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第62話 お好み焼き屋を焼いてみます(8)
「小さい刃物だね」
ヨル君の小さな手が握る包丁を見てララちゃんが小さいと告げると。
「うん」
ヨル君が自身の握る包丁をみながら頷き。「使いやすそう」と告げる。
「そうだね」
ララちゃんやランガーさんが使用している包丁は【中華包丁】をもっと大きくしたような重量もある刃物だから。ララちゃんは自身の弟が持つ日本の万能包丁を見て納得をする。
だからヨル君はララちゃんとランガーさん、マイちゃんが注目する中でキャベツをまな板の上に置き──。トントンとリズム良い音を立てながら千切りしてみせる。
そしてヨル君は少しばかり千切りをおこなうと手を直ぐに止め──。
「これは良い……。良いよ。父ちゃんと姉ちゃん……。おじさんが貸してくれた【包丁】と言う名の料理用刃物は……。刃物は小さいけれど良く切れるし。父ちゃんや姉ちゃんが使用している料理用刃物よりも小さいし、軽いから、おいらやマイでも使用できる……。それと手も余り疲れないから良い。扱いやすいよ」と。




