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孫と祖父

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レナとサラ、アミルの三人はレナの祖父である弦十郎と城を歩いていた。


「とりあえず、女王に会ってもらっていい、おじいちゃん?」


「構わんよ?それにしても儂が居ない間に色々と変わったんじゃな?」


「??、おじいちゃん何か言った?」


「いや、なんでもないよ。」


「ならいいけど・・・。着いたよ❗」


レナ達は謁見の間に辿り着いた。謁見の間を警備していた義勇軍の兵士が扉を開ける。


「ようこそ、レナさんのお祖父様❗私はラガス帝国初代女王、ローゼ・ラガスと申します。以後お見知りおきを❗」


「これはご丁寧に、孫がいつもお世話になっておる。儂の名は結城弦十郎じゃ、よろしくのぉ。」


ローゼと弦十郎の自己紹介も終わり、ローゼはレナに聞いた。


「レナさん、手紙を出した相手はお祖父様だったのですね?それならそうと言ってもらえれば・・・。」


ローゼが言い終わる前にレナが言う。


「違うわよ?私が手紙を出した相手はフィール王国で冒険者をやっているギルと言う人だよ。何処で間違ったのか手紙はおじいちゃんの所に届いたみたい・・・。」


「そうですか・・・。では、もう一度手紙を書きますか?」


「まだいいよ、おじいちゃんを説得出来なかったら手紙を書くわね。」


「わかりました。では、部屋を用意しますからそちらで話をしてください。」


「ありがとう、ローゼ。」


ローゼとの謁見も終わり、メイドに案内され部屋へ移動する四人。しかし、レナは小声でメイドに向かう場所を変えてもらった。


着いた場所は・・・、訓練場である。


「ここで話し合いをするのかのぉ?」


「ある意味合ってるよ、おじいちゃん。でも・・・。」


レナは言いながら刀を抜き放つ。


「刀での話し合いだけどね?」


「レナも言うようになったのぉ?まさか、儂が偽者だと思ったか?」


「そのまさかよ❗」


レナが言い終わった瞬間、弦十郎から凄まじいさ殺気が放たれる。


「これでも偽者と言えるかのぉ?」


レナは思った。この殺気は紛れもなく自分の祖父の殺気だと・・・。だが、後には引けない。すでに戦う意思を示してしまった。


「さすが、おじいちゃん❗その殺気はおじいちゃんにしか出せないよ❗」


「わかってくれたか。だが、やるのじゃろ?」


「もちろん❗おじいちゃんもだよね?」


「当たり前じゃ❗レナが何処まで強くなったか儂に見せてみよ❗」


その瞬間が合図となりレナと弦十郎の戦いが始まった・・・。



結果だけ述べるなら引き分けである。なぜ、引き分けになったかと言えば簡単である。二人の戦いのせいで訓練場が再起不能になったからである。久々の再会とはいえお互い全力で力を使い戦ったのである。地面は穴だらけで壁には至る所に亀裂が走り、いつ崩壊してもおかしくない状態にしたのである。


こうしてこれが原因となりレナと弦十郎は、ローゼから訓練場の使用を禁止されたのである。


「おじいちゃんが手加減もなしに全力でやるからだよ?」


「何を言う、レナこそ全力だったじゃろ?」


言い争う二人にサラが止めにはいる。


「二人とも喧嘩は終わりにして話をしようよ?」


「そうですよ、レナさん。お祖父様に話をして引き受けてもらうのでしょう?」


サラとアミルの言葉で我に返ったレナは二人にサラが謝る。


「ごめんね、忘れてたわ。」


「大丈夫だよ?それと久し振りに会えた孫だから嬉しいのはわかるけど・・・。はしゃぎすぎだよ?」


「面目無い、サラちゃん。」


サラに謝る弦十郎。もしかしたら、レナと弦十郎に対して最強なのはサラではないかとアミルは心の中で想った。


「で、話とは何じゃ?」


「それは、ここに居る義勇軍を強くしてほしいんだよ。」


「それは対人、もしくは対魔族に対してかのぉ?」


(なんでおじいちゃんは魔族を知っているの?私は義勇軍を強くしてしか言ってないのに・・・。後で問い詰めてみようかな?)


レナは、そんなことを思いながら言葉を続ける。


「両方に対してかな?お願いできないかな?」


「レナがやればいいじゃろ?何故、儂なのじゃ?」


レナは弦十郎の言葉に少し考えるが意を決して答える。


「私はアミルと一緒に魔族の領域に行くの。だから、鍛えてあげることは出来ないんだよ❗」


「ほぉ、魔族の領域に行くのか・・・。アミルさんは魔族だったのぉ?」


(何故、私が魔族と分かったんでしょうか?まだ、レナさんのお祖父様に魔族と話した覚えはないのですが・・・。)


そんなことを思いながら弦十郎に答えるアミル。


「そうですね。」


弦十郎は、アミルを見つめ頷いた。


「よかろう、その話引き受けた。」


「ほんと?ありがとう❗」


「可愛い孫の頼みじゃからのぉ。断るのは些か忍びない。」


「レナおじいちゃん、ありがとう❗」


サラが弦十郎にお礼を言う。続けてアミルもお礼を言う。


「ありがとうございます、お祖父様❗」


「よいよい、久々に腕が鳴るわい❗」


レナ以外に門下生が居なかったため弦十郎は嬉しいのである。弦十郎の表情を見たレナは弦十郎な釘を差す。


「おじいちゃん、くれぐれも手加減してね?ローゼから預かった大切な戦力なんだから❗」


「わかっておるわ❗壊したりせんから安心してくれ❗」


本当にわかっているのか不安で仕方がないレナであった。


「おじいちゃん、あと一つ聞きたいことがあるんだけどいいかな?」


「なんじゃ、改まって?」


「おじいちゃん、この世界に来たことあるよね?」


レナは弦十郎の態度に違和感があったのである。普通なら土地勘は全くないはずである。それに魔族の存在をしらないはずである。だが、弦十郎は知っていた。だから、レナは弦十郎に聞いたのである。


「来たことはないのぉ?」


「じゃぁ、何故魔族を知っていたの?」


弦十郎は、しまったと顔に出した。


「それは・・・。ほっ、本で読んだから知ってたんじゃ❗」


「何の本?」


さらに墓穴を掘る弦十郎。すでにバレているわかった弦十郎は全てを話そうと決意した。


「しょうがないのぉ、話すとするかのぉ。」


「やっぱり来たことあるんだ?」


「あるぞ、もう何十年も前の話じゃがな。」


「レナおじいちゃんも召喚されなの?」


サラは弦十郎に聞いた。


「そうじゃよ、サラちゃん。儂は、勇者として召喚されたんじゃ。」


弦十郎は、遠い昔を思い出すかのように自分が勇者として召喚された時のことから話始めた・・・。

レナの祖父である結城弦十郎の登場です。本来は登場させるつもりがなかったのですが本業の仕事中に思い付いたので登場させました。



次回は、二十一日六時の更新予定です。

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