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ローゼの決意

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四人は、急ぎ城に向かった。城に向かう途中、街の人々になぜかお礼を言われる四人。街の人々は口々にこう言った。


「殺されずに済みました。」


この言葉に、足を速める四人。そして、城に着いた四人は異変に気付いた。


誰一人として城の外にいない。警備の兵士すら居ないのである。四人は、恐る恐る城内に入る扉を開けた。


扉を開けたとたん、むせかえる程の臭いがした。明らかに異常な臭いである。


「血の臭いですね・・・。」


アミルが呟くと、レナとサラ、ローゼは顔を見合わせた。レナとサラは、人の気配がないか確かめる。アミルは、魔族の気配がないかを確かめていた。レナとサラ、アミルは顔を見合わせ頷きあった。


「ローゼ、言いにくいんだけど・・・。」


「ここには、生きている人が誰も居ないのですね?」


「ローゼちゃん、わかっていたんだ?」


「何となくですけど・・・。やはり、助かった人は誰も居ませんか。」


アミルは、もう一度注意深く気配を探っていた。


「・・・。生きてる人が居ます❗」


「えっ?本当ですか?」


「はい。ですが、今にも消えそうですので急がなければ❗」


アミルは、走り出した。アミルを追うように三人も走り出す。


着いた場所は謁見の間である。扉を開けるとそこには玉座に座った初老の男が居た。


「お父様❗」


ローゼが叫び玉座に走って近寄る。レナとサラ、アミルは周りを警戒しつつ玉座に近づいていく。


「お父様、ご無事・・・。」


帝王の姿を見たローゼは手で口を押さえた。帝王の身体には無数の切り傷、噛まれた跡など生きているのが不思議な傷であった。


「ローゼ・・・。生きて・・・いたのだな。」


「はい。こちらに居るレナさん、サラさん、アミルさんに助けて頂きました。」


「そうか・・・。娘を・・・助けて・・・くれて申し訳・・・ない。」


「気にしないで?それより、あの男は何処に行ったか知らない?」


レナが、帝王に魔族の事を聞いた。しかし、ローゼが怒鳴り声をあげる。


「お父様がこんな状態なのに・・・。早く治療しないといけない時に貴女は敵討ちのことしか考えてないのですか?」


そんなローゼを制したのは帝王であった。


「よい。私は・・・助からん。自分の・・・身体の事は・・・自分がよく・・・わかっている。」


「ですが・・・。もしかしたら、助かるかもしれません❗」


「無理だ。私は・・・あの男によって・・・生かされている・・・よいな・・・ものだ。」


「そんなぁ・・・。」


アミルが帝王に近付き手をかざす。アミルの手から優しい光が現れる。


「アミルさん、何をしているのですか?」


「少しでも長く話せるようなに痛みを和らげています。」


「ありがとうございます。」


ローゼがアミルにお礼を言うとレナは、先程の話をもう一度帝王に聞く。


「で、あの男は何処に行ったの?」


「あやつは・・・城の者を残らず殺し消えた。最後に・・・口にしたのは・・・帝都を滅ぼすと言った。」


「なっ❗お父様、本当ですか?」


「あぁ、この事を伝える・・・ために私は・・・生かされて・・・いたのだ。」


「わかったわ。いつ攻めてくるかわかるかしら?」


「準備に時間が・・・掛かるとか・・・言っていた。だが、時間から・・・して明日に・・・は来るだろう。」


レナは、ここまで聞いて頭を下げながら言う。


「ありがとうございます、帝王陛下。私達は、これで失礼します。残りの時間は親子でお過ごし下さい。」


「この国を守って・・・くれないか?」


「私の弟子が好きになった国ですし、守り通して見せます❗」


「ありがとう・・・そして、すまない。」


「お気になさらず。私は、弟子の仇が討てるのですから❗」


「そうか・・・。」


「では、私達は準備がありますのでこれで失礼します。」


「わかった・・・よろしく頼む。」


レナは、一礼してサラとアミルに声を掛ける。


「サラ、アミル。行くわよ?」


「わかったよ、レナちゃん❗」


「わかりました。」


サラとアミルは、帝王に頭を下げレナに続いて謁見の間を後にした。残されたローゼと帝王は、最後の時間を親子で過ごした。帝王が息を引き取るその時まで・・・。


街に戻った三人は、明日に備えて宿を確保し各々過ごすことにした。


サラとアミルは、レナに気を使い、街に買い物に来ていた。


「レナさんは今後どうするのでしょうか?」


「わかんないよ?クリスちゃんの仇を討った後、抜け殻になることはないと思うけど・・・。」


「そうですね。あのレナさんが、抜け殻になるのが想像できません。」


「ただ、あの魔族を前にしたときが不安かな?」


「やはり、サラさんもそう思いますか?」


「うん・・・。」


「我を忘れなければいいのですが・・・。」


サラとアミルが話ながら歩いていると城から黒煙が上がっていることに気付いた。


「ローゼちゃんの方も終わったみたいだね?」


「そうですね。今回は、あまりにも犠牲が大きすぎます。」


「そうだね。クリスちゃんにローゼちゃんの家族、城の人達。これ以上はダメだね❗」


「はい❗」


二人は、城の方を見て亡くなった人達へ冥福を祈った。


その頃、ローゼは亡くなった人達を弔い新たな決意をした。


(私が、帝位について女王を名乗りこの国を更に発展させます。どうか見守っていてください。その前に、明日を生き延びることを考えますね。)


黒煙が消え、ローゼはレナ達がいる街に向かって歩き出した。


ローゼは、サラとアミルを見つけ明日の戦いが終わった後、女王になることを告げた。


「サラさん、アミルさん。この国の未来の為に力を貸してください❗」


ローゼは、サラとアミルに頭を下げ頼んだ。


「もちろんだよ❗ねぇ、アミルさん?」


「そうですね。及ばすながらお互いの未来の為に力を奮いましょう❗」


「ありがとうございます❗私も戦いに参加します❗」


直後、後ろから声が聞こえてくる。


「ローゼ、貴女は参加しないで❗」


サラとアミル、ローゼが振り向くとレナが立っていた。


「なぜですか、レナさん?」


「足手まといよ?」


「これでも私は武器を手に取り戦えます❗足手まといになんかなりません❗」


「じゃぁ、この街の人々は誰が守るの?明日には、街の人々にもわかることよ?」


サラとアミルは、レナが言うことを理解した。だが、まだローゼはわかっていなかった。


「街の人々を守るために、この国を守るために戦うのです❗」


「じゃぁ、聞くけど貴女が前線に出て死んだら誰がこの国を守るの?貴女はこの国の王族の最後の生き残りよ?そんな人が最前線で戦うより他にすることがあるんじゃないの?」


ここまで言われてようやく気がついたローゼ。


「ようやくわかったみたいね?自分が何をすればいいかわかった?」


「はい・・・。」


「なら、今すぐに出来ることをしなさい❗それが、貴女が今成すべき事よ❗」


「分かりました、ありがとうございます、レナさん❗」


レナにお礼を言い、すぐさま城に向かった。

数時間後には、現帝王の崩御とローゼが女王になること、そして魔族の侵攻が街全体に知らされた。

街は大きな混乱こそなかったが少なからず街を出る人は居た。なぜ、大きな混乱がなかったのかと言えばローゼの演説が効いていた。その内容は・・・。


「魔族は明日以降に侵攻してきます。ですが、私達を守ってくれる存在が居ます。皆さんも聞いたことがあると思います。冒険者最強の『真紅の死神』の名を❗今この国に『真紅の死神』が居ます。そして、この国を救うために戦ってくれると❗ですから、安心してくださいとは言いません。ですが、怯えないでください。私達のために戦ってくれる存在が居るということを覚えておいてください。今、私達が出来ることをしましょう❗彼女達が安心して戦えるために❗」


ローゼの演説を聞いたサラは、頬を膨らませレナに文句を言った。


「レナちゃんばっかズルいよ❗」


「そんなの知らないよ?」


「レナちゃんの二つ名ばかり広まるんだから❗」


「じゃぁ、サラちゃんも二つ名がつく活躍をすればいいよ❗」


少し考えたサラはレナに言う。


「やっぱいいや❗面倒そうだし❗」


「そんなことを言わずに、私の代わりに活躍してね❗」


「ヤダよぉぉぉ❗」


「いつもの空気になりましたね?」


アミルは、そう言いながら微笑んだ。


そして、翌日・・・。


魔族の侵攻が始まる・・・。




次回は、ついに帝国での魔族との戦闘の話になります。


次回は、十二日六時の更新予定です。

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