魔王の嫡男
明日の更新予定でしたがなんとか書き上がったので更新しました。
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ラードが操っていた魔族や魔物が倒され、遂にラードが動いた。
「やはり私の出番まで回ってきてしまいましたか?ですが、貴方達は体力が残っていないでしょう。私は余裕ですよ?」
余裕を見せているラードに女性陣は溜め息をついた。
「「「はぁぁぁ❗」」」
レナ達女性陣の溜め息を聞いたラードは溜め息の理由を尋ねる。
「何故、溜め息をついたのですか?」
「「「・・・。」」」
無言の女性陣。対してラースはラードを見ていない。ラードの先にある者を見ようとしていた。
「何故、無言なのですか?先程の溜め息の理由を尋ねているのに・・・。」
ラードが言い終わる前にアミルが言う。
「喋るな、外道❗❗」
続けてサラ。
「雑魚は引っ込んでて❗」
最後にレナ。
「黙りなさい、邪魔よ❗❗」
三人に言われラードは顔を真っ赤にして怒りだす。
「貴様ら、俺様が下手に出てればいい気になりやがって❗俺様の実力を思いしれぇぇぇぇ❗」
ラードは叫びながら術を唱え始める。
ヒュン、ドスッ
何かが飛び、何かに刺さる音がした。
「はっ?俺様の・・・身体に・・・何か・・・刺さった?」
途切れ途切れに言葉をだすラード。よく見ればラードの身体に一本の刀が刺さっていた。さらにその刀をよく見るとレナがクリスに渡した刀であることがわかる。
誰が投げたのかは一目瞭然である。ただ、レナが投げた刀は弦十郎によって脇差しの長さに手直しをされていた。投擲目的で直したわけではないのだが、あまりにもラードがうるさかったのでつい投げてしまったのである。
「レナちゃん、なに刀を投げてるの?」
「そうですよ、大切なクリスさんの形見ですよ?」
サラとアミルはレナに文句を言うが、レナは動じず言い返す。
「いや、うるさかったし邪魔してたから。つい投げちゃった、てへっ♥」
最後は可愛らしく言ったものの恥ずかしくなり顔を赤くするレナであった。
「顔を赤くするぐらいならやらないほうがいいよ、レナちゃん?」
「レナさんがそんな可愛らしいことをすると何か起こりそうで怖いです。」
レナから遠ざかりながら言う二人。
「・・・。もぅ、絶対にやらない。」
レナは決意を固くするのだった。
「戯れ言はそのぐらいにしておけ❗何か来るぞ❗」
ラースの声と共にラードが倒れている場所から地響きが聞こえてくる。
「何が起こるの?」
レナはさっきまでの表情から引き締まった表情にかわる。
「レナちゃんが慣れないことしたからだよ❗」
「そうです。レナさんのせいです❗」
レナのせいにする二人だが表情は真剣そのものだった。冗談を言わないと何かに飲み込まれそうな感じを受けていたのである。そのため、レナも二人に対して何も言い返さなかった。
ドォォォォォン
ラードの周りに土煙が舞い上がり視界を遮る。
そんな時、一人の魔族の男がレナに声をかけてきた。
「さっき戦いは流石だったな?」
「あなた、誰?それよりも今はそんな話をしている場合じゃないわよ?」
「今だからするんだよ。今のお前がこのまま戦えば命を落としかねないぞ?」
レナは魔族の男に言われ今の自分を見つめ直した。
手足は震え、寒いわけではないのに歯がカチカチと鳴っていた。
(私は、見えない何かに恐怖している?この人に言われるまで気付かなかった・・・。よく見ればサラちゃんもアミルも震えている。何かに怯えているみたいに・・・。)
レナは魔族の男を見て感謝の言葉を口にする。
「誰かは知らないけどありがとう。自分が今どんな状態だったか気付いたわ。」
「そうか、ならよかった。さすがは勇者の孫だな。」
「おじいちゃんを知ってるの?」
「いや、直接は知らん。だが、父親から嫌と言うほど聞かされた。」
「そう。自己紹介がまだだったわね?私は、レナ。結城レナよ❗」
「俺は、リョーマだ。いや、レナにはこっちの方が判るかな?」
リョーマの言葉に首を傾げるレナ。レナの行動を見て優しく微笑みながら言う。
「皇リョーマだ。」
「えっ?皇・・・リョーマ?」
「あぁ、久し振りだな。」
「えぇぇぇぇぇぇぇ❗なんで、リョーマお兄ちゃんがここに居るのよ?」
レナは大声をあげリョーマに近づく。
「声が大きいぞ、レナ。」
「ごめんなさい・・・。」
すぐに謝るレナ。
それを見ていたサラとアミル、ラースはすぐに謝るレナを見て驚いていた。
「なんで居るかと言われても困る。俺もよくわからん。ただ言えることは日本の記憶があることと、今は現魔王の嫡男だということだ。」
「えっ?リョーマお兄ちゃんが魔王の息子?」
「あぁ、そうだ。だからあいつに操られなかった。」
「そうなんだ。取りあえず後で詳しく聞かせてね、リョーマお兄ちゃん❗」
「あぁ、そのために生き残るぞ❗」
「うん❗」
レナはリョーマの言葉に頷いた。それを見ていたサラとアミル、ラースは三人で話していた。
「あの魔族はレナちゃんの知り合いみたいだね?」
「そのようですね。まさか魔王様の嫡男と知り合いだったとは・・・。知りませんでした。」
「えっ?あの人魔王の息子なの?」
「そうだ、サラ。魔王様の嫡男、リョーマ様だ。」
「うん?リョーマ様?レナちゃんの知り合い?」
座り込み頭を抱えて考え始めるサラ。その様子を見ていたラースがサラに声をかける。
「どうした、サラ?」
「レナちゃんの知り合い、名前がリョーマ・・・。」
「サラさん、大丈夫ですか?」
アミルが心配そうに声をかけた。と、同時にサラが勢いよく立ち上がる。
「思い出したぁぁぁぁ❗」
サラの声にビックリするアミル。
「どっ、どうしたのですか?何を思い出したのですか、サラさん?」
「あの魔族の本当の名前は・・・皇リョーマ。向こうの世界でレナちゃんの家の隣に住んでた人だよ❗」
「えぇぇぇぇぇぇぇ❗」
アミルの絶叫。
「はあぁぁぁぁぁ?」
ラースの絶叫。
「絶対にそうだよ。そして・・・レナちゃんの初恋の相手でもあるんだよ❗」
「「なにぃぃぃぃぃ❗」」
アミルとラースの絶叫が木霊した。
「サラちゃん、余計なこと言わないでくれるかな?リョーマお兄ちゃんに聞こえるじゃない?」
いつの間にかサラの隣に立っていたレナ。
レナの声に驚いていたサラは姿勢を正す。
「いつの間にか現れたの、レナちゃん?」
「サラちゃんがリョーマお兄ちゃんを思い出して声を上げたときには居たよ?」
「気付かなかった・・・。」
「他に言うことはないかな、サラちゃん?」
「えっと・・・。ごめんなさい。」
「はい、良くできました。リョーマお兄ちゃんに言ったら・・・わかってるよね?」
ブンブンブン
高速で頷くサラ。サラの態度に満足したようでレナは微笑んだ。
そんな会話をしていたら土煙が収まり始める。いつの間にかリョーマもレナの隣に立っていた。
「さて、話も終わりにして戦う準備をするぞ?」
リョーマが言うと全員が頷き収まり始めた土煙がある方を見た。
土煙が収まり現れたのはラードではなく小さな女の子だった。
魔王の息子が初登場。レナの初恋にして憧れのお兄ちゃんです。リョーマに関しては外伝で書けたらと思っています。
次回は明日の予定です。
読んでいただきありがとうございます。




