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ネフィル皇国軍対フィール王国軍

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遂に、ネフィル皇国とフィール王国の戦争が始まろうとしていた。


そんな緊迫した状況の中、レナは予めアミル達と騎士団に告げていたことがある。それは・・・。


『殺さない』ことである。


だが、実際は不可能に近いことをレナはわかっていた。でも、少しでも多くの命を助けたいと思っていた。例え、それが敵であったとしても・・・。


そして、ネフィル皇国騎士団には生きて国に帰ることを約束していた。これもまた、どうなるかんからないことである。


ネフィル皇国の部隊編成は、レナ達にそれぞれ百人づつ部下として配置され、残りは最終防衛ラインとして残してある。


対するフィール王国軍は、勇者に騎士達が百人づつ居るが和馬が抜けたため余った騎士達は他の勇者に配属された。冒険者達は、ギルを筆頭に三部隊五百人づつにわかれていた。



そして、勇者の一言で戦争が始まった。


「フィール王国に勝利を❗❗」


「全軍突撃ぃぃぃぃ❗❗」


掛け声と共に動いたのは勇者と騎士団だけだった。冒険者達は、動こうとしなかった。何故、動かないのか、それは冒険者達がある疑問を感じたからである。そのため、動こうとしなかった。


その疑問とは『真紅の死神(しんくのしにがみ)』と呼ばれたレナが考えもなしにネフィル皇国に力を貸すとは思えないのである。それにあまりにも実力差がありすぎるからである。


レナは、冒険者達が動かないのを見てアミル達に伝えた。


「私は、フィール王国の冒険者達を牽制するために動かないわ。だから、アミル、ノルン、リョーマお兄ちゃんで迎撃をお願いできる?」


「わかりました、レナさん。」


「わかったのじゃ、レナ。」


「レナの頼みだ、やってやる❗」


と、三人は答えた。


「討ち損ねたのは私が対処するから大丈夫だよ❗」


と、レナが言うと三人は頷き攻めてくるフィール王国軍を見据えた。


「では、騎士の皆さん。私達の国を、家族を守りましょう❗」


アミルと共に戦う騎士達は声を上げた。


「「おぉぉぉぉぉ❗❗」」


「お主達の未来はお主達の手で掴み取れ❗❗」


「「おぉぉぉぉぉ❗❗」」


アミルと同様にノルンと共に戦う騎士達は声を上げた。


「俺は気の利いたことは言わない。俺が言う言葉は一言だ・・・。勝つぞ❗」


「「おぉぉぉぉぉ❗❗」」


そして、三人とネフィル皇国騎士団はフィール王国軍に向かっていった。


程なくして、両軍が戦闘に入る。ネフィル皇国軍は、アミル達を中心に敵を倒していく。対するフィール王国軍は、勇者を最後の砦とし全面に騎士が配置され後ろに勇者が待ち構えるといった布陣である。


そんな乱戦になっている戦場を見ながらレナはある行動にでる。


「悪いんだけどここの指揮を任せてもいいかしら?」


と、レナは一人の騎士に言う。


「何故ですか?」


疑問に思った騎士はレナに尋ねた。


「フィール王国軍の冒険者達が動かないみたいだからこの戦いに参加する意志があるのかを確認に行くのよ。」


「お一人でですか?」


「そうよ。私一人の方が動きやすいから。」


「あまりに危険すぎます❗レナさんに何かあったら陛下やサラ様になんと言えばいいか・・・。」


顔を青ざめながらレナに言う騎士。


「大丈夫よ。たぶん、何も起こらないから。」


「しかし・・・。」


騎士が言い終わる前にレナが遮る。


「じゃぁ、後はお願いね。」


と、一言残しレナはフィール王国軍の冒険者達が居る場所に向かった。後ろからは騎士の悲鳴が聞こえてきた・・・。


一方、戦場ではアミル達三人は敵である騎士を殺さずに意識を奪い、時には足などの骨を折り戦闘に参加させないようにしていた。ネフィル皇国の騎士達はそこまで器用に出来るはずもなく命を奪っていくこともあった。だが、死者は今のところ最小限に留まっていた。


ネフィル皇国軍も少なからず怪我をする者も出ているが幸いにもまだ死者は出ていない。


そして遂に勇者が居る場所に辿り着くアミル達三人。そして、アミル達を見た勇者は何を思ったのかいきなり声をあげた。


「俺達は、フィール王国の勇者だ。俺達に勝てるはずが・・・。」


「うるさいです❗」と、アミル。


「うるさいのじゃ❗」と、ノルン。


「黙れ❗」と、リョーマ。


三人が同時に勇者の言葉を遮り勇者に向かって攻撃をした。


結果、呆気なく勇者達はアミル達によって敗北した。そもそも一騎討ちではないのに喋り始めるのはおかしなものである。明らかに隙を与え攻撃してくださいと言わんばかりの行動である。


「勇者とは戦争を知らないのでしょうか?」


アミルは地面に倒れている勇者を見て言う。


「戦争は知っていてもそれはあくまでも歴史の中での話だ。自分が参加したことなどない。」


と、リョーマがアミルの疑問に答えた。


「そうじゃな、戦争がないとは言わんがレナ達の国は戦争がない平和な国じゃからな。」


「その割にはレナさんは戦いなれてますよね?」


「レナは特殊だ。」


「そうですね、レナさんは特殊ですね。」


「そうじゃ、レナが特殊なんじゃ。」


この場にレナが居れば異議を申し立てていただろう内容の会話だった。


程なくして、フィール王国軍は全滅した。



少し時間は遡り、アミル達が勇者と戦う前。レナは冒険者達が布陣している場所に来ていた。


「やっぱり居たわね、ギル?」


「やはり来たか、レナ。」


戦場とはいえ久々の再会を果たしたレナとギルが向かい合って立っていた・・・。



次回の話はレナとギルの会合から決着の話になると思います。


次回は明日六時に更新します。


読んで頂きありがとうございます。

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