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第56話 国境の町の様子は? (18)
「ミル、先程新作が説明をしてくれたじゃないか。お好み焼きと言う食べ物をその場で焼き、実演しながら販売をするんだと。俺達に説明をしてくれたじゃないか」と。
僕の話しを聞いても直ぐに、右から左へと抜けていたミルさんへと小鬼のヤコフが苦笑いを浮かべつつ、諫めるように告げる。
「ああ、そう言えば、そうだったね」
ミルさんは、これまた失礼しました! とでも言いたい顔、苦笑いを浮かべつつ、自身の頭をポンポン! と叩きながら詫び、サビを漏らせば。
「新作、そのお好み焼きって作るのは簡単なのか?」
僕達人種よりも手先が器用な種族の一つゴブリンのエコフが、今度は僕へと尋ねてきた。
「う~ん、そうだね。器具と材料さえ揃えば、割と簡単にできるよ」と、僕はエコフへと教えた。
「そうなんだ?」
「うん、そうそう」
「町で売れるかな?」
ヤコフが僕へと尋ねてきた。




