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レナ、勇者達をボコボコにする?

本編第六話です。


ご意見、ご感想、評価などお待ちしています。

翌日、レナはいつもより少し早い時間に目を覚ます。今日から城で、勇者達の育成が始まる。昨日の事を思い出しながらレナは思った。


(なぜ、ラピス王女は記憶を改竄してまで勇者なんて育てるの?しかも、時間がないみたいに少し焦っているように見えるし。私達はまだ、こっちに来てから一週間ぐらいしかたってないのに。)


色々考えていると扉を叩く音がした。


「レナさん、起きてますか?朝食の準備が出来ましたよ?」


フェイがレナに声を掛ける。


「起きてるわよ、フェイ。すぐに、着替えて行くわね。」


「分かりました、準備してますね?」


「えぇ、お願いするわ。」


レナの返事を聞き、フェイは階段を降りて食堂に戻る。


(考えても仕方ないし、取り敢えず着替えて御飯食べて城に向かいますか?)


着替えて食堂に降りていくレナ。そこには何故かギルが朝食を食べていた。


「レナ、おはようさん。」


片手をあげ、挨拶をするギル。それに答えるレナ。


「おはよう、ギル。なぜここで朝食食べているの?」


疑問を口にするレナ。ギルは、何でもないように答える。


「いやな、朝食を食べてなかったからここで食べてるんだよ。ここで食べれば、ついでにレナが寝坊しても起こせるしな❗」


「私は、ついでなのね?じゃぁ、私は二度寝するわ、お休みなさい。」


と言うと、レナは部屋に戻ろうと振り返り歩き出そうとした。慌てて止めるギル。


「ちょっと待てや、なんで二度寝するんだよ?これから依頼があるだろうが❗」


「だって、私はついでなんでしょ?なら行く必要なくない?」


「ダァァァ、俺が悪かったよ。謝るから許してくれ、すまん。」


頭を下げるギルに対してレナはギルを見て笑顔で答える。


「こんな楽しくておいしい依頼、行かないわけないでしょ?」


ギルは、レナの笑顔を見てまたからかわれたことを悟る。


「また、俺をからかいやがったな?レナ?」


惚けて返すレナ。


「何のことかしら?それより、フェイ。朝食お願いするわ。」


いきなり話を振られたフェイは驚いて声をあげる。


「は、はいぃぃぃ?すぐに、準備しますね。」


そう言い残しキッチンに去っていった。

程なくして、レナの前に朝食が出てくる。


朝食が終わりフェイが訪ねてくる。


「レナさん、今日も昼食はいりますか?」


「お願いするわ。」


「分かりました、父に伝えてきます。」


と、キッチンに向かった。


「おい、昼飯は城で出されるぞ?持っていく必要なんてないだろ?」


「城で食べるなんて御免だわ❗何を淹れられるかわかったもんじゃないし。」


「考えすぎだろう?」


ギルは、そう言うがレナは何があるかもわからない魔窟の食事など食べる気にはならなかった。


「それより、そろそろ出ないと不味くない?」


「もぅ、そんな時間か?」


ちょうどフェイがキッチンからレナ用の昼食を持ってくる。


「レナさん、昼食です。」


レナは受けとり礼を言う。


「いつもありがとう。中身楽しみにしているわね?」


「はい❗今日も気を付けて行ってらっしゃい❗」


笑顔でフェイに送り出され、レナとギルは城に向かう。


城に着くと、門番に説明をし中に入る。誰かに挨拶をする必要がないのでそのまま訓練場に向かう。


訓練場に着くと、すでにラピス王女と勇者達がいた。二人を見つけると一人の男子生徒が二人に、いやレナに向けて言う。


「待ちくたびれたぜ?初日から遅刻ギリギリとは、冒険者様も偉いんだな?」


嫌みを言ってくる男子生徒。溜め息混じりに答えるレナ。


「別に遅刻した訳じゃないんだからいいじゃない?」


「教えるんだからもっと早くに来るのが当たり前だろ?」


「はいはい、以後気を付けるわよ。」


はっきり言ってウザいと感じているレナであった。レナの態度が気に入らなかったようで、口々に言い始めた。


「なに、あの態度。ムカつくわ❗」


「偉そうに、叩きのめしてやる❗」


など、色々言われているが当の本人は気にしないでいた。

一触即発の雰囲気にギルは戸惑っていた。


「それでは、訓練を始めてもらえますか?ギルさん、レナさん。」


ラピス王女の言葉にギルは戸惑っているのをやめ集中する。


「分かりました、王女様。」


ギルが言うとレナが、クラスメート達に言う。


「あなた達の実力が知りたいから模擬戦をしてもらうわ。ただし、模擬戦の内容に関してはこちらで決めさせてもらうけどね。」


レナは、ギルの方を見る。ギルは、溜め息をつきながらも頷いて答えた。

勇者達は、半分に分かれそれぞれレナとギルの前に立つ。


「俺の方は、一対一でやる。それで、実力を見るからな。」


ギルは、模擬戦の方法を伝えた。すぐに、模擬戦が始まる。場所がそこまで広くないため半々で模擬戦が行われる。

最初はギルが担当する勇者達である。


最初に名乗りを挙げたのは男子生徒で、一分とかからず負ける。以後その繰り返しである。長くもった生徒でも、精々二分から三分の間であった。ちなみに、ギルは本気すら出していない。まだ三割から四割程度である。


ギルの模擬戦が終わり、レナの番になる。


「私のやり方は、ギルみたいに一対一はしないわ。」


言い放つレナに元クラス委員長が言う。


「じゃぁ、どうするんだ?」


レナは、微笑みながら言い放つ。


「一対多数でやるわ。何回もやりたくないし、こっちの方が明らかに実力差がわかるから。」


別の生徒が叫ぶ。


「ふざけるな❗俺達全員を一人で相手にするだと?舐めてんのか?」


残りの生徒も思い思いに叫び出す。レナは、動じず話を続ける。


「ふざけていないわ、実力差も分からないみたいだからこれが一番なのよ。」


「そこまで言うならやろう。後悔してもしらないからな?」


元クラス委員長が言うと、お互いに距離をとりギルの合図を待った。


「じゃぁ、始めるぞ❗」


ギルの合図が出た直後、一人の男子生徒が突っ込んできた。


「オラァァァァ❗」


降り下ろされる剣をレナは避けようともせず、前に出て通り抜ける時にお腹に刀ではなく拳を叩きつける。


「グァァァァ❗」


一撃で意識を手放し倒れる男子生徒。それを見ていた元クラス委員長は、「全員で一気に行くぞ❗」と声を出す。


グァァ。


ギャァァァ。


キャァァァ。


レナは、四方八方からくる攻撃を避けながら拳の一撃で元クラスメートの意識を狩っていく。時間にして数分の出来事である。訓練場の床には意識を失って倒れている元クラスメートの姿があった。この状況を見て残りの元クラスメートは、驚愕し声すら出せないでいた。一対多数で、しかも武器である刀を抜かずに倒してしまったのである。圧倒的な実力差を見せつけられたことになる。ちなみに、ギルも勇者達と同様に驚いている始末である。


昼食前にようやく意識を失った者達が覚醒した。

昼食後は、ギルをメインに訓練が行われた。ギルは、剣の基本の構えから教えることになる。それはなぜか・・・。勇者達と渡り合えるものが騎士団長しかいなかったため、他の騎士達の構えなどを参考にし独学で培ったものである。そのため、剣の扱いが出来ていなかった。なので、一から教える必要があるとギルは考えたのである。


そして、今日の訓練が終わる。しかしそこで、ラピス王女から提案が出される。


「レナさん、明日私と模擬戦をしていただけませんか?」


ギルと元クラスメート達は驚き声をあげる。


「何を言い出すんですか、王女様❗」


元クラス委員長がいう。続けてギルもいう。


「そうだぜ、やる意味がない。ラピス王女殿下。」


「いえ、レナさんは本気を見てみたいのです。それに、私も今日の模擬戦を見て興奮してしまいレナさんと闘ってみたいと思ったのです。」


理由を口にするラピス王女。


「私は、別にいいわよ?私も、ラピス王女様の実力に興味あるしね。」


「では、明日よろしくお願いしますわ。武器は真剣でよろしいですか?」


「何でもいいわよ?ただし、真剣でやるなら普通の剣でね?変な小細工はしないでよ?」


念を押すレナ。ラピス王女は、微笑むだけだった。


ようやく長い一日が終わりを告げる。帰り際にギルに釘を刺されたことは言うまでもない。


(ギルのことだからギルドに報告してるだろうね。明日は、ラピス王女との模擬戦ね。どれだけ強いのかしら?)


そんなことを思いつつ眠るレナであった。



そして、翌日・・・。ラピス王女との模擬戦をする日を迎える・・・。



いかがでしたでしょうか?刀を抜かずにこの強さです。チートですらないのに、如何に祖父との鍛練が厳しかったかが窺えます。


さて、次回は今日の十二時の更新予定です。

今日は二話更新します。よろしくお願いします

次回も楽しんで頂けるように頑張りたいと思います。

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