ネフィル皇国の商人
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ルナの特訓は弦十郎の特訓と違う。弦十郎の特訓は、基礎体力と基礎技術がメインで教えていた。その後に応用を少しではあるが騎士達に教えていたのである。しかし、ルナの場合は応用を教えている。何故、ルナが応用を教えているかと言えば・・・。弦十郎の教えた基礎がしっかりと身体に染み付いていたからである。
騎士達は、弦十郎が居なくなった後もしっかりと弦十郎が残した訓練内容をしていたからである。
「基礎体力と基礎技術があることはわかりました。ですので、私が教えることは今の体力を維持しつつ応用を教えていきます❗」
「「「はい❗」」」
ルナの説明に騎士達は元気よく返事をした。
これから始まるのが地獄とも知らずに・・・。
一方、サラはローゼと共に謁見の間てネフィル皇国から来た商人と会っていた。
「ローゼ女王陛下、お初にお目にかかります。ネフィル皇国の王族御用達の商人、ネスカと申します。」
この商人はレオンが送り出したサラと面識がある商人でラガス帝国の情勢を探るために来たのである。
「これはご丁寧にありがとうございます。私がラガス帝国女王、ローゼです。そして、私の隣にいるのが我が国の宰相、サラです。」
ローゼがサラをネスカに紹介をした。ネスカは微笑みながら聞いていた。
「久し振りですね、ネスカ?」
「はい、サラ皇女様もおかわりなく。」
「ネスカ、私はすでに皇女ではありません。今の私は、この国の宰相ですよ?」
「そうでしたね、これは失礼しました。」
謝るネスカにサラは率直に尋ねる。
「貴方がここに来たのはレオンお兄様にこの国がどの様に動くかを探ってこいと言われたからではないのですか?」
「・・・。相変わらず鋭いですな、サラ様。はい、その通りです。私は、レオン様よりある程度の事は聞いております。ですが、あくまである程度です。ですから、ローゼ様もサラ様もある程度で構いませんよ?」
「わかりました、ある程度お話しします。」
サラはネスカにある程度話をすることを決意した。実際はほぼ全てを話すことになるのだが・・・。
サラの話を聞きネスカは黙る。あまりにもサラの決意とローゼの決意が固かったためである。
(さて、話を聞きましたがレオン様にありのままで報告した方がいいのでしょうか?報告する内容を厳選して・・・。その場合、ネフィル皇国にラガス帝国が戦争を仕掛けられることにもなりかねませんね?やはりありのまま報告するしかなさそうですね。)
ネスカはそんな事を考えていた。
「ネスカ、今私が言ったことをそのままレオンお兄様に伝えてください。私は、出来ればお兄様の国と戦いたくありません。これはステラお姉様も同じだと思いますから。」
ネスカの心を読んだかのようにいうサラ。ネスカは溜め息をつきながら答える。
「わかりました。すぐにでもネフィル皇国に戻りレオン様にお話させていただきます。」
「お願いしますね、ネスカ。」
「はい、心得ております。では、失礼します。」
ネスカは頭を下げ、謁見の間を出ていった。
謁見の間に残されたローゼとサラは今後のネフィル皇国について話始める。
「サラさん、今後ネフィル皇国はどの様に動くと思いますか?」
「わかんないかな?ネスカには包み隠さず話したけど、話した内容がそのままレオンお兄ちゃんに伝わるかはわかんない。ネスカも商人だから損得で動くこともあるから・・・。一応は念を押したけど正直わかんないのが現状かな?」
苦笑しながら答えるサラ。ローゼは若干暗い表情をしてサラを見つめていた。
「レオンお兄ちゃんが決断したことに文句は言わないよ?例え、ネフィル皇国と戦うことになっても・・・。」
「サラさん・・・。」
「さて、今日の仕事もこれで終わりだから気分転換にレナちゃん達の所にいく?」
サラは笑顔でローゼに聞いた。サラの笑顔を見たローゼは笑顔で頷いた。
「そうと決まれば早速行こうか?」
「はい❗」
サラとローゼはレナ達が居るところへと向かうのだった。
場所は変わり弦十郎とルナが居る訓練場・・・。
何故かレナとアミル、ノルンの三人も加わり騎士達の訓練に参加していた。騎士達は前日にレナとアミルの戦闘に巻き込まれているため二人の実力を肌で感じていた。
更に、そこに現れたのはサラとローゼである。
「やっぱりここに居たね、ローゼちゃん?」
「そうですね。」
騎士達はローゼが居るのを確認できたが臣下の礼をするほど体力は残っていなかった。辛うじてステラが礼をするが足は震えていた。
「予想以上の地獄みたいだね?」
「そのようですね?」
そこにフィール王国に向かっていた諜報部のネスレが報告をしてきた。
「ローゼ様、サラ様。報告があります。」
「ここで聞くよ、ネスレちゃん?」
「わかりました。」
報告を始めたネスレ。
報告を聞き終わるとサラが言う。
「そっか、そこまで酷いんだ・・・。」
「はい、あともう一つ報告があります。」
「うん?なぁに?」
「フィール王国で二人の男性に会いました。名は、リョーマ様とラース様と言います。」
「えっ?ラースに会ったの?」
「はい。私がお二人を見つけたときラース様はリョーマ様を守り傷をおっていました。」
「えっ?ラースが怪我?」
「はい、不意討ちで襲われたようで傷も深かったのですが命に関わる程ではありませんでした。」
「ラースは生きているんだよね?」
「はい、大丈夫です。ラース様の傷が癒えたらこちらに来るとリョーマ様が言っておりました。」
「わかった、ありがとう。それでラースを襲ったのは誰?」
サラの表情は怒りに満ちていた。
「あれは勇者ではないかと・・・。」
ネスレが言い終わる前にサラは殺気を解き放った。
「フィール王国の勇者・・・。私のラースをよくも・・・。」
サラの殺気にあてられた騎士達は震えていた。レナ達はサラの殺気を感じ何事かと訓練をやめサラの方を見た。
「フィール王国の勇者は・・・殺す。」
サラは呟くように言った。サラにとってラースは愛する人である。愛する人を傷つけられて黙っているほど優しくはない。
サラの表情と殺気を感じ、レナはサラの隣に移動した。
「サラちゃん、何があったか知らないけど殺気を鎮めてくれないかな?」
レナはサラの頬をつねった。
「レナちゃん、痛いよ?」
「なら殺気を鎮めて?鎮めないならまたつねるよ?」
サラは慌てて殺気を鎮めた。
「何があったの?サラちゃんがそこまで殺気を放つ程のことがあったの?」
「うん。今フィール王国に行っていたネスレから報告を受けたんだけど・・・。」
サラはネスカからの報告をレナに説明した。
「生きているなら近いうちに会えるわよ。リョーマお兄ちゃんも一緒なら大丈夫じゃない?」
「そうなんだけど・・・。」
「今はサラちゃんがやれることをやるしかないわよ?怪我が治ったらここに来るなら、その時は笑顔で迎えてあげればいいんじゃない?」
「・・・、そうだね。ありがとう、レナちゃん。」
「さて、訓練の続きは・・・。出来ないわね?」
レナは騎士達を見渡し呟いた。
「この現状を作った原因のサラちゃん。」
「なに?」
「私とアミルの相手・・・お願いね?」
「そうですね・・・。中途半端ですから。」
「えっ?えっ?」
「うふふ、問答無用❗」
「覚悟はよろしいですか、サラさん?」
レナとアミルは武器を構えた。この時すでに騎士達は三人の周りから遠ざかっていた。
「自業自得じゃよ、サラちゃん。」と弦十郎。
「レナとアミルさんの相手・・・頑張ってくださいね?」とルナ。
「貴女が悪いのよ、サラ?」とステラ。
「・・・。」何も言わないローゼ。
「みんな酷くない?」
「「「全然❗」」」
全員が声を揃えて言った。
「お願いだからやめない?」
サラのお願いをレナとアミルは声を揃えて言う。
「「無理❗」」
「いやぁぁぁぁぁ❗」
サラの絶叫が訓練場に響き渡った・・・。
今回登場したネスカとネスレは名前が似ていますが全くの無関係です。
次回は明日の六時に更新します。
読んで頂きありがとうございます。




