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第62話 お好み焼き屋を焼いてみます(13)
だから僕は「えっ!」と驚愕しながら声を漏らし。自身の脳内で(獣人の可愛いララちゃんが傷口を舐めてくれるのは僕も小躍りするぐらい嬉しいけれど。おじさんのランガーさんに傷口の舐められるのは、何だか嫌だな……。もしもそうなったら困ったな……)と思いつつ。
「あっ、ははは。ありがとうございます。ランガーさん」と。
僕は自身の顔を引き攣らせつつ、彼の好意を笑い誤魔化した。
「おじちゃん、おいらも舐めて治してあげるね!」
「あっ、私も、おじちゃんの傷を舐めて治してあげるね」
僕が『あっ、ははは』とランガーさんの好意を笑い誤魔化していると。小さなヨイ君とマイちゃんも、自分達が使用出来る癒しの魔法で、僕が傷を負えば治癒してくれると微笑みながら告げてくれた。
「そうか! ありがとうね。おじさんは本当に嬉しいよ」
妻は三人いるけれどまだ子供が居ない僕は、幼い二人の頭を優しく撫でながらお礼を告げつつ。僕に笑顔を振りまいてくれる二人のような可愛い子供が早く欲しいなと心から思うのだった。
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