仲間の死
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レナの腕の中で、息を引き取ったクリス。その顔は、安らかで微笑んでいるようにも見えた。サラとアミル、ローゼの、三人は暫くの間、レナとクリスの二人だけにしようと眼で合図しその場から離れた。
離れた三人は、今回の事に憤りを感じた。
「あの男は、一体なんなの?」
サラが、殺気を放ちながら口調を強くして言う。
「サラさん、落ち着いてください❗あの娘が怯えていますよ?」
アミルに言われローゼを見ると、ローゼがガタガタと震えていた。
「あっ、ごめんね?イライラしてたから殺気を放ってたみたい・・・。」
「いえ、大丈夫・・・です。」
途切れ途切れに言うローゼ。サラの殺気が収まりアミルが話を続ける。
「サラさんは、クリスさんが射ぬかれた直後を見ていたんですね?」
「見てたわよ?ラガス帝国の城で会った男が居たわ❗」
「そうですか・・・。」
「アミルが探してる魔族?」
「たぶんそうだと思います。ですが、今回は生きて連れて帰ることは諦めた方がいいかもしれませんね?」
「そうだね?レナちゃんからしたらクリスちゃんの仇だもんね。」
「えぇ、出来れば生かしておきたいのですが・・・。」
「無理だろうね?」
「そうですよね・・・。」
二人はレナの方を見て何かを感じ取っていた。その時、ローゼがアミルの言葉に疑問をもち尋ねる。
「サラさん、なぜ生かして捕らえるのですか?私達、人間にとって魔族は驚異でしかないんですよ?」
「それは、アミルさんに関係してることだから・・・。アミルさん、言わない方がいいよね?」
「そうですね、今後の事を考えるなら言わない方がいいかもしれません。」
「もぅ、遅いんじゃないですか?こうして魔族の方と話しているのですから。」
「今、この場には私達しか居ないのですから言わなければわかりませんよ?」
「確かにそうですが・・・。ですが、今後のために聞きたいのです❗貴女のような魔族が他にいるのか・・・。その前に自己紹介してませんでしたね?私は、ラガス帝国第一帝女ローゼ・ラガスといいます。」
「私は、アミルと言います。以後、お見知りおきを。」
自己紹介が終わり、アミルは少し悩んだがローゼに自分の立場や魔族の現状、次期魔王候補の話をした。
当初、ローゼは驚いていたが話を聞いていくうちに納得していった。
「魔族も人間とかわらないのですね?」
「そうだね、アミルさんみたいに話せる魔族も居るんだから共存出来るはずなんだけどねぇ?」
「人間にしても魔族にしても、サラさんの考え方をするのはごく僅かですから仕方ありませんよ。」
「さて、レナちゃんはこれからどうするのかな?」
サラが独り言のように呟くとサラの背中から答えが返ってきた。
「そうね。まずは、クリスのお墓を作ってから一旦国境の街に戻るわ❗」
サラは、勢いよく振りかえるとそこには、クリスを抱き抱えたレナが立っていた。
「レナちゃん❗もぅ、大丈夫なの?」
「レナさん、大丈夫ですか?」
「・・・。」
サラ、アミルと声を掛けるがローゼはなんと声を掛けていいか戸惑っていた。
「ローゼ、貴方が気にすることじゃないわ❗」
「ですが・・・。」
ローゼは、頭を下げる。そんなローゼを見たレナはローゼに告げた。
「クリスから貴女に遺言よ❗」
レナの言葉でローゼは頭をあげレナを見る。
『ローゼ様、貴方が女王になり帝国を繁栄させてください。私は、空より見守っています。』
ローゼは、クリスからの遺言を聞き涙を流し続けた。
ローゼが泣き止むのを待ってから四人でクリスのお墓を作り始める。レナは、ローゼにお墓を作るのに良い場所がないか尋ねた。
「それなら、帝国が一望できる丘があります。」
三人は、ローゼが言った場所に向かい丘の上に立った。
「ここならクリスも満足するわね?」
「そうだね。帝国全体が見渡せるもんね❗」
「これからが大変ですね、ローゼさん?」
「はい、クリスさんの言葉を噛み締めて生きていきます❗」
「さて、作るわよ❗」
丘の上にクリスが横たわる大きさの穴を掘り、そこにクリスを横たわらせるレナ。そして、土を被せていく。
「クリス、貴女が使っていた刀が無いからこれで勘弁してね?」
そう言いながらレナはクリスが使っていた剣を墓標がわりに突き立てた。完成したお墓を前に、レナとサラは、片膝をつき手を合わせる。アミルとローゼは、立ったまま黙祷していた。
お参りも終わり、クリスのお墓に背を向ける四人。レナは、前々から気になっていたことをローゼに尋ねる。
「ローゼ、クリスが元々持っていた武器を知らない?私とサラちゃんが持っている武器なんだけど。」
「それならありますよ?クリスさんが操られる前に預かっていましたから❗」
「今持ってるの?」
「はい❗」
そういってローゼは、アイテムボックスから刀を取りだしレナに渡した。
「確かにクリスに渡した物ね❗これ、私が引き取ってもいい?」
「どうぞ。その方がクリスさんも喜ぶと思います❗」
「ありがとう・・・。」
レナは、クリスの形見を抱き締める。
「クリスちゃんの刀はレナちゃんが作ったの?」
「そうだよ?正確には鍛冶屋の人に手伝ってもらったんだけどね。」
「抜いて見せてくれない?」
「いいわよ。」
レナは、刀を抜きサラに見せた。刀身は淡く輝きを放ち存在感を現していた。
「綺麗だね❗クリスちゃんの心が宿っているみたい❗」
「案外、そうかも知れませんね?クリスさんの魂が刀に宿り、レナさんを使い手と選んだのかもしれませんね。」
「そんな訳ないんじゃない?」
「じゃぁ、私が持ってみるね?」
サラは、レナから刀を受け取る。しかし、刀は輝くことはなかった。試しにとアミルにも渡してみたが、結果はサラと同じであった。最後にローゼに渡したが、若干輝いたぐらいでレナのように輝くことはなかった。
「ほら、やっばりレナちゃんだけが使えるんだよ❗」
「そのようですね?私としてはこの中でもレナさんの次に付き合いが長いのですが・・・。」
納得していない様子のアミル。
「でも、ローゼちゃんが少し輝かせたのはなんか納得するなぁ。」
「なぜですか?」
サラの言葉にローゼが聞き返した。
「だって、クリスちゃんが遺言を残すぐらいだもん❗」
「そう・・・ですね。至らない私を気遣ってくれたのかもしれませんね。」
「そんなに悲観しなくてもいいんじゃないですか?貴女は、クリスさんに認められたのですから❗」
アミルの言葉に力強く頷くローゼ。
国境の街まで、クリスの話を続ける四人だった。
国境の街に着いた四人は、まず今日泊まる宿を探した。
宿はすぐに見つかり今後の話を相談した。
「私は、クリスの仇をとりに行くわ❗」
「レナちゃん、自分を見失ってないよね?」
「もちろん❗そんな風におじいちゃんから育てられてないわ❗」
「あはは❗確かにそうだね❗」
「出来れば生きて連れて帰りたいのですが?」
「ごめん、それは無理だと思う。」
「やはり、そうですか。」
「悪いわね。さすがに、今回は無理❗どうしてもこの手で引導を渡したいから。」
「わかりました。ですが、私もついていきますから❗」
「構わないわよ?」
「もちろん、私も行くよ❗」
「私も行きます❗」
結果、四人で行くことで話はまとまった。
翌日、城に向けて国境の街を出た四人はなんの問題もなく帝都の街に辿り着く。そして、街に入った四人は自分達の眼を疑う。
「街に・・・。街に活気が戻ってる❗」
サラが声に出して言ったが全員が驚いていた。中でも一番驚いていたのがローゼであった。
四人は、急ぎ城に向かうことにした・・・。
今後、時間があるときに今までに投稿したのを修正していこうと思います。加筆や削除などすると思います。これからも、一日一話を投稿していくつもりですのでよろしくお願いします。
次回は、十一日六時の更新予定です




