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第56話 国境の町の様子は? (16)
「そりゃ、生活は安定しないし。何時他界をするか解らないような、不安定な職業だから。うちが逆でも冒険者相手に永久就職しようとは思わないもね」と。
女性のミルさんが現実染みた言葉を二人へと告げれば。
「そうだよね」
「確かに」と、若い二人は更に肩を落とし、落ち込み始めると。
「じゃ、ミル、お前は一生独身でいるのか?」
若い二人が肩を落とし、落ち込む様子をケラケラと笑っていたジルさんが、ミルさんへと結婚はしないのか? と問う。
「うち?」
「うん、そうだ。お前だ」
若い二人が冒険者をしている間は、結婚は無理、できないだろうと、他人の事をケラケラ笑っていたミルが、自分に話しを振られ、驚愕、困惑を始め。少しばかり考える人へと変化……。
でも少しばかり間が開けば。
「う~ん、そうだね。普通に商売か、畑でも耕している人で、良い巡り合わせ。縁でもあれば結婚をして子供を産んでみたいとは思うけれど」と、言葉を返せば。




