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外伝、弦十郎が異世界に来るまで

外伝二話目です。本編の方はもう少しお待ち下さい。中々内容が固まらないです。



ブクマ、評価などしていただけると励みになります。

時間を遡ること・・・。レナがクラス召喚に巻き込まれる前、レナの家では弦十郎が道場で精神統一をしていた。レナを学校に送り出してから妙な胸騒ぎがしたため、心を落ち着かせるためにしていたのである。


(何か良からぬ事でも起きなければいいのじゃがな?儂と同じ事にならなければいいのじゃが・・・。)


そんな事を考えているといつの間にか弦十郎の後ろに女性が現れた。その女性は宙に浮いておりこの世に存在しないことがわかる。所謂幽霊である。


『あなた、お久し振りです。』


女性は幽霊であるが普通に喋れる。声がでているわけではない、心に直接話しかけているのである。


弦十郎はゆっくりと目を開け声のする方を見た。そこには年齢にして二十代後半ぐらいの女性が浮いていた。


「久し振りじゃな、今日はどうしたんじゃ?」


弦十郎が女性に話しかけると表情を曇らせた。女性の表情を見た弦十郎は何かを感じ取った。


「そうか、レナの身に何かあったんじゃな?」


『・・・、はい。』


「そうか・・・。」


弦十郎が言い終わるとレナに渡したはずの刀が無いことに気付いた。刀をレナに渡したあと、レナは学校には持っていけないから弦十郎に預け道場に置いてあったのである。その刀が無いことから弦十郎の考えは確信へと変わる。弦十郎の出した答えを女性が先に言う。


『私達の孫であるレナが私の世界に召喚されました。しかも、今回の召喚はレナのクラス全員です。』


「儂の時とは違いクラス全員とはな・・・。一体何がしたいんじゃ、あの世界の人間は?」


『わかりません。ですが、今回は女神が出てきているみたいです。』


女性の言葉に弦十郎の顔が険しくなる。


「そうか、女神が出てきたか・・・。やっかいじゃのぉ。」


『えぇ、ですからレナには女神の加護が付かないようにしておきました。』


「さすがは儂の妻じゃな。儂の考えを読み、手を打ってくれるとはな。」


弦十郎は笑いながらそう言った。そうしたら女性も笑いながら言う。


『あなたの考えぐらい手に取るようにわかりますよ?どれだけ一緒に居たとおもっているのですか?』


「そうじゃな。」


『はい❗それに私も孫のレナがいいように使われるのを黙って見ているのは嫌ですから❗』


「そうじゃな、儂らは孫であるレナが可愛くて仕方ない孫バカじゃからな❗」


『自分でいいますか?否定はしませんが・・・』


二人は笑いながらお互いを見つめていた。


「じゃが、儂だけではなくレナまであの世界に行くことになるとは思わなかったのぉ?」


『そのために結城流抜刀術を教えていたのでしょう?』


「それもあるが・・・。単にこの世界でも自分の身は自分で守れるようにと教えていただけなんじゃがな。」


『確かにこの世界も物騒ですからね。』


「そうじゃよ、物騒すぎて嫌になる。」


『あなたの術を教えたのですから向こうでも生きていけますよ?』


「そうじゃな、生きていくためのことは教えたつもりじゃからな。」


『あの子を信じてあげましょう❗』


そう言うと女性は弦十郎の首に腕を回し抱きついた。弦十郎も女性の腰に腕を回し抱き締めた。


「そうじゃな、ルナ。儂らの孫を信じよう・・・。」


すでにこの時、弦十郎とルナ以外にレナの事を覚えているものはいなかった。異世界に召喚された者は記憶から無くなるのである。なぜ弦十郎とルナがレナの記憶が残っているかと言えば、弦十郎は一度勇者として召喚されていたからでありルナに至っては元異世界の住人であるためである。



レナが異世界に召喚されてから一週間後、ルナが一通の手紙を持って現れる。


『あなた、レナから手紙を預かってきました。』


「ルナ、本当に預かってきたのか?いくらルナでもそんなことは出来ないじゃろ?」


『やっばり嘘だとわかりますよね?』


「当たり前じゃ❗で、どのように持ってきたのじゃ?」


ルナは唇に右手の人差し指をあて微笑みながら答える。


『それは秘密です❗』


ルナの行動に弦十郎は笑う。


「・・・。まぁいい、手紙を見せてくれんか?」


そう言うと弦十郎はルナから手紙を受けとる。弦十郎は封筒を開け手紙を読み始める。手紙に書かれていた内容は・・・。


『ラガス帝国の帝都で騎士団の育成をしてほしいの。三食付きで部屋も用意してあるから。お願いね❗レナより。』


これだけである。弦十郎とルナは手紙の内容を見て笑い始めた。


「レナらしいな。ある意味ルナにそっくりじゃ❗」


『何を言っているんですか?あなたにそっくりじゃないですか❗』


「ルナにそっくりじゃ❗」


『あなたです❗』


と、こんな不毛な争うが数分間続いた。


『で、どうするのですか?』


「どうするとは?」


『またあちらに行かれるのですか?』


「そうじゃな、レナの頼みじゃから行こうとは思っておるよ?」


『そうですか、でしたら私も一緒に行きます❗』


「そう言うと思っておったわ❗」


『私が居なければ向こうには行けないことは知っていますよね?』


「そうなのか?てっきり簡単に行けると思っていたのじゃが・・・。」


『行き方も判らないのに行けるはずないじゃないですか。』


ルナは溜め息をつきながら弦十郎に言うのだった。


『すぐに行きますか?』


「そうじゃな、これといって準備もないしのぉ。」


『分かりました。では、行きましょうか?』


「よろしく頼む。」


『はい❗』


この瞬間、弦十郎とルナの姿は消えた。



どれくらい時間が過ぎただろう。弦十郎はゆっくりと目を開けた。そこには懐かしい景色が広がっていた。


(またこの世界に戻ってきたんじゃな。二度と来ることは無いと思っていたんじゃが・・・。まさか、こんな形で戻ってくることになるとはのぉ。ある意味レナに感謝じゃな。)


『あなた、ラガス帝国にはここから一日程度の距離です。』


玄関からが浸っているとルナが話しかけてきた。


「そうか、ならすぐに着くな。」


『レナには私の事は言わないでくださいね?』


「わかっておるよ。まぁ、馴れ初めぐらいは話すかも知れんがな?」


『それぐらいならいいですよ。では、私は里帰りでもしてきますね?あっ❗ちなみにこの世界では私は精霊みたいなものですから❗』


ルナはそんな言葉を残し消えていった。


「待て、ルナ。今のはどう・・・。意味ありげな言葉を残して消えるな❗」


弦十郎は叫ぶがルナはすでにいない。言葉だけが虚しく残るのだった。


「仕方ない、ラガス帝国とやらに向かうとするかのぉ。」


こうして弦十郎は再び異世界の地に舞い降りたのだった・・・。

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