第6話 世間の荒波(6)
そうなると私達家族……。メスのドラゴンばかりの一家だから、一匹のオスのドラゴンの所有物になり。新たな主人……。君主に対しては絶対に服従……。逆らう事等できない。
だって私達ドラゴンはハーレムであり。夫が絶対な君主、王様になるから彼の下知……。
そうこの領内に点在している町や村などに行って強引な貢物を請求してこいと指示……。
もしも亜人が達王に従わなければ町や村を破壊……。
その町や村に住む亜人達を食い殺し、根絶やしにしてしまえと恐ろしい下知がくだれば王の命令は私達メスには絶対的な物だから。王の指示に従うしかないのだ。
それに私達親子が仮に他界をしてしまうような事になれば。お母様がこの国の周りに展開をしている。魔物達の侵入を防ぐ魔法の防御障壁が無くなり。大変に恐ろしい魔物達がこの領地内の町や村へと侵入……。
町や村に住む亜人達を襲い捕食……。
そして建物も破壊され廃墟が残るだけの殺伐とした世界……。風化後は荒れた世界が残るだけになる。
だからこの国に住む亜人達もね。この国の正当な王家に当たる私達家族を太古のように敬い、奉り、大事にして欲しい。
それにこの穏やかな地には元々沢山の小国があり。人や亜人、魔物達が生死を賭け争いが堪えない殺伐とした地だったらしい。
それを私やリムの祖父がこの地にやってきて、先ずは民を食らう魔物達を全滅、根絶やしにすると。
祖父は自身の魔力と威圧で魔物達を領地内へと入れないようにして。
その後は神となった祖父が、小さな国同士の紛争に介入して統一を果たし。
やはり魔物の時と同じで、魔力と武力で領地を治めて、民が平和に暮らし、繁栄できるようにしたのだと、私のお父様……。
もう既に病に倒れ、他界をした前王から私は幼い頃に聞かされたのだ。
でッ、その後は、この領地に平和をもたらせた黒竜王の祖父を亜人達は神と崇め、奉っていたぐらい強い竜神だった。




