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第6話 世間の荒波(8)
でも我が家の大黒柱でもあるお母様は、いつもあの様子……。
只今リムの頭を優しく撫でながら微笑む様子を凝視すれば分かる通りだ。
我が家のお母様は大変に穏やか、ゆるり、おっとりとされているとてもお優しい方だから。
娘の私の意見に耳を傾ける事等無い。
「だめよ、レビィア。そんな悪意あることをしたら。貴女がしようとしていることはおいはぎ達と変わらない行為だから、だめ! わかった、レビィア?」
「でも、お母様」
「でも、もないのですよ、レビィア……。じゃ、レビィア? 貴女は、この国に住む民達が。貴女の言葉に耳を傾けずに無視、素知らぬ振りをしたらどうするのですか?」
お母様は、この国を守護、幸福へと導く。
愛と慈愛、豊穣の竜の女神様だから。
娘の私の意見を大変に困った顔をしながら首を振り、問いかけてきた。
「う~ん、そうですね? 亜人達が私の言葉に耳を傾けなければ見せしめとして、亜人達の目の前で村か、町を焼き払い。廃墟にしてしまいます」
だから私は少し考え、強引に従わすと告げた。
◇◇◇




