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第43話 麗しいひとは興味津々? (1)
(可愛いな、このひと)と。
(本当に綺麗だな、このひと)
そして、(本当にこのひとは、僕に対して無防備なのだが、本当に大丈夫なのだろうか?)
僕は、こんな事を思いつつ、《《広島お好み焼き》》をやいているのだ。
だって、僕の目の前に座る銀髪の麗しい、異国の女性なのだが。
彼女は時々、この小さな鉄板のついている、テーブルの真ん中辺りまで、自身の顔と身体を突きだしては。
「店主さん? 店主さん」や。
「あなた? あなた? これは今からどう焼くの? 焼けばよいの?」と。
彼女は身を乗り出すのだが。
その都度!
彼女の小さな顔が、僕の顔へと当たりそうになる。
そう、まるで、僕達二人がチュ! 接吻というものをするかのように。
唇と唇が触れ合う瞬間まで、彼女の顔が近づいて、僕の《《広島お好み焼き》》の焼く工程を尋ねてくるのと。
彼女、自身が着衣をしているブラウスがね、首元がゆったりとしたタイプの爽やかな白なのだけれど。




