外伝、レナとサラの出会い
初外伝です。仕事中に思い付いたので書いてみました。本編の方はもう少しお待ち下さい。
レナとサラの出会いは六歳ぐらいの時だった・・・。
レナは祖父である弦十郎に連れられてある道場に来ていた。その道場の名は『神城道場』である。レナの住んでいる家からそんなに距離が離れていないためレナの産まれる前から交流があった。
「おじいちゃん、どこにいくの?」
「レナと同じ歳の子がいるところじゃよ。」
「そうなんだ。」
レナと弦十郎は手を繋ぎ歩いていた。
「同じ歳の子と話すのが楽しみかな?」
「わかんない。私、友達殆んどいないから・・・。」
レナの言葉からわかるようにレナには友達と呼べる相手が殆んどいない。理由は近所に同い年がいないのである。それに学校でもクラスの子とは話をするが一緒に遊ぶことは殆んどない。他の子の親が道場の子供であるレナを野蛮な子供と認識してしまっていることも理由の一つなのだが・・・。そんな事を知らないレナは自分が悪いのだと勘違いしていた。
「友達になってくれるかも知れないのぉ?」
「なんで?」
「レナと同じ道場の子供じゃからな。」
「ふぅーん、そうなんだ。」
レナは少し期待した顔をした。やはり同じ道場の子供というのが気になるらしい。
そんな話をしていると目的地に着いた。弦十郎は、呼び鈴すら鳴らさず勝手に入っていく。
「おじいちゃん、勝手に入ったら怒られるよ?」
「大丈夫じゃよ、今日来ることは伝えてあるからのぉ。」
「でも・・・。」
レナが戸惑っていると家の方から声が聞こえてきた。
「早かったな、弦十郎?」
「そうか?あまり待たせては悪いと思ったのは確かじゃがな。」
「後ろの子が孫のレナちゃんか?」
「そうじゃよ。ほれ、レナ挨拶しなさい。」
レナは弦十郎の隣にいき挨拶をする。
「初めまして、結城レナと言います。よろしくお願いします。」
レナはお辞儀をする。
「今日は来てくれてありがとう。私は、神城重蔵と言う。よろしくな、レナちゃん。」
「はい。」
挨拶も終わると重蔵は弦十郎の方を見て言う。
「お前の孫にしては礼儀正しいな?」
「儂の息子夫婦の教育がいいからじゃな。」
「やはりな、お前ではこんな子に育たん。」
「言うではないか?お前こそ同じではないか?」
「確かにそうだな。」
弦十郎と重蔵が話をしていると玄関からこちらを覗いている少女を見つけたレナ。レナは少女が気になり重蔵に尋ねる。
「後ろにいる子は誰ですか?」
レナに言われ重蔵は後ろを振り返る。少女を見つけた重蔵は手招きをした。少女は恐る恐るこちらに近づいてきた。しかし、重蔵の後ろに隠れてしまう。
「何を恥ずかしがっている?」
「久し振りじゃな?」
消え去りそうな声で答える少女。
「はい・・・。」
「ちゃんと挨拶せんか。」
「・・・。」
重蔵に言われるが少女は隠れたままである。
「私は、結城レナです。あなたの名前は?」
レナは隠れている少女に笑顔で言いながら右手を出した。それを見た少女は重蔵の隣に来てレナの手を握り返しながら言う。
「サラ、神城サラです。」
「いい名前だね?」
「ありがとう。」
サラはレナの言葉が嬉しかったようで顔を赤くして微笑んだ。
「サラちゃんって呼んでいい?」
「うん。私もレナちゃんと呼んでいい?」
「いいよ。これからよろしくね、サラちゃん❗」
「うん、レナちゃん❗」
あっという間に打ち解けたレナとサラを見ていた弦十郎と重蔵は微笑んていた。
「あの人見知りのサラが・・・。」
「さすがはレナじゃな?あっという間にサラちゃんの心を開かせたわ。」
「そうだな。」
「儂らみたいに親友になってくれるといいんじゃがな・・・。」
「そうなると思うぞ?なにせ俺達の孫だからな?」
「確かにそうじゃな。二人とも遊んできていいぞ?」
弦十郎は、レナとサラに言うと笑顔で答える。
「「はい❗」」
サラはレナの手を引き家に案内し遊んだのだった。
楽しい時間はあっという間に過ぎ、弦十郎がレナを呼ぶ。
「レナ、そろそろ帰るぞ?」
「もぅ、そんな時間?」
レナは悲しそうな顔で弦十郎に言った。
「また今度来ればいいじゃろ?もう会えないわけではないんじゃから。」
「うん・・・。」
寂しそうな声を出すレナに重蔵が話しかける。
「今度はサラを連れてそっちに行くから。」
「ほんと?」
「あぁ、約束しよう。」
「ありがとうございます❗」
「サラもそれでいいか?」
「はい❗」
レナとサラは笑顔で返事をした。
「だからちゃんと修行をするんだぞ、サラ?」
「はい❗」
「レナもじゃぞ?」
「わかったよ、おじいちゃん❗」
今度会う約束をしてレナと弦十郎は帰路についた。
これがレナとサラの出会いであった・・・。
それから六年後・・・。
二人はお互いの道場を行き来していた。お互いの修行の成果を見せ合うためである。出会いから二人は、今まで以上に修行に取り組み実力をつけていった。二人の実力は均衡しており勝敗は全くの互角である。
「サラちゃんと試合するのは楽しいよ❗」
「私もだよ、レナちゃん❗」
お互いの祖父は二人の成長を喜んでいた。いつの日か自分達を越えてくれると信じて・・・。
しかし、そんな楽しい時間に終止符が打たれる・・・。サラの謎の失踪である。当初は誘拐だと騒がれたが一向にサラが見つかる気配がない。警察も匙を投げてしまっていた。
「サラちゃん・・・。何処に居るの?」
レナは自分の部屋で泣きながら呟いた。
「レナ、いつまで泣いておる?そんなんでサラちゃんが喜ぶのか?」
「おじいちゃん・・・。」
「儂とてサラちゃんが居なくなったのは悲しい。じゃがな、今度会ったときに今の状態のレナを見たらサラちゃんはどう思うじゃろうな?」
「・・・。」
「サラちゃんの事を忘れろとは言わん。じゃがやるべき事はあるじゃろ?」
「そう・・・だね。ありがとう、おじいちゃん。」
「わかればいい。」
「うん。いつか会えると信じて今はおじいちゃんに勝つことを考えるよ❗」
「その粋じゃ❗そう簡単には負けるつもりはないがのぉ?」
「絶対に勝つから❗」
こうして新たな決意をし、レナは前に進むことにしたのである。
サラに会うために・・・。
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