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仲間との別れそして新たな地へ

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弦十郎の訓練が始まってから二ヶ月が経ち、義勇軍も騎士団を名乗れるぐらいの実力をつけていた。そして、サラの取り仕切る内政の方も何とか形にはなってきた。しかし、まだ五人では内政を取り仕切るところまでは至っていない。


そんなある日のこと、朝食の時に話を切り出した。


「急で悪いんだけど、明日アミルと旅立つわ❗」


「ほんと急だね、レナちゃん?」


「本当ですか、レナさん?」


「そろそろ言うじゃろうと思っておったが、些か急すぎないかのぉ?」


サラ、ローゼと弦十郎の順に言う。そう言われると今度はアミルが答える。


「えぇ、昨日魔王候補による武闘祭が開かれると連絡が来ました。日にちまでは決まっていないのですが、早めに戻り準備をしたいと思いますので急遽決まったのです。」


昨日の夜、アミルの祖父から手紙を預かった使いの者が現れたのである。アミルはその者を知っており手紙を受け取って内容を読み、すぐさまレナに相談していたのである。


「色々と途中で投げ出すようで嫌なんだけど・・・、ごめんなさい。」


「何言ってるの、レナちゃん?」


と、サラが言うと続けてローゼも言う。


「そうですよ、レナさん。レナさんは、何一つとして途中で投げ出したりしてなんかいませんよ?」


「でも、義勇軍の訓練・・・。」


途中までレナが言うと弦十郎が遮る。


「訓練は儂に任せているのじゃから気にする必要はないじゃろ?」


「それ以外にも・・・。」


「レナちゃんに内政が分かるの?内政に関しては私と部下がやってるしローゼちゃんもいるから大丈夫だよ?」


「そうですよ、レナさん。気にしないでください❗」


「本当は私も一緒に行きたいんだけど・・・。まだ、私抜きで国が回りそうにないから・・・。」


サラは申し訳なさそうに言う。サラを見たレナは首を振りながら答える。


「いいよ、サラちゃん。サラちゃんにしか出来ないことなんだから気にしないで?」


「そうですよ、私やレナさんでは出来ないことなんですから。」


「レナちゃん、アミルさん・・・。」


「ありがとう、サラちゃん。ちゃんとここに戻ってくるね❗」


「約束だよ、レナちゃん❗」


ここで弦十郎が提案を言う。


「四人で街に行って買い物をしてきたらどうじゃ?最近、サラちゃんもローゼちゃんも働きすぎじゃから息抜きをしてきたらどうかのぉ?」


「でも、仕事が溜まってるよ?」


「一日ぐらい平気じゃろ?明日、レナとアミルさんを見送ってからやったところでかわりはせんよ。」


考え込むサラとローゼ。


「私は、サラちゃんとローゼと買い物に行きたいんだけどダメかな?」


「私も四人で買い物に行きたいですね❗」


レナとアミルさんの言葉に折れるサラとローゼ。


「わかったよ。今日はレナちゃんとアミルさんのために時間を使うよ❗」


「私もご一緒します❗」


こうして、四人での買い物が決まった。弦十郎は、この光景をみて微笑んでいた。


(レナにも心許せる仲間が出来たんじゃな。嬉しい限りじゃが儂としては寂しいのぉ。)


親バカならぬ孫バカの弦十郎であった。


朝食も終わり、準備を整えた四人は街に向かった。街は二ヶ月前より更に活気があり、人々に笑顔があった。他の国からの商人も増え、更に冒険者も増えていた。


買い物といっても服や日用品を買うぐらいで食料は買っていない。アミルが使う術により一瞬で魔族の領域に行けるためである。移動術には制限もある。それは自分の知っている気配がないとその場所には行けないのである。だから魔族は簡単には攻めてこれないのである。


「久し振りに街に来たけど・・・。人が多いわね?」


「私とローゼちゃんは、たまに来てるから知ってるけどレナちゃんとアミルさんは久し振りなんだよね?」


「そうですね。大体訓練は城でやっていたので街に来るのは久し振りですね。」


街の様子を見て驚くレナとアミル。


「ここまで活気が戻ったのはサラさんのお陰ですよ。」


「違うよ、ローゼちゃん。私は少し手を出しただけで皆が頑張った結果だよ❗」


「ありがとうございます、サラさん。」


「お礼はいいよ。それより買い物を楽しもうよ❗」


「そうだね、サラちゃん❗」


「そうですね❗」


「わかりました、サラさん❗」


こうして、一日をかけてのレナとアミルの買い物が始まった。



買い物が終わり城に戻ってきた四人は、弦十郎に言われ食堂に向かった。食堂の扉を開けた四人は、テーブルに並んでいる料理に驚いた。料理は、和食がメインではあるが洋食に中華まであった。しかもこの料理を作ったのは他ならぬ弦十郎であった。


「もしかして、おじいちゃんが作ったの?」


「そうじゃよ?儂だって料理ぐらい出来るんじゃよ?」


「レナおじいちゃんが料理できるなんて初めて知ったよ❗」


「レナとアミルさんの旅立つのに身内が作らんでどうするんじゃ❗」


「ありがとう、おじいちゃん❗」


レナは嬉しさのあまり弦十郎に抱き付く。弦十郎は、レナを抱き締め頬を緩ませながら答える。


「孫の為に出来ることをしたまでじゃよ❗」


レナ達は会話をしながら弦十郎の作った料理を堪能した。



翌日、レナとアミルは街の外に居た。そしてサラとローゼ、弦十郎は見送りに来ていた。しかし、見送りはそれだけではなく城の人達に加え街の人々も見送りに来ていた。


「なんか凄いことになったわね・・・。」


「それだけ私達がやったことの証じゃないですか?」


「さすがに恥ずかしいわよ?」


「それは、私も同じですよ。」


レナとアミルはお互いに恥ずかしがっていた。


「二人とも気を付けて行くんじゃぞ?向こうでクラウドに会ったらよろしく伝えてくれるかのぉ。」


「わかったよ、おじいちゃん❗」


「帝国の事は私とローゼちゃんに任せて私の分まで暴れてきてね?」


「暴れないわよ❗帝国の事はお願いね、サラちゃん。」


「レナさん、アミルさん。今日までありがとうございました❗お気を付けて❗」


「ローゼさん、ありがとうございます❗ローゼさんもお身体に気を付けてください。」


レナ達の会話が終わった直後、見送りに来た人々から歓声があがる。


「頑張ってこいよ❗」


「また、戻ってきてくださいね❗」


「『真紅の死神』に栄光を❗❗」


街の人々の声を聞きレナとアミルは一礼をして声を出した。


「皆、元気でねぇぇぇぇ❗ちゃんと女王を支えなさいよぉぉぉぉ❗」


「皆さん、ありがとうございました。お身体に気を付けてください❗」


レナはアミルを見て頷いた。アミルもレナの手をとり頷いた。その瞬間二人は消えていった。


「行っちゃったね?」


「そうですね。」


「寂しくなるのぉ。」


レナとアミルが消えた場所を見ながら呟く三人であった。



場所は変わり、魔族の領域に着いたレナとアミル。レナの目の前には屋敷が建っていた。


「大きいわね、アミル?」


「これぐらいは普通ですよ、レナさん。」


「そうなんだ・・・。」


屋敷というよりは城に近いほど大きな家であった。アミルは玄関の扉を開けながら言った。


「ようこそ、魔族の領域へ。そして我が家へようこそ❗」


レナは、魔族の領域での一歩を踏み出した・・・。

ついに魔族の領域に行きました。これからは魔族の領域がメインになります。


次回は、二十四日六時の更新予定です。

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