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第63話 お好み焼きを焼くぞ! (19)
若くて可愛い獣人娘のララちゃんには直ぐに、良い人が現れると思うから。僕は大丈夫……。大丈夫だよ、ララちゃん……。僕のようなおじさんではなく、若い男性を見つけると良いよ。
まあ僕は、こんな事を思いつつ、またお好み焼きを焼く作業を再開──。お好み焼き用の大きなフライ返しを二つ使用して、次から次へと新しく焼いた薄皮の生地の上へとひっくり返し乗せていく。
でも広島お好み焼きは、この作業の段階でメリケン粉等を水で溶いて作った薄皮の生地の上にひっくり返していく訳でなく。生卵を使用し──その上にひっくり返していくのだが。
こちらの世界では《《鶏》》がいないから。鶏の《《卵》》は手に入らないのだと僕はレビィアとリムに聞いた。




