第59話 皆驚き! (13)
僕は地面に置いてある大型のキャリーバックの取手の方もまた握り、皆さんへと説明をすれば。
「ああ、なるほど」
「そう言えば、新作は冒険者ではないと言っていたね?」
「うん。商売人だから、何処かで商いをしたいと言っていたよ」
「そう言えば、そうだった」と、ジルさんや他のメンバー達が苦笑いを浮かべつつ僕へと告げる。
「うん、そうなんだよ。僕は冒険者ではなく。畑を耕したり。町から町へと移動しながら商いを続けている。旅の行商や食い物屋のオヤジなんだよ!」と。
僕はケラケラ笑いながら、皆へと再度説明……。
「只僕が、少しばかり腕が立つのは。僕達家族は辺境の地でひっそりと暮らしてはいるのだけれど。偶にモンスターや盗賊風情の男達が、家の女房達を攫おうとするから。僕自身が暇な時に防衛の手段として鍛えただけなんだよ」とも、僕は皆へと笑いながら嘘偽りを告げ、説明すれば。
「ほう」
「なるほど」
「だから新作は強いのか」と。
ジルさん達から、その後も僕の武力を感心する声や絶賛が多々つぶやかれ。
その後僕は、ジルさん達と別れ、獣人の少女を共だって、彼女の家、お店へと向かう。
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