洗脳術
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ラガス帝国にクリスは居た。思いがけない再会にレナは戸惑いを覚えた。それもそのはず、クリスは操られておりレナとの記憶がないのである。
今は、クリスの案内によりレナ、サラとローゼは城を歩いていた。擦れ違う人の眼には生気が宿っておらず虚ろな眼をしていた。その点、クリスは若干ではあるが眼には生気が残っていた。
(クリスと他の人との違いは何?他の人は、強いみたいだけどクリスほどではないみたいだけど・・・。精神力の違いかしら?まぁ、それなりの修業をクリスにしたんだから当たり前なんだけど。それでも、操られるなんてまだまだね。記憶が戻ったら修業のやり直しね❗)
レナは、クリスの修業内容を模索しながら歩いていた。そんなレナを見つめていたサラは身震いをしたのだった。
(レナちゃんの顔がなんか怖いよぉぉぉぉ❗絶対に何か企んでる。あのクリスっていう子と関係あるのかな?レナちゃんの知り合いみたいなんだけど・・・。私が気にしてもしょうがないかな?それにしてもここは嫌な空気が立ち込めてるなぁ❗ちょっと気合いを入れ直そ❗)
サラは、なんとなくそんなことを思い気合いを入れ直した。サラの行動がある事態を回避することになる。
「ローゼ様、着きました。こちらです。」
「ありがとう。レナさん、サラさんいいですか?」
「えぇ、いいわよ?」
「では、どうぞお入りください。」
クリスが扉に手を掛け開いた。
中で待っていたのは・・・。見るからに怪しい男と騎士達が数名居ただけだった。
「これは、ローゼ様。また、新たな冒険者を連れてきて頂き感謝します。」
「いえ、帝国を思えばのことですから・・・。」
「そう言って頂けると助かります。して、後ろの方々がそうですか?」
「そうです。名前は、レナさんとサラさんです。」
ローゼに紹介され二人はお辞儀をした。
「それほど実力があるとは思えませんが・・・、まぁいいでしょう。では、お二人はそこに膝をついて頭を下げてください。」
男がそう言うと、レナはすぐに膝をついた。その行動を見たサラは、不思議に思った。
(レナちゃん、なんですぐに膝をついたの?いつものレナちゃんなら一言を言うはずなのに・・・。もしかして、洗脳された?ううん、違うかな?まだ、完全には洗脳されていないはず❗まだ、今なら助けられる❗)
そう思いサラは、行動に移した。
バチィィィィィン❗
心地よい音が部屋を包んだ。サラは、おもいっきりレナの頬を叩いたのである。サラの行動にローゼは驚いて叫ぼうとしたが思い止まった。しかし、男はサラに追求してきた。
「お前、なぜその冒険者を叩いた?」
サラは、やっぱり聞いてきたかと思い適当な嘘をついた。
「レナちゃんの頬に変な虫がついていたので殺したまでです。何か不都合でもありましたか?」
「いや、ない。しかし、些か強く叩いたから気になっただけだ。」
サラの嘘を信じた男は何やら口を動かし始めた。
(サラちゃん、私を叩くだなんていい度胸ね?)
(やっと正気に戻ったみたいだね、レナちゃん?)
(何いってるの?私は、いつも正気よ?)
(はぁぁぁ。覚えてないんだ?レナちゃんは、あの男に操られそうになってたんだよ?)
(そんなわけないわよ❗)
(じゃぁ、城に入ってから何処まで記憶にあるの?)
(それは・・・。)
レナは、サラに言われた通りに記憶を探りだした。しかし、記憶にあるのはクリスのことを考えたあとの記憶が無いことを知り表情を曇らせる。
(ないんでしょ?私は、途中で嫌な感じがしたから対処出来たけどレナちゃんは知り合いに会って動揺したんじゃない?だから、漬け込まれたんだよ❗)
(そうみたいね、私もまだまだね。サラちゃんが助けてくれなかったらとんでもないことになっていたわね、ありがとう❗)
(いいよ?友達を助けるのは当たり前だよ?でも、叩いてごめんね?でも、あれぐらいしないと戻ってこれないような気がしたから・・・。)
(ショック療法みたいなものね。ここからは、気合いで頑張るわ❗)
(うん❗でも、またレナちゃんが洗脳されそうになったら私がなんとかしてあげるね?)
(うん、お願いね❗)
レナが、覚醒し改めて男の驚異を感じたレナとサラはどうしたものかと考え始めた。その時、男の口が止まった。洗脳術が完成したのである。
「さて、お前たちにはそこのクリスに従ってもらう。」
男は、クリスを手招きして呼び寄せた。
「クリスは、冒険者の中でも騎士達の中でも一番強い。お前たちの訓練にはもってこいのはずだ。」
男が言うとレナは思った。
(当たり前じゃない。誰が鍛えたと思ってるのよ❗でも、逆にありがたいわね?クリスと一緒に訓練が出来るなら洗脳を解く機会があるんだから。)
操られた振りをしようと眼で確認しあうレナとサラ。
「「はい。」」
「では、今日は疲れただろう。城に部屋を用意するからそこで休め❗明日からクリスと三人、それとローゼ様の四人で冒険者を連れてくる任務に就け❗」
「「わかりました。」」
「クリスに部屋に案内させる。ついていけ❗」
レナとサラは、立ち上がりクリスについて部屋をでた。
男の部屋を出た三人は、廊下を歩いていた。不意に、クリスが口を開く。
「明日からは私が貴女達を鍛えます。よろしくお願いします。」
「「・・・。」」
わざと喋らないレナとサラ。それを見たクリスは溜め息をついた。
(この人達も他の人と同じですか。つまらないですね?私が鍛えてものになるのか不安です。)
そんなことを思うクリスであったがレナとサラには返事をしなかった理由があった。まぁ、単純に考え事をしていて聞いていなかっただけなのだが・・・。
(さて、明日からは冒険者を連れてくると言ってから城から出るみたいだけど・・・。どこでクリスの洗脳を解くが問題ね。城に近いと疑われるし・・・。まぁ、適当な場所でやろうかな?)
(明日は、城に居ないだけマシだね?レナちゃんはあの子の洗脳を解くことで頭が一杯だから私がそれ以外を考えないとね❗どうせ、レナちゃんの事だから力ずくになるだろうから・・・。巻き込まれないようにローゼちゃんにも言っておかないとね❗)
各々考えていたら、部屋に着いた。
「明日、私が迎えに来ますからそれまでに準備を終わらせておいてください。」
そう言ってクリスはレナとサラの前から去っていった。残されたレナとサラは取り合えず部屋に入った。
「さて、明日からなんだけど・・・。」
「なるようにしかならないと思うよ、レナちゃん?」
「だよね。ある程度は成り行きに任せるしかないよね?」
「うん❗だから、今日はご飯をしっかり食べて寝よ?」
「そうだね、何故かここにはキッチンがあるから料理出来るしね。城で出された物を口にしないですむのはありがたいわね❗」
「じゃぁ、早速作ろうよ❗」
「作るのは私なんだけどね・・・。」
「えへへ❗今日のご飯楽しみにしてるね?」
「はぁぁぁ、しょうがないわねぇ。」
溜め息をつきながらキッチンに向かい料理を始めるレナ。その光景を眺めるサラ。いつもの光景である。
食事も終わり、お風呂に入り身体を綺麗にした二人はそのままベットに横になり明日に備えた。
翌日、朝早くに目が覚めたレナとサラはクリスが来る前に準備を終わらせていた。
準備が調度終わった時、扉をの方から声がした。
「レナさん、サラさんおはようございます。準備は出来てますか?」
扉が開きクリスとローゼが部屋に入ってきた・・・。
洗脳術ですが勇者達に使われた物とは違いがあります。勇者達に使われたのは記憶を持ちながら従わせるものですが、今回のは記憶を無くし命令を聞くだけの奴隷みたいな物です。一応、この世界には奴隷は存在しませんがこの様な術は存在します。
次回は、七日六時の更新予定です。




