第56話 国境の町の様子は? (2)
「……ん? ああ、これかね、旅の人?」
「これは、あれだよ」と。
大鬼、小鬼の男性が言葉を漏らせば。
「えっ! あんた、知らないの?」と、人種の男性が首を傾げ、尋ねてくるから僕は、「ええ」と言葉を返せば。
「あんた、何処から来たんだい? 変わった衣服を着衣しているけれど」と。
また別の人種の男性が僕の容姿──。着衣して衣服をジロジロと見詰めながら尋ねてきた。
だから僕は「ずぅ~と端。竜が住むと言われている城がある地の、まだ果ての山の中で家族とひっそりと暮らしていたのですが。山仕事や狩だけでは家族の生活が苦しいので、期間限定で働けるところはないか? と探しながら。僕は旅をしているのですが」と説明をすれば。
「先程から沢山の人達が向こうからモンスターの死骸を荷台に乗せ、町へと向けて運んでいるのが、僕の瞳に映るので。一体皆さんは、何をしているのか? 田舎者の、僕自身も気になるから、貴方達に尋ねたのですが。皆さんは、その大きなモンスターの死骸をどうされるのですか?」
異世界人の僕には本当に彼等、彼女達が何をする為に、この大きなモンスターを町へと運ぶのか、理解ができないから尋ねる。




