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訓練開始

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今日から弦十郎による義勇軍の訓練が始まった。


「今日からお主らを鍛えるために呼ばれた弦十郎じゃ。レナは儂の孫じゃからそんなに畏まる必要はないからのぉ?」


「「よろしくお願いします❗❗」」


義勇軍は声を揃えて弦十郎の挨拶に返した。


「レナがどのように教えていたかは知らんが、儂はレナより甘くない❗覚悟しておくんじゃ❗」


兵士達の顔色が変わる。レナですら相当にキツい訓練だったのに、さらにキツくなると弦十郎は言った。


「さて、まずはどのぐらい体力があるか確認させてくれるかのぉ?」


弦十郎は、そう言うとレナの方を向いた。レナも弦十郎の考えを読み取り兵士達に話す。


「みんな、いつも通りに走りにいくわよ❗ただし、先頭を走るのは私じゃなくておじいちゃんだから。ちゃんと付いていきなさいよ?」


「「はい❗❗」」


元気よく返事をする兵士達だが、これが地獄の始まりだとは気づいている者は誰一人としていない・・・。


走り込みが終わり立っている者は、レナとアミルを含め数名であった。


「全員倒れると思っておったが、結構残ったのぉ。」


「私とアミルが訓練していたんだもん❗」


「ですが、ここまで立っている者が少ないとは思いませんでした。」


若干、ショックを受けているアミル。しかし、レナは違った。


「アミル、おじいちゃんの訓練でこれだけ残るのは凄いことよ?」


「そうなのですか?」


「えぇ、それに全員が走りきってから倒れたじゃない?普通なら途中で脱落するはずなのよ。」


「そこまでとは思いませんでした。」


アミルはレナの言葉を理解し、改めて弦十郎を見た。


(さすがは私のお祖父様と戦い引き分けにまでした人ですね。これならレナさんの強さも分かります。)


アミルはレナの強さの秘密を感じた瞬間であった。


「さて、次は剣の訓練にしようと思ったが・・・。」


倒れている兵士達や立っている兵士達にが顔を歪める。それを見た弦十郎がさらに言う。


「これではまともに動けないじゃろうから、昼から剣の訓練をするかのぉ。」


弦十郎がそう言うと兵士達は安堵の顔になる。それを聞いたレナは弦十郎に言う。


「おじいちゃん、訓練は昼までないのよね?なら久し振りに私とやらない?」


レナは刀を弦十郎に向けて言う。


「それもいいのぉ。レナがどれだけ強くなったか見てみたいしのぉ。じゃが、まずはアミルさんとやらせてもらえるとありがたいんじゃが?」


弦十郎に話を振られたアミルは戸惑いながらも答える。


「私でよけれはお相手いたします❗私のお祖父様と共に戦った力を拝見したいですし。」


「決まりじゃな❗レナ、審判を頼む❗」


レナは顔を膨らませて答える。


「もぅ、私がやりたかったのに・・・。アミルの後に相手してくれるなら審判やるよ?」


「わかった、わかった。相手してやるから審判を頼む。」


「ありがとう、おじいちゃん❗じゃぁ、審判やるね。」


アミルと弦十郎は、互いに距離をとり構える。アミルは双剣を構え、弦十郎は刀ではなく剣を構えた。弦十郎が刀ではない理由だが、単に愛刀が無いだけである。ちなみに、全員が今居る場所は街の外にある平原である。


「それでは、始め❗」


レナの開始の合図と共にアミルが動いた。アミルは小細工なしに弦十郎の正面に向かった。


「正直で真っ直ぐな所もクラウドに似ておるのぉ。じゃが・・・。」


アミルの動きに反応し弦十郎も動いた。弦十郎は、一瞬でアミルとの距離を縮め袈裟斬りを放つ。しかし、アミルも弦十郎の袈裟斬りに反応をし左手に持っている剣で弾く。すかさず右手に持った剣で弦十郎を斬りつける。だが、弦十郎は直ぐ様後ろに飛び退く。それを見たアミルは更に追撃を開始する。


「さすがです、レナお祖父様❗私のお祖父様と引き分けただけあります❗」


「まだまだこれからじゃよ?アミルさんの全力を見せてくれるかのぉ?」


「もちろんです❗」


この後、互いに一歩も引かず決着がつくことはなく午前中の訓練が終わる。しかし、この模擬戦において弦十郎は実力の半分も出していなかった。結局、レナは弦十郎と戦えないままである。


「あれ?私は戦えないまま終わるの?」


レナの言葉を聞いていたアミルと弦十郎はレナに謝るのだった。


午後からは剣の基礎を教え始めることになった。レナとアミルが教えるまで剣を持ったことのない者達がほとんどだったからである。そのため、ちゃんとした基礎を教える必要があったためである。


剣の基礎は地味なので割愛する。


午後の訓練も終わりに差し掛かる頃、レナは膨れた顔で弦十郎を見ていた。それは何故か・・・。弦十郎がアミルに指導していたためである。


「アミルさん、もっとこうした方が良いぞ?」


「はい❗」


「そうじゃ、それでいい。」


「ありがとうございます❗」


こんなやり取りを聞いて見ていたレナは会話に割ってはいる。


「おじいちゃん、アミルばっかり教えて私といつ戦ってくれるの?」


「忘れておったわ、すまんのぉ。」


「忘れてったって、おじいちゃん?」


レナは笑顔であるが眼が笑っていない。感づいたアミルは直ぐ様レナと弦十郎から離れる。弦十郎は、アミルの行動を不思議に思い尋ねる。


「どうしたのじゃ、アミルさん?」


「いえ、巻き込まれたくないものですから・・・。」


アミルの言葉に弦十郎はレナを見た。弦十郎は、レナの顔を見て驚く。レナは眼から涙を流していたのである。


「せっかくおじいちゃんに会えて嬉しかったのに・・・。また、おじいちゃんと一緒に修業出来ると思ったのに・・・。」


「レナ、すまんかった。」


「もぅいいよ、おじいちゃんはアミルと仲良くしてればいいよ。」


レナはそう言い残し街に戻っていった。


「儂、どうしたらいいんじゃ?孫に嫌われてしまったのかのぉ?」


「そんなことはありませんよ?単なる焼きもちでしょうから。」


「そうだといいんじゃが・・・。」


「でしたらこの後帰られたらすぐにレナさんと明日戦うことを約束してちゃんと実行してください。そうすれば、レナさんの機嫌も良くなりますから❗」


「わかった。アミルさんを信じるかのぉ。」


こうして弦十郎はこの後レナと約束をかわし、翌日にレナと戦いレナの機嫌は良くなったのは言うまでもない。


弦十郎が義勇軍の訓練を始めてからあっという間に時間が過ぎ、二ヶ月が経った・・・。


次回は、二十三日六時の更新予定です。

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