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第60話 有難う御座います! (3)

「あ、あの、新作さん……」


 大変に荒れた店内から、鼻息荒く飛び出ようとする僕の事をランガーさんが止める。


 だから僕はお店の出入り口で足を止め、後ろを振り返る。


「いいですよ。新作さん。そんな事をしなくても」と。


「私達家族も、もうあの人達と関わり合いになるのが御免ですから大丈夫です」と。


 ランガーさんは、にへらと笑いつつ僕へと告げてきた。


「いや、でも……」


 そう、この破壊され、荒れた店内とランガーさんの顔の痣と子供達の怯える様子を見れば僕自身も納得ができないから、彼に言葉を返し。僕はあの冒険者達への、神からの天誅を与える意思をみせるけれど。


「いいんですよ。新作さん……。この子、ララが、あの男達に酷い目に遭い。心の傷を負わなかっただけでも、良しとしますよ」と、ランガーさんはまた、にへらと笑いながら僕に告げ。


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