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第60話 有難う御座います! (4)
「この町の若い娘や妻達は、素行の悪い冒険者達の為に心の傷を負い。外を歩くのを怖がり、引きこもる女性達が多くてですね……。今度は、そんな酷い目に遭わなかっただけでも良しとします」と。
僕自身が違和感を覚える言葉をランガーさんは、やはり作り笑いを浮かべつつ、この町の治安の悪さと言うか?
この世界の相変わらずの治安の悪さ……。そう、僕の生前の記憶の中にも残る、今の令和の日本では考えられないような無秩序をランガーさんは嘆きや愚痴のように告げてきたのだが。
僕は、その話を聞き、違和感を覚えたと先程説明をしたけれど。この家、家族には、一人程重要な人物が欠けている事に気がついたのだ。
そう、この家にはランガーさんの奥さん、ララちゃん達姉妹のお母さんが欠けている事にね。
だから僕は(もしかして?)と思えば。




