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第61話 えっ! そんな物で! (5)
「お、お姉ちゃん。み、見て、あれ!? あれ、凄いよ!」と。
ララちゃんに続いて店を飛び出てきたマイちゃんが、ララちゃんのスカート引っ張りつつ、ある物……。
そう、簡易式のお好み焼き、焼きそばバーベキュー、焚き火台を指さしながら、ララちゃんに見てよと急かすから。
「マイ、何?」とララちゃんが尋ねて、マイちゃんの小さな指の先を見詰め。
「な、何、これ? じゃなくて、窯が! 料理用の窯ができている」と叫ぶから。
「うん、そうだよ」と僕は頷き。
「僕が製作した焚き火台を魔法で小さくして持ち歩いているのだよ」と。
僕が産まれ育った日本でこんなファンタジーな説明をすれば。皆は驚愕、絶叫を上げてしまう。
だけどここは異世界……。数は少ないが魔法を使用出来る者達もいる世界だから。僕が、魔法が使用出来ると告げても何ら問題はないので包み隠さず説明をした。




