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弦十郎の過去

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弦十郎は、数十年前を思い出し話始めた。


「儂がまだ学生だった頃この世界に勇者として召喚されたんじゃ。その国はどうも滅んでしまったみたいじゃが場所からして今のフィール王国がある場所じゃな。儂以外にも同時に何人か召喚されたみたいなんじゃが、儂は関わりたくなくて一人でいることが多かったのぉ。」


「レナちゃんと一緒だね?」


サラが言うとアミルもレナに向かって言う。


「血は争えませんね?」


「何じゃ、レナも同じなのか?」


「私の場合は、加護がなかったからだよ❗だから、冒険者になったの❗」


「でも、一国の王女と勇者を敵に回してますよね?」


「それは・・・。」


「そこまで儂と一緒なのか?似た者同士じゃなぁ❗」


「おじいちゃんも勇者を敵に回したの?」


「最終的にはな。その頃の儂は、父親から剣を習っていてたが勇者の中で一番弱かったんじゃ。他の勇者は儂を嘲笑い貶した。そのお陰で儂は一人で鍛練に励むことが出来たんじゃ。そんなある日、儂は国王に呼ばれ言われたんじゃ。『お前は勇者の素質がない。今すぐ城から出ていけ。』とな。城を出ていくつもりではいたのじゃがさすがにそう言われると堪えた。自分達の都合で召喚しておいて役に立たないから出ていけはないじゃろうと憤りさえあった。」


「ほんとレナちゃんと同じだね?」


「私は自分から出ていったの❗」


「二人とも静かにお祖父様のお話を聞きましょうか?」


アミルは二人に言う。


「その頃には、当時の王国の騎士団長ぐらいまでの力はあった。じゃから街で傭兵ギルドに登録し金を稼いだんじゃ。傭兵ギルドは、今で言う冒険者ギルドじゃな。商人の護衛や街の守備、魔物の討伐をしながら街から街へ国から国へと渡り歩いたんじゃ。そんな時、ある魔族に出会ったんじゃ。」


「おじいちゃん、もしかしてその魔族は魔王になった?」


「よくわかったのぉ。そうじゃ、其奴は魔王にまで登り詰めた。」


「お祖父様、その魔王様の名は覚えていますか?」


アミルは魔王の名が気になり弦十郎に聞いた。


「確か、クラウドとかいったかのぉ?」


アミルは魔王の名を聞いて驚く。


「魔王の名を聞いて驚いているけどどうしたの、アミルさん?」


「クラウドは、私のお祖父様です。」


今度はレナとサラが驚き声をあげる。


「「えぇぇぇぇぇ❗」」


「なんじゃ、アミルさんはクラウドの孫じゃったのか?」


「はい❗まさか、お祖父様から聞かされていた話に出てくる人間がレナさんのお祖父様だとは思いませんでした。」


「クラウドは、元気にしておるか?」


「はい。今は第一線を退き隠居生活をしております。」


「そうか、儂も似たようなものじゃな。クラウドに出会ったお陰で儂は更なる高みを目指す決意をしたんじゃ。当時は、クラウドに全く勝てなかった・・・。何度も鍛練してはクラウドに挑んだんじゃ。どれだけ時間が過ぎたかは忘れてしまったが何とか引き分けにすることが出来たんじゃ。その時には儂の武器は剣から刀に変わっていたのぉ。それからクラウドとはある約束をして別れたんじゃ。」


「クラウドお祖父様は魔王に、レナお祖父様は最強の剣士になる約束ですね?」


「クラウドのヤツそこまで話しておったか。」


「えぇ、そしてお互いの孫である私とレナさんも同じ約束をしています。」


「そうなのか?やはり、血は争えんのぉ。」


そう言いながら弦十郎は笑い出した。


「それでその後はどうしたの、おじいちゃん?」


レナが弦十郎に聞くと、弦十郎は話を再開した。


「その後は旅を続けながら強さを求めたんじゃ。その時に出来たのが『結城流抜刀術』じゃよ。そして、クラウドとの約束を果たすため魔族の領域に行ったんじゃ。魔族の領域に着いた儂は何故かクラウドと一緒に次の魔王を決める戦いに巻き込まれたんじゃ。結果だけ言えば儂とクラウドの圧勝で終わったんじゃが・・・。」


「まさか、当時の魔王に気に入られて娘を奥さんにしたんじゃないよね?」


何となく話の流れから先読みをしたレナが弦十郎に聞いた。


「そのまさかじゃよ。結局、結婚して二人で儂の居た世界に戻ったんじゃよ。元の世界に戻った儂らにも子供が産まれた。しかし、ばあさんは儂らが住んでいた世界が合わなかったのかわからんが子供が成人する前に息を引き取ったんじゃ。それでも孫であるレナが産まれそして、今儂はここに居る。運命とは面白いものじゃな❗儂とクラウドの孫同士も同じ約束をしていれとは思わんかったのぉ。」


弦十郎は、レナ達に過去を話終えると昼食の時間になっていた。


昼食を食べ終わるとレナは昼からの訓練を頼み、弦十郎と日本での話をした。ちなみに、サラも一緒である。


三人は夕食の時間まで話し込み、夕食を食べながら明日以降の話をした。


「おじいちゃん、明日から義勇軍の訓練をお願いしてもいい?」


「孫の頼みじゃからやるとしようかのぉ。」


「一応、私とアミルも参加するから❗」


「わかったよ。じゃが、手を出さないでくれるかのぉ?」


「わかってるよ、おじいちゃん。見てるだけだから。」


弦十郎は、頷きレナを見た。


「レナも成長したようじゃな?」


「そうかなぁ?そうだったらいいな❗」


こうして弦十郎の過去もわかり、この日は終わりを告げる。


翌日から義勇軍は地獄を見ることになる・・・。

弦十郎の過去が明らかになりました。ほんとはもう少し詳しく書きたかったのですが・・・。


今後のレナ達は一体どうなるのやら・・・。


次回は、二十二日六時の更新予定です。

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