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第49話 異世界の家へと久し振りに(4)
う~ん、やはり、この城で、一人こっそりと大人しく、ドラゴンが暮らしているかも知れない? と、領内の人達に半信半疑で思わせるよりも。
この城には、恐ろしいドラゴンがいるのだと確信させ。領内の民が畏怖して、このお城に近づけさせないようにする方が良いよね? 多分? いや、間違いなしに! と、僕は思うし。そう確信するのだ。
だって僕達も以前……と、言っても幼い頃だけれど。僕の実家から見える権現山にツキノワグマが出た時は、近隣の町中で大騒ぎになり。あれから権現山で虫取り。真夏にカブトムシやクワガタ採集には恐ろしくていかなくなったぐらいだから。熊よりも怖い。
そう、ヒグマ、白クマ、カバやワニ、シャチさえも噛み殺し、一飲みできるドラゴンの僕が確実にいると分れば町や村……。
この領内にいる者達は、この古城付近には近寄らなくなる事は間違いのない事だから。
僕は取り敢えずお城の外に出て、久し振りに本物のドラゴン、竜神様へとなり。生前の僕の領内を空中遊泳しながら観察してみる事にする。
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