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第59話 皆驚き! (1)
「な、何だ?」
「何だ、今の動きは?」
「お前、見えたか?」
「いいや、見えなかった」と。
僕と酔っ払い、荒くれ冒険者達を取り囲むように見ている観衆達の中から、こんな声、台詞が漏れる中で。
「はぁ~」、
「やぁ~」、
「うぉ、りやぁあああっ!」と、僕は荒々しい声を出しながら。
『この、くそが』
『やっちまえ、皆~!』
『叩き殺してしまえ』と、先程……。
そう、僕が最初に自身の目の前で、ケラケラと嘲笑う男を一人、空手の正拳突き──。
それも僕の空手は、SNSの動画で覚えた空手ではなく、ちゃんと小中……。
まあ、中学校の途中初段までとって辞めたと言うか? ヤンキー、不良をしていた僕だから続かなくなり辞めた極真空手だからね。僕は喧嘩の方は得意だから、正拳突きを入れれば。そのまま、その男の横に見える、冒険者の男へと、目にも止まらない速さの回し蹴りを入れ──。
その男も数メートル飛んで、地面を枕に呻るから。




