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レナの死闘

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レナは、魔族の前まで歩みを進める。魔族は笑いながらレナの事を見ていた。


(薄気味悪いわね?見るからに近接戦闘向きではないみたいだけど・・・。今までの事を考えると何をしてくるかわからないわね。)


レナは、そう思いながら歩いていた。


「待ちくたびれたぞ?」


魔族はレナに向けて言った。


「そんなに待たせたつもりはないけど?」


「確かにお前は俺を待たせてはいないな。だが、先の戦いが長引いたせいで退屈だった。」


「そう、貴方には退屈だったのね?私は、得るものがあったから退屈ではなかったわよ。」


「あんな戦いに得るものなどない❗人間に勝てない奴など屑だ❗」


「じゃぁ、貴方も屑になるわね?」


「なんだと?俺がお前に負けると言うのか?」


「さぁ、どうかしらね?私は、負けるつもりはないわよ?」


「口ではどうとでも言える。どうせお前もあの人間の様に死ぬのだからな❗」


魔族がそう言い放つとレナの雰囲気が変わる。


「その人間はクリスの事を言っているの?」


「名など覚えているわけないだろう。お前の名すら聞いたところで覚える気もない。だが、名乗らないのはこれから死ぬ者に対しての礼儀ではないな?」


「そうね、名乗らないのは死に逝く者に対しての礼儀ではないわね。私は、レナよ。『結城レナ』よ❗」


先に名乗るレナに魔族も名乗る。


「俺は、ラードだ。そしてお前を葬る名だ❗一度、フィール王国で会っているな?」


「そうだったかしら?貴方みたいな卑怯者は覚えてないわね。」


「あの時は、ラピス王女を殺し損ねたからな。」


「あぁ、あの時の魔族ね。戦わずに私から逃げた・・・。」


レナが言い終わる前にラードが叫ぶ。


「逃げてなどいない❗戦略的撤退だ❗。」


「どっちでもいいからさっさと始めましょ?」


レナが言うとラードは手を前に出し制した。


「まぁ、待て。お前の相手は俺ではない。」


そう言いながらラードは指を鳴らした。


パチィィィン


その瞬間、レナの後ろから迫る気配を感じ振り向く。そこにはサラとアミルが刀と双剣を振り上げていた。

アミルの双剣はなんとか刀と鞘で凌いだが、サラの刀を捌くことが出来ず右脇腹を斬られる。


「くぅぅぅ❗まさか・・・、サラちゃんとアミルを操ったの?」


レナは、右脇腹を押さえながらラードに言った。ラードは笑いながら答える。


「あはは、そのまさかだ❗傷を負ってくれたお陰で簡単に支配できたぞ❗本当は今ので終わらせるつもりだったんだが・・・、まぁいい。仲間同士で殺し合うのも見物だからな❗」


レナの目の前に居るサラとアミルは眼が虚ろで、城で見たクリス以外の冒険者と一緒であった。


「さすがに油断していたわ。まさか本当に操られているとは思わなかったわ。」


「くくくっ、油断は命取りだぞ❗さぁ、始めようか?」


パチィィィン


ラードは再び指を鳴らした。直後、サラとアミルはレナに向かって駆け出した。


まず最初にサラがレナに攻撃を仕掛けてきた。サラは、刀を抜いた状態から逆袈裟斬りを放つ。それをレナは受けることはせずギリギリのところで避ける。直後、アミルの双剣がレナを襲う。これを刀と鞘で防ぐレナ。しかし、パワーの差と脇腹の傷のせいで押し込まれる。苦痛で顔を歪めるレナ。脇腹の傷が徐々に広がりつつある。


一旦、距離を取るレナ。


(さすがに傷を負って二人の相手をするのはキツいわね。早めに勝負を決めないと私がもたないわ。それにしても二人の動きがいつもの動きじゃないわね?いつもの動きなら最初の不意討ちで私は死んでたもの。もし私の考えが正しければ何とかなるかも?)


サラとアミルの動きにはいつものキレがない。レナは、ある仮説をたてた。それは・・・、操られた場合本来の実力が出せないである。クリスは、意識があり自分で考え行動していたため本来の実力が出せていた。しかし、今のサラとアミルはクリスとは異なり完全に支配されている。故に、本来の実力が出せないとレナは考えたのである。


(さて、問題はどうやって二人の意識を失わせるかだけど・・・。この傷だと全力を出せるのは数分しかないわね。どうした・・・。)


レナが考えている途中でサラとアミルをが距離を縮めてきた。今度はアミルが仕掛けてきた。レナは右手に刀を持っているが腰にはもう一本刀があった。その刀はクリスが持っていた物である。レナは左手をクリスの刀に触れる。


(クリス、私に力を貸して❗あの二人を元に戻すために❗)


そう心で呟き刀を抜く。クリスの魂が宿っているかのように輝きを放つ。それに呼応するかのようにレナの『紅蓮(ぐれん)』も輝き始める。


アミルの双剣を二本の刀で弾きあげる。急かさず峰打ちでアミルの首元に一撃をいれ意識を失わせる。レナはそのまま反転しその勢いでサラの脇腹に峰打ちをいれる。一瞬サラの顔が苦痛で歪むがそのまま意識を手放し倒れる。


レナは、刀を杖がわりにし膝をつく。


(はぁぁぁぁ、なんとかなったわね。さて、最後の仕上げをしないと・・・。)


レナは、ラードの居る方を見た。しかし、そこにはラードの姿はなかった。


「嘘・・・でしょ?まさか、逃げた・・・?」


レナの言う通りラードは逃げたのである。いつ逃げたかと言うとレナがアミルの意識を奪ったところで自分だけでは勝てないと悟りレナから見えないようにサラの後ろに移動し逃げたのである。


「うふふ、いい度胸ね?私から逃げる・・・。」


レナは、最後まで言えず意識を失う。血を流しすぎたせいである。レナが意識を失う直前、街の方から声がするのを聞いた。


「レナさぁぁん❗サラさぁぁん❗アミルさぁぁん❗」


ローゼは魔族が居なくなるのを見て義勇軍を連れレナ達を助けにきたのである。ローゼの指示によりレナ達は城に運ばれ治療を受けることになった。


そして二日後、三人は目を覚ました・・・。



今回で帝国編が一段落します。ですが、まだ帝国での話がたぶん数話続くと思います。もしかしたら若干内政が入るかもしれません。あくまで予定ですので期待しないでください。


次回は、十六日六時の更新予定です。

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