、ううう」とお母様に釣られ泣いているのもピタリと止まり。
いつも『何だろう?』と思う私なのだが。
今日も青空を見詰めつつお父様の転生者探しの件とお母様が泣き喚き謝罪をする程の大罪は何だろう? と思案をしていると。
「姉上さま~」
リムが私の事を呼ぶから。
「なぁ~に」と言葉を返して。
「お父様の転生者は見つかった?」と尋ねると。
「うぅん」
リムは気落ち、落胆しながら姉の私へと首を振り、お父様の転生者は今日も見つからないと教えてくれた。
だから私はリムへと微笑みかけながら。
「リム御苦労さま……。ありがとう……」とお礼を告げ。
「今度は私がお父様の転生者を脳内でリンクするか、どうか探してみるから……。リムはゆっくりとしておいて……」と労いの言葉を掛け。その後は私が自身の部屋……。合わせ鏡へと向かい魔力を注ぎながら。他界する時に必ず自分は転生して戻るから皆待っていてくれと告げたお父様の容姿を探索するのだが。
やはりその日もお父様の転生者は、この地上で見つからない。
だから「はぁ~」と更に大きな溜息を漏らし落胆する私なのですが。
それから数日後にまたリムから「姉上~」と声がかかる。
それもいつもの肩を落とし、落胆をしているあの娘ではなく、ニコニコ、ニコちゃんと満身の笑みを浮かべているリムの姿があるから。
「……? ??」と首を傾げる私なのだった。
◇◇◇




