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レナ、初依頼を受ける?

本編第三話です。


ご意見、ご感想、評価などお待ちしています。

模擬戦から一夜明け、レナは宿にある食堂で朝食を食べていた。


「フェイ、凄く美味しいわよ❗。」


「ありがとうございます❗父も喜びます❗」


「お父さんが料理を作ってるの?」


「はい、母が宿の女将ですから。私は、父と母の手伝いをしています。」


「偉いわね。私よりしっかりしていてビックリよ❗」


フェイは、レナに誉められて恥ずかしそうに身体を動かしていた。


「ご馳走さま。さて、ギルドに行きますか❗」


「あっ、父から伝言があります。明日から昼食がいるなら教えてほしいそうです。簡単なものなら、朝の仕込みのときに作るそうです。どうしますか?」


「昼食代はいくら?」


「銅貨一枚でいいそうですよ?」


「安くない?私は、ありがたいけど大丈夫なの?」


昼食代の安さに不安に思うレナ。しかし、フェイは父からの伝言をそのまま言う。


「大丈夫ですよ。サンドイッチぐらいなので。」


「そぅ、なら明日からお願いするわ。」


笑顔で答えるフェイ。


「それじゃあ、行くわね。」


「はい、行ってらっしゃい❗」


手を振り笑顔で送り出すフェイ。レナは、フェイを妹のように思い始めていた。レナには、弟は居るが妹がいない。だから、フェイみたいな妹が欲しかった。


宿を出て、冒険者ギルドに向かおうと歩き出したレナに後ろから声がかかる。


「今からギルドに行くのか?」


声を掛けてきたのは、昨日の模擬戦の相手であった冒険者の男である。


「そうよ。貴方も、今からギルドに行くの?」


「あぁ。なんなら一緒に行かねぇか?」


「ナンパならお断りよ?」


慌て始める男。


「ナンパじゃねぇよ。ただ、嬢ちゃんと話がしたかっただけだ。嬢ちゃんの腕前は、昨日の模擬戦でわかったからな。ただ、嬢ちゃんに興味をもっただけだ。」


「私に興味をもったの?やっぱり、ナンパじゃないの?」


笑いながら答えるレナ。明らかにレナが、からかっている。それに気付いた男は、笑いながら言う。


「嬢ちゃんには、敵わねぇな。だが、興味を持ったのはほんとうだ。その歳でそれだけの力を持っている。生半可な努力じゃ出来ないことだ❗」


(この人、ちゃんと観察しているのね。昨日の中じゃ一番の力があるみたいだし。それに、しっかりと相手の力量も計れるみたいだし。じゃぁ、昨日の挑発はなんなのかしら?)


「ねぇ、昨日はなんで挑発してきたの?」


疑問を口にするレナ。レナの疑問に頭を掻きながら答える男。


「それは、他の奴が嬢ちゃんの力量を誤って見ていたからだな。だから、代わりに俺が挑発し、嬢ちゃんと戦ったわけだ。」


「勝てないとわかっていたの?」


「あぁ。あの中では俺が一番強いからな。俺が負ければ他の奴が勝てるわけがない。だから、挑発し戦ったんだよ。」


レナは、溜め息をつきながら首を振る。


「貴方、お人好しね。よく今まで生きてこれたわね?」


大笑いして答える男。


「俺がお人好しねぇ。そうなのかもしれんな。」


「それとあの時のセリフ覚えてる?」


「あの時?なんだ?」


「俺の女にしてやる❗って言ったじゃない?」


「あぁぁ、あれな。冗談だから気にするな❗」


「そう、冗談ならいいわよ。もし、本気なら斬っていたかもね?」


「怖いなぁ。さすがに勘弁してくれ❗」


そんなやり取りをしているとギルドに着いた。ギルドに入る前にレナは一言男に告げる。


「いい加減嬢ちゃんはやめてくれない?私の名前は、レナよ。」


「しょうがねぇなぁ。わかったよ、レナ。俺は、ギルだ。よろしくな❗」


「こちらこそ、よろしくね。ギル先輩?」


笑いながらレナは言う。男は、先輩と呼ばれ顔を真っ赤にして恥ずかしがっていた。

レナは、ギルを置き去りにしてギルドに入っていく。後ろでなにか叫んでいるのを無視して・・・。


受け付けに向かったレナは、ティルを探す。


「あっ、おはようございます、レナさん。」


ティルが、レナを見つけて挨拶をしてくる。


「おはようございます、ティルさん。」


「私の事は、呼び捨てでいいですよ?あと、敬語もいりません。」


と、ティルはレナに言った。


「なら、そうさせてもらうわ。私の事も呼び捨てで構わないわよ?ついでに敬語もいらないわ、歳も近そうだしね。」


レナは、ティルに同じ提案をするがティルは、首を振る。


「流石に、それは無理ですよ?これでも、ギルドの職員なんですから❗」


「私は、気にしないわよ?」


「私が、気にします。なので、今後もこのままですから。」


「わかったわ。ティル、依頼を受けたいんだけど何かない?」


ようやく本題にはいるレナ。ティルは、すかさず依頼書を探し始める。ティルは、昨日の模擬戦でレナの実力を知っている。だが、いきなり高難易度の討伐依頼を任せるには気が引けていた。なので、手頃な討伐依頼を探してレナに依頼書を見せた。


「この依頼はどうですか?」


ティルから提示された依頼は、ゴブリン討伐の依頼書だった。

依頼内容は、ゴブリン五匹討伐する事。報酬は、銀貨一枚である。討伐数は、ギルドカードに記載されていくので証を獲る必要はない。


「それでいいわ、討伐数より多く狩ったらどうなるの?」


「その場合、ゴブリン一匹につき銅貨二枚になります。」


「わかったわ、ありがとう。」


「では、ギルドカードを貸して頂けますか?」


レナは、ギルドカードをティルに渡す。ティルは、慣れた手付きで作業をこなしていく。


「ギルドカードをお返ししますね。ちなみに、ゴブリン以外に討伐しても討伐料は発生しますから気兼ねなく倒してください❗」


「なら、出会った魔物を取り敢えず倒すわ。あと、ゴブリンは何処にいるの?」


「街を出て、二時間ほど歩いた森にいます。何故か討伐されても減らないので・・・。」


「ありがとう。早速行ってくるわ。」


ティルに、お礼を言って振り返るレナ。ティルは、レナの後ろ姿に声をかける。


「お気をつけて、行ってらっしゃい。無理はしないてくださいね?」


ティルの気遣いにレナは振り返らず手を振る。


ギルドの外に出ると、何故かギルが立っていた。

レナは、無視してギルの前を通りすぎようとしたが呼び止められる。


「レナ、ゴブリン討伐の依頼受けたんだよな?」


レナは、笑顔で答える。


「いい加減ナンパはお断りよ?」


「だから、ナンパじゃねぇよ❗」


「ナンパじゃないなら何?」


ギルは真剣な顔をして答える。


「レナの実力を見たい。」


ギルの真剣な顔の様子にレナは考え込む。


(何かあるわね、実力のある者を探して何をするつもりかしら?何か言ってきたら聞くだけ聞いて断ればいいわね。)


「勝手にすればいいわ。でも、手は出さないでね?例え死にそうになってもね。」


「手は出すつもりはない。だが、死にそうになったら手は出すからな?有望な冒険者が死ぬのは勿体無い。」


「まぁ、任せるわ。時間が勿体無いから行くわよ?」


「あぁ、わかった。」


ギルは、レナの後ろを歩いてついていく。

奇妙な組み合わせの出来上がりである。



これで、レナの初依頼のゴブリン討伐が始まる・・・。



第三話いかがでしたでしょうか?

次回は戦闘がメインになる予定です。相変わらず戦闘を書くのが苦手でいつも大丈夫か心配しています。

そのうち、登場人物や、設定、世界観などの説明の回を作る予定です。あくまでも予定なので期待しないでください。


次回は、十日の六時に更新する予定です。


気長に待っていてください。

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