ローゼとステラ
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ローゼの前に居る人物は、ネフィル皇国第二皇女ステラ・ネフィルであった。なぜ、帝国にステラが居るかと言うとサラからの手紙が原因である。
時間を遡ること約一週間前・・・。
ステラの元にサラからの手紙が届いた。ステラは封を開け中身を確認した。ステラはサラの字であることを確認し読み始める。
『ステラ姉様へ。
お久し振りです。えっと、堅苦しい言葉遣いはやめます。単刀直入に言うね、ラガス帝国に来て?理由は、今騎士団を訓練している人が居なくなると思うの。それで、出来ればステラお姉ちゃんに訓練をしてもらいたいの。たぶん、私も近々帝国を出ていくと思うから内政の方も出来れば手伝って欲しいの。それで、出来ればでいいんだけど帝国騎士団の隊長になって欲しいんだけど・・・。これに関してはお兄ちゃんとお姉ちゃんに相談して決めてくれないかな?隊長に関しては出来ればでいいからね。と、そう言うことだからよろしくね。いきなりこんな手紙を送ってごめんなさい。頼めるのがステラお姉ちゃんしか居ないから。よろしくお願いします。
サラより』
ステラは手紙を読み終わり溜め息をついた。
(皇国に居るときから自由だったけど更に、磨きがかかったわね・・・。さすがに、私一人で決めれる案件じゃないからお兄様とお姉様に聞いてみましょうか。)
そんなことを思いながらステラは自分の部屋を出て兄と姉がいるであろう場所へと向かった。
ちなみに、ステラの今の役職は一応皇国軍の最高司令官である。しかし、名前だけの役職で実際は騎士団の隊長が指揮をしている。だが、実力は皇国軍で一番強い。サラがまだ皇国に居たときは、二番目に強いことになる。あの出来事でサラの実力を見たステラは憤りを覚えた。だがしかし、サラの事情を知りステラは自分が如何に愚かかを悟りサラに負けない強さを手に入れようと努力した。その結果、孤立することとなった。
ステラの探している兄と姉は思いの外早く見つかった。
「お兄様、お姉様にお話があります。」
「なんだ、ステラ?」
「私宛にサラから手紙が届きました。」
「どの様な内容はでしたか、ステラさん?」
内容を聞いてきた姉に素直に答えるステラ。
「私に帝国に来て騎士団の育成をして欲しいと。あと、騎士団の隊長になってほしいとのことです。」
ステラは簡潔に言い二人の返事を待った。
「ステラはどうしたい?」
兄である皇王がステラに聞いてきた。
「そうですね、行ってもいいと思っています。ここでは私の居場所が無いように思えますから。」
ステラの言葉に思い当たることがある様子の兄と姉。その表情は険しくなっていた。
「ステラさんの相手がここには居ないということですね?」
姉の言葉に頷くステラ。
「しかし、帝国に行ったからといって見つかるとも思わんぞ?」
「わかっています。ですが、自分の力を試してみたいのです。こことは違う場所で・・・。」
「そうですか・・・。では、ステラさんの好きにしたらどうですか?」
姉の言葉に兄が何かを言おうとしたが遮られる。
「皇国は、私とお兄様で何とでもなります。実際、騎士団はステラさんが居なくても機能はします。内政に限っては私が掌握していますから軍に関してはお兄様が兼任できますから。だから、ステラさんの好きにしなさい。」
「皇国の事は気にするな。サラにも言ったが、ステラも好きなようにしろ。お前の人生だ、皇国に縛られるのは俺だけでいい。」
「あら、お兄様。でしたら私も皇国を出てよろしいですか?」
「すまん、それは勘弁してくれ。お前が居ないと国が滅びる。」
「わかっているではないですか。そう言う訳ですから皇国に縛られるのは私達だけで十分ですよ。」
ステラは二人に頭を下げお礼を言う。
「お兄様、お姉様。ありがとうございます。私の我が儘を聞いて頂き感謝します。」
「ステラが何処に行こうがここがお前の家だ。いつでも帰ってこい❗」
「そうですよ、ステラさん。私達はいつまでも家族なんですから❗」
「はい❗」
こうして、ステラはどうしたいラガス帝国に旅だったのである。
そして、現在に至る・・・。
ローゼは呆気にとられながらも話始める。
「そんなに畏まらないでください。私は、未熟な身ですから。」
「いえ、これから家臣になるのですから。」
ローゼは自分の耳を疑った。
「えっ?ステラ様が私の家臣になるんですか?」
「はい、サラから聞いていませんか?」
「何も・・・。」
「あの娘は何も言わなかったのですね。今度会ったらお仕置きですね。」
にこやかに微笑みながら言うステラ。その微笑みを見いってしまうローゼ。しばし、沈黙の時間が訪れる。
「ステラ様、不躾で申し訳無いのですがよろしいでしょうか?」
「呼び捨てで結構です。何でしょうか、ローゼ女王陛下?」
「私の友達になっていただけませんか?」
ステラはローゼの言葉に驚いた。当たり前である、女王であるローゼの口から家臣になるステラに友達になってくれと言われるとは思っていなかったからである。
「私が女王陛下の友ですか?」
「はい、ダメでしょうか?友と呼べる人はいますが、今ここにはいません・・・。それに、家族も・・・。」
ステラは一応今の帝国の現状を知っていた。城の者は殺され一からここまで立て直したことを知っていた。それは、友であるサラやレナ、アミルの助けがあってである。しかし、今は居ない。ローゼの話を聞いたステラはローゼに答える。
「私で良ければ・・・。」
「本当ですか?」
ローゼの顔が笑顔になる。
「はい。ですが、条件があります。」
「なんですか?」
「私の事を呼ぶときはお姉ちゃんとつけて下さい。」
ローゼは、ステラにどのような要求が出されるか不安だったためステラの意外な言葉に戸惑っていた。
「だめですか?」
「い、いえ大丈夫です。ステラ・・・お姉ちゃん。」
ステラの顔が緩む。
「では、私も・・・。ローゼ、これからよろしく。」
「はい、ステラお姉ちゃん❗」
こうして、ローゼとステラの初顔合わせは終わりを告げた。
この後、ローゼの案内でステラは騎士団の訓練を見に行く。そこで目にした光景はステラの度肝を抜く光景だった。
(これが帝国の騎士団の訓練・・・。皇国の騎士団とは大違いね。誰がここまで育て上げたのかしら?)
ステラは疑問に思いローゼに尋ねた。そして、ローゼから帰ってきた答えに更に驚くのだった・・・。
ローゼとステラのお話でした。次話はレナかサラのお話になると思います。あくまで予定ですので・・・。




