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サラの決意

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レナとサラが、魔物討伐に向かう当日の朝、城の中が慌ただしくなっていた。メイド達が駆け回る音や声を聞き、レナは目を覚ます。


(何か異様に慌ただしいわね?私とサラちゃんが討伐に向かうからだけじゃなさそうね。昨日の皇王の話では、騎士団も向かうみたいだけど・・・。それだけじゃなさそうね。)


レナが考え事をしていると、部屋の扉が勢いよく開けられる。


「レナちゃん、起きてる?」


サラが、血相を変えて飛び込んできた。


「起きてるよ、サラちゃん。そんなに慌ててどうしたの?」


レナが尋ねると、サラは眼に涙を浮かべながら答えた。


「お父様が・・・。お父様・・・。」


「落ち着いて、サラちゃん?皇王に何があったの?」


「お父様が・・・、殺されたの。」


「えっ?皇王が殺された?誰に?」


「わからないの。ただ、お父様が、殺されたのと同時に魔物の群れが王都の近くに出現したの。」


サラの言葉を聞き、レナは考える。


(タイミングが良すぎない?皇王が殺されたのと魔物の群れの出現。何かありそうだけど・・・。もしかしたら、あの時の魔族かしら?取りあえずは、魔物の群れをどうにかしないとヤバイわね❗)


「サラちゃん、私は魔物の群れを止めにいくわ❗」


「えっ?でも、数が違いすぎるから無理だよ❗いくらレナちゃんでも・・・。」


レナはサラの言葉を遮る。


「誰かが引き付けないとダメでしょ?今の騎士団でそれが可能なの?可能なら私だって見ているだけの方がいいわよ❗でも、無理でしょ?だから私がやるの❗」


未だ、眼に涙を浮かべながら話すサラ。


「でも、レナちゃんだけでどうにか出来るわけ無いじゃない❗レナちゃんも死んじゃったらどうするの?そんなことになったら私は、耐えられないよ?」


サラの懸念は、レナが戦場の向かい命を落とすことだった。それを聞いたレナは、サラに向けて強く言い放つ。


「私を誰だと思ってるの、サラちゃん?私は、『結城レナ』よ❗『結城流抜刀術継承者』にして、未だこの世界では無敗のね❗まぁ、引き分けが二度あるけどね。」


サラは、レナの真剣な表情と言葉に考える。


(そうだ❗いつもレナちゃんは、困難に立ち向かっていき解決してきたんだ。それを私は見てきているのに・・・。それに比べて今の私は何してるんだろう?お父様が殺されて動揺して・・・。私にはお兄様とお姉様がいる。だから、私にしか出来ないことをしなくちゃ❗)


この時すでに、サラの眼から涙が消えていた。サラの表情の変化を感じ取ったレナは、サラに問う。


「整理がついたみたいね?で、どうするのかな、『神城サラ』?」


「私は・・・。ううん、私もレナちゃんと一緒に戦うよ❗城の事や街の事は、お兄様とお姉様がやってくれる。私には私にしか出来ないことをやる❗」


「決意は、固いようだけど大丈夫?魔物は大量よ?」


「レナちゃんこそ私を誰だと思ってるの?私は『神城流抜刀術継承者』にして無敗のネフィル皇国第三皇女サラ・ネフィル、ううん、『神城サラ』だよ❗」


サラの決意は、言葉でわかる。皇女の名を捨て、日本での名を名乗ったからである。レナは、微笑みサラに言う。


「私達で、この国を守ろう❗」


「もちろんだよ、レナちゃん❗」


「取りあえず、その前に着替えないとね?」


「そうだね。着替えたら中庭に集合ね?」


「わかったわ。」


二人は、着替えに戻り中庭に集合した。

中庭には、すでに騎士団が集まっていた。その横を二人は通りすぎようとした。城の門の近くに来たとき二人は呼び止められる。


「サラ、どうしても行くのか?」


呼び止めた人物は、サラの兄である。兄の隣には姉も居る。


「はい、お兄様。私にしか出来ないことをやります❗ですから、城と街のことはお願いします。それと、私は皇女の名を捨てます❗」


サラの最後の言葉に驚く兄と姉。


「なぜ名を捨てるんだ?そんなことをする必要は無いはずだ。」


「私の決意です❗」


「考えを変える・・・気はないようだな?」


サラの表情を見た兄は、サラの決意が固いものだと悟った。


「はい❗お兄様とお姉様がいれば、この国は安泰ですから❗お父様よりさらに発展させられると信じていますから❗」


「さすがに、父上よりは無理じゃないか?まぁ、頑張るさ❗その前に国がなくなったら意味がない❗騎士団も準備でき次第向かわせるからサラも無理はするな、いいな?」


「わかりました。無理はしませんが、無茶はしますね?」


笑いながら答えるサラ。兄と姉は、これがサラの本当の性格だと知った瞬間だった。


「サラさんの事をよろしくお願いいたします。」


レナに向かって姉が頭を下げる。


「もちろんです。この困難を全員で乗り切りましょう❗」


レナは、そう答えると真っ直ぐに魔物の群れの方を見た。


「レナちゃん、行こうか?」


「そうだね、サラちゃん❗」


「では、お兄様、お姉様、行ってまいります❗」


サラは、兄と姉に言い歩き出した。レナは、頭を下げサラの後を追った。



レナとサラが、街の外に着いたとき魔物の群れを見てある異変に気がついた。


「サラちゃん、魔物が統率されてるのは気のせいかしら?」


「気のせいじゃないと思うよ?陣形を組んでるみたいに見えるし。」


「やっぱりそうよね?じゃぁ、指揮官が居ることになるわね?」


「そう考えるのが正しいかもね。」


魔物は、陣形を組み統率されていた。普通であれば厄介なことだがレナとサラにとってはありがたいことである。


「ある意味ありがたいわね?」


「そうだね。戦いやすいしね❗あっ、動き出したみたいよ?」


「じゃぁ、こっちも行きますか?」


「うん、レナちゃん❗」


「当たり前だけど、生きて帰るわよ❗」


「もちろんだよ❗」


二人が動こうとしたとき、二人の前に突然人影が現れる。


「なんじゃ、レナではないか❗何故ここにおる?」


レナは、驚き声をあげる。


「なんで、アミルがここにいるのよぉぉぉ❗」


レナとサラの前に現れた人物は、アミルであった。

次回は、三十日六時の更新予定です。

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