進軍
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レオンが決意した頃、フィール王国ではネフィル皇国に進軍するための準備が着々と進んでいた。
冒険者や国民を指揮するのはギルであり、騎士団を指揮するのは副団長である。和馬を含めた勇者五人は、一応は副団長の指揮下に入ることになっていた。だが実際は、好き勝手に行動するようである。
そして、ネフィル皇国に進軍をする日がやってきた。
今、城の前にはネフィル皇国に向かう者達が集まっていた。これから、ラピスが勇者、騎士団、冒険者や国民に向けて激励の言葉をかけるためである。
「皆さん、今回のネフィル皇国への進軍に参加していただき感謝いたします。ネフィル皇国はラガス帝国と魔族と手を結び、私達が住むこのフィール王国に攻め込もうと企んでいました。しかし、そんなことはさせません。なぜなら、皆さんが立ち上がってくれました。皆さんを死地に向かわせてしまうと思うと心が張り裂けそうです・・・。しかし、私達が生き残るためには戦うしかありません。そのためにどうか・・・力を貸してください。私達が生きる未来のために・・・。」
ラピスは最後の言葉を言い終わると頭を下げた。その瞬間、割れんばかりの歓声が巻き起こる。
ラピスは頭を上げ、最後の言葉を言う。
「どうか生きて帰ってきてください❗私達と皆さんの未来のために・・・。それでは、進軍を開始してください❗」
ラピスの話が終わり、フィール王国軍はネフィル皇国に向けて進軍を開始した。
フィール王国が進軍を開始した情報はすぐにリョーマに届けられ、レナに渡り、レオンの耳に入った。
レオンは、すぐに停戦の申し入れを書いた手紙を使者に渡し届けさせた。
しかし、使者が帰ってくることはなかった・・・。
そして、遂にフィール王国軍がネフィル皇国の前に広がる平原にその姿を現した。
フィール王国軍は、戦場となる平原より離れた場所に野営できる場所を確保し準備をしていた。
「さて、俺がやれることはないみたいだな?」
と、和馬は独り言を言った。その時、副団長が和馬に声をかけてきた。
「暇なら使者の亡骸をネフィル皇国に届けてきてくれないか?」
「俺一人でか?」
「護衛に騎士か冒険者を数名つける。」
「別に構わない。」
「では、よろしく頼む。」
副団長は和馬に言うとすぐに去っていった。しばらくして、和馬の前に二人の冒険者が現れた。
「副団長より護衛をするように言われ来ました。」
「じゃぁ、行くか。」
和馬は言いながら心の中で思った。
(護衛が二人?しかも冒険者?明らかに厄介払いだな・・・。まぁ気にしても仕方ないか。)
和馬は、冒険者に使者の亡骸を任せネフィル皇国に向けて歩き出した。
ネフィル皇国では、使者が帰ってこないため戦の準備をしていた。そんな時、和馬達が現れたのである。話を聞いたレオンは直ぐ様騎士を送ろうとしたがレナによって止められた。
「下手に騎士を行かせたらどうなるかわからないわよ?」
「ではどうしろと?」
「私達が行くわ。」
「しかし・・・。」
「私達は、自由のはずよ?」
「・・・。わかりました、お願いします。」
「じゃぁ、行ってくるわ。」
そう言うとレナはアミルとリョーマ、ノルンを連れて和馬達が待つ場所に向かった。
ネフィル皇国から出てくる人影を見つけた和馬は若干驚いた。
(まさか、結城がここにいるとは思わなかったな・・・。でも、結城ならなんとかなるかな?俺の話をちゃんと聞いてくれればいいんだけど・・・。)
「ネフィル皇国の使いの者です。どのような用件でしょうか?」
話を始めたのはレナではなくアミルだった。
「今、戦うつもりはない。使者の亡骸を届けに来た。これがフィール王国の意思だ。」
「そうですか・・・。では、使者の亡骸を引き取らせて頂きます。」
アミルはリョーマに目で合図をした。リョーマは、頷き冒険者に近付いた。
何事もなく使者の亡骸を受け取りリョーマは城に戻った。
「貴方達の意思はわかりました。では、私達もこれで失礼します。」
「待ってくれ❗」
和馬はレナ達を引き止めようと声を出した。
「何でしょうか?」
「戦争が始まる前に手合わせをしてもらえないか?」
「なぜですか?」
「戦争が始まったら貴女と戦えないからだ。」
「遠慮します。こちらも準備があるのでこれで失礼します。」
そう言うとアミルとレナ、ノルンは城に歩き始めた。
「待ってくれ、結城❗」
レナは和馬の声で足をとめた。そして、振り向いた。
「結城、俺と戦ってくれ❗」
「どちら様?私は、貴方を覚えていないわ。」
「俺は、岩谷和馬だ。結城と同じクラスだ。」
「知らないわ。それに今戦う必要はないから。」
レナはそう言うと再び城に向けて歩き出した。
「俺は・・・、他の奴等とは違い今は操られていない❗俺はただ強いやつと戦いたいだけだ。今を逃したら戦争で戦えるかわからない。だから、頼む❗」
レナの足が再び止まる。
「じゃぁ、貴方が負けたらどうするの?」
「捕虜でもなんでもしてくれて構わない❗」
レナは冷たい眼差しで和馬に言い放つ。
「なら、死んでも文句はないわね?」
レナの言葉で和馬の背筋に悪寒が走る。
「・・・、構わない。」
「そう・・・、わかったわ。」
「じゃぁ・・・。」
和馬が言い終わる前にノルンが話に割って入った。
「戦うのはレナではなく妾じゃ❗」
「「えっ?」」
レナとアミルが驚いた。
「妾では不服か?」
「いや、そうじゃないけど・・・。」
「なら良いではないか?久々に身体を動かしたいからのぉ。と、言うわけじゃから主の相手は妾が務める。」
こうして、何故かノルンと和馬が戦うことになった。
遂に進軍開始です。そして、ノルンの実力やいかに・・・。
次回は明日更新予定です。




