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魔王城

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レナ達がラガス帝国に帰還した頃、リョーマとラースは魔王城に居た。


「さて、城に帰ってきたが・・・。これはどういうことだ?」


リョーマとラースの眼にはいつもと変わらない・・・いや、リョーマが知る以上の活気があった。


「リョーマ様、これはどういうことでしょうか?」


何時もと違う喋り方をするラース。リョーマはラースの喋り方に苦笑しつつ答える。


「わからん。親父にはこんなことは出来ん。と言うことは親父以外がやっていることになる。」


「取り合えず中に入りましょう。」


「あぁ、そうだな。」


二人は城に入っていく。



城に入った二人を出迎えたのは何時も通りのメイド達である。


「「お帰りなさいませ、リョーマ様❗」」


リョーマは早速メイドに聞く。


「親父は何処にいる?」


リョーマの問いに一人のメイドが暗い表情で答える。


「魔王様はお亡くなりになりました・・・。」


「なにっ?それは本当か?」


ラースがメイドの言葉を再度確認する。


「はい・・・。現在はクラウド様の指示の元城の機能を回復しつつあります。」


「クラウドが行っているなら納得する。で、クラウドは何処にいる?」


リョーマがメイドにクラウドの居場所を尋ねる。


「クラウド様は謁見の間に居ます。そこで色々指示を出されています。」


「わかった。お前は仕事に戻っていいぞ。」


「はい、わかりました。」


メイドは頭を下げリョーマとラースの前から立ち去る。


「リョーマ様・・・。」


「ラース、謁見の間に行くぞ❗クラウドに会って事の成り行きを聞く。」


「はい、お供します❗」


リョーマとラースは謁見の間に向かう。



謁見の間ではクラウドが魔王代行として城に遣える重鎮達に指示を出していた。


「邪神が復活した場合を考え、城を強固なものにしなければならない。確実に邪神はここに来る。それまでにやれることをやる。」


「しかし、クラウド様。邪神が復活したとは未だに報告がきません。」


と、重鎮の一人が言う。さらにもう一人が続ける。


「復活したかもわからないのにここまでする必要がありますか?」


「わからないこそ備えるんだ❗取り合えずはやれる範囲でいい。」


重鎮達は渋々頷いた。そこにリョーマとラースが入ってきた。


「会議中で悪いが邪魔をする。」


クラウドと重鎮達がリョーマを見る。


「「リョーマ様❗」」


重鎮達が声を揃えてリョーマの名を叫ぶ。


「リョーマ様、ご無事で何よりです❗」


一人の重鎮がリョーマに寄ってきた。しかし、リョーマはその重鎮を無視してクラウドの前に向かう。


「クラウド、現状を把握したい。聞かせてくれるか?」


「わかりました。私もリョーマ様に聞きたいことがあります。」


「いいだろう。お前達は仕事に戻れ❗」


リョーマは、重鎮達に仕事に戻るように言う。重鎮達は頭を下げ謁見の間を出ていく。


「良い気になるなよ・・・クラウド。」


一人の重鎮が誰にも聞こえないように呟く。



謁見の間にはリョーマとラース、クラウドの三人だけが残り今までの経緯を話始めた。


「そうか、クラウド達が来たときには親父は死んでいたのか・・・。」


「はい・・・。邪神教の者による犯行かと。」


「わかった。では、次はこちらの事を話す。」


リョーマは今までの事を話始める。


「とまあ、こんなところだ。」


「邪神は復活し今はラガス帝国にアミル達と居るということですね・・・。しかし、邪神がレナ殿達の世界の女神とは・・・。それにリョーマ様も・・・。」


リョーマはついでに自分の事も話したのである。


「まぁ、そう言うわけだからお前はこのまま魔王代行として領域を守れ❗」


「リョーマ様が統治しないのですか?」


「出来るわけないだろう?如何に魔王の嫡男とは言え玉座に座るのは魔王だけだ。」


「しかし・・・。」


クラウドは何かを言いかけるがリョーマが遮る。


「俺は魔王の器ではない。城に入る前に見たがお前だからここまで戻せたのだと思う。だから、クラウド。お前がやれ❗」


「仕方ありません。リョーマ様にそこまで言われたのならやるしかありませんな?」


「頼んだ。」


「わかりました。しかし、私を快く思わないものもいますからどうなるかわかりません。その時は・・・。」


「その時はお前の娘を魔王にすればいい❗」


リョーマの言葉に耳を疑うクラウド。


「アミルをですか?」


「あぁ、お前の娘は強い❗だから、今回行われなかった武闘祭を一対一(タイマン)に変更し開催すればいい。そうすれば納得するだろう。」


リョーマの言葉に頷くことしか出来ないクラウド。クラウドは心の中で思った。


(この方は自分には統治出来ないとは言うが実際は出来るはずだ。なぜやらないのかはわからないが・・・。しかし、アミルが魔王になるのら喜ばねばならないな。)


「よろしく頼む❗」


「はっ、慎んでお受けいたします❗」


クラウドはリョーマに頭を下げながら言う。


頭をあげたクラウドはリョーマの今後が気になり尋ねる。


「して、リョーマ様はこれからどうなさるのですか?」


「レナ達に報告をしにラガス帝国に向かう。そして可能なら帝国と手を結ぶつもりだ。」


「しかし、それは・・・。」


「あぁ、わかっている。手を結ぶのをよく思わない魔族がいるからだろ?」


「わかっているなら何故?」


「手を結ぶのは俺個人だ。他の魔族は関係ない❗それに俺がここに残れば俺を魔王にしたがる奴もいるだろうからな。」


「確かにそうですね。わかりました、ですが気を付けてください。まだ、邪神教は諦めていないと思います。どんな手を使ってでも邪神を奪いに来ると思います。」


「クラウド、今帝国の戦力を把握しているか?」


リョーマはクラウドに今現在の帝国の戦力がどの程度かを尋ねた。


「いえ、わかりかねます。」


「今の帝国の戦力は・・・。レナとアミルが鍛えその後を弦十郎が鍛えた騎士団。それに加え、レナ、アミル、サラ、弦十郎にルナ様だ。これだけの戦力を保有している国を何処が落とせると思う?」


「・・・。」


言葉を失うクラウド。あまりにも過剰戦力である。例え、アミルが魔王になったとして帝国から抜けても勝てないだろう。それほどの戦力を持っているのである。


「それに今後は俺とラースも加わる。それに・・・。邪神、いやノルンもレナに力を貸すと思う。」


「さすがにそれはないのでは?」


「力を貸すかは正直わからん。だが、どうなるかはわからん。だから、絶対に帝国には手を出すな❗」


「そこまで戦力を保有している国に手を出すのはバカのすることです❗」


「わかっているならそれでいい。では、後の事は任せた❗」


「わかりました❗」


リョーマはクラウドに後を任せラースと共に魔王城を後にする。


一人残されたクラウドは今後の事を考えていた。


(どうしたものか・・・。レナ殿には人を惹き付ける何かがあるとは思っていたが・・・種族すら問わないとは思いもしなかった。当面は領域の内政に力を入れることにして後は成り行きだな・・・。面倒が増えた・・・。)


クラウドは一時的に魔王代行をするつもりだったのでリョーマが帰って来た時点で退くつもりでいた。しかし、現実は甘かった・・・。



そしてこの時、先程謁見の間を出るときに呟いた魔族の重鎮は姿を消していた・・・。



八十話に到達しました。ここまで続くとは思ってもいませんでした。当初の予定ではそろそろ完結するはずだったのですが・・・。どこをどう間違えたのやら?

まだまだレナ達の旅は終わりません。完結するまでお付き合い頂ければと思います。


次回は明日の六時に更新します。


読んで頂きありがとうございます。

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