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第57話 何事? (2)

「うん、良いよ。別に気にしないで」と。


「僕は、これぐらいなら大丈夫。怪我すらしないから」と。


 僕に抱きつくように倒れ込んでいる少女へと気にするな! と告げ。


 僕は「よいしょっと」と声を漏らしつつ、自身の身体を起こしながら、顔色が悪い、青ざめている少女へと『何が遭ったんだい?』と尋ねようとした。


「おっ! 居たぁっ!」と。


「居たぞぉっ!」


「こっちだぁっ!」


「娘はこっち居たぞぉっ!」と。


 まあ、お約束と言う奴かな?


 そう、僕が産まれ育った世界の映画やドラマ、アニメ、マンガ、小説等での定番、お約束……。


 それがいくら僕の爺ちゃんが好きだった時代劇や。親父、僕が好きな異世界ファンタジーなアニメにも必ずと言って良い程、主人公に起きる定番場面、シーンがね。僕の身に起きてしまったから。


 僕は(あらあら)と思いつつ。


「君……。お嬢さん、何かしたのかい?」と尋ねる。



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