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第56話 国境の町の様子は? (11)

 人の容姿ではなく、亜人の姿をしている方が良いと言われた。


 だから僕はこのように、人種とは少し違う容姿へと変身している訳なのだけれど。


 僕はそれでも奥様達に『人間のままで大丈夫だから』と告げた。


 だけど、それだと、僕一人が単身で向こうの世界へと行くのは、エリカもレビィアも、リムも心配だからと、自身の顔色を変えつつ告げ、諫めてくる。


 だから僕は奥様三人の嘆願を了承して、自身の身体を守る為にと。妙ないざこざに巻き込まれないようにする為に亜人化した姿……。


 そう、僕の容姿をパッ! と見て亜人と分るように、エルフ耳程ではないけれど。僕自身も人とは違う耳へと変化させている訳なのだが。


 そんな僕の大きな耳へと色々な台詞……。他人の言い争い、口論が多々聞こえてくるから僕は、(何?)と思いつつ、辺りをキョロキョロと忙しく見渡し、始めると。


「あっ、ははは」とミルさんの高笑いが、僕の耳へと聞こえるから。


 僕はミルさんへと注目をすれば。




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