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第65話 異世界でお好み焼きを販売するぞ! (5)
「はぁ~、何だ、こら?」
「兄ちゃん、やるのか、おぉ~!?」
「たかが食い物屋の分際で儂等冒険者に喧嘩を売る気かこらぁ~」
「喧嘩ならば何時でも買ぅてやるぞ。兄ちゃん~」
僕が一列に並んでくださいとお客様達に嘆願をした矢先に、横入りをしようとした、ならず者達……。
先程ララちゃんの事を執着して追いかけ。彼女を自分達の雄としての性を発散、成就させようとしていたチンピラ風の冒険者達のようなオーガやオーク、ミノタウルス等の大型種の男達が、自分達の指をポキポキ鳴らしながら僕に唸り吠えてきた。
「きゃ~」
だからララちゃんは彼等が恐ろしくて悲鳴を上げ、僕の背に慌てて隠れ、身を隠す。
「新作兄ちゃん」
「兄ちゃん怖いよ……」
だから小さいヨル君やララちゃんも怖くなり、ララちゃんに続いて僕の後ろ……。
と言うか?
幼い二人は姉のララちゃんの背に身を隠し、恐れ慄き、震え始めるけれど。
「兄ちゃんがいるから大丈夫、心配しないで……」と。




