初めての休日
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騎士団との試合から一夜明け、レナは城の一室で目を覚ます。目を覚ましたレナが、自分の寝ていた隣を見てみると、そこにはなぜかサラが寝ていた。
(そっか、昨日終わった後サラちゃんと色々話をしたんだ。だから、隣でサラちゃんが寝てるんだ。)
レナとサラは、昨日までの自分達が歩んできた道をお互いに話した。そして、そのまま寝てしまったのである。
レナは、そっとサラの頭を撫でる。サラは、レナに頭を撫でられ心地良さそうに寝息をたてて寝ている。
(今日はどうしようかな?まだ、王都散策してないからしようかな?今日ぐらい休みにしてもいいよね?)
そんなことを考えていたレナ。そしたら、サラが目を覚ました。
「おはよう、レナちゃん❗」
「おはよう、サラちゃん❗気持ち良さそうに寝てたね?」
「えっ?レナちゃん、私の寝顔見てたの?」
「バッチリ涎が垂れてたわよ?」
「うそ?」
口元を手で触るサラ。その行動を微笑みながら見守るレナ。
「ウソよ❗でも、本当に気持ち良さそうに寝ていたわよ?」
「涎は嘘なんだね?良かった。そんなに、気持ち良さそうに寝てたんだ。隣にレナちゃんが居たからだね❗」
満面の笑みで答えるサラ。そんなサラを見つめながらレナはサラに言った。
「サラちゃん、今日の予定は何かあるの?」
「うん?予定はあるよ❗」
「そうなんだ。」
「レナちゃんと王都に行く予定❗」
「えっ?私と王都に?」
「うん❗迷惑・・・かな?」
「迷惑じゃないよ❗ただ、私と王都に行っても大丈夫なの?それに、サラちゃんは皇女でしょ?公務もあるんじゃないの?」
「大丈夫だよ❗急ぎの公務は無いしレナちゃんとお出かけしたいから❗」
笑顔で答えるサラ、レナも笑顔で答える。
「ありがとう❗私もサラちゃんと出掛けたかったから嬉しいよ❗」
「うん❗じゃぁ、時間も限られてるしさっさと着替えて朝食食べたら出掛けよう❗」
そういうとサラは着替えを始めた。
「そうだね、いっぱい遊ぼう❗」
レナも着替え始める。
サラは、生まれてから自分で着替えたのが今日が始めてである。今までは、メイドが着替えを手伝っていた。楽ではあるが、自分で出来ることは自分でしたいと常日頃から思っていただけに新鮮な感じがして嬉しかったのである。それに、隣にはもう会うことがないと思っていたレナが居るから余計に嬉しかった。
着替え終わった二人は、朝食を食べに食堂に向かう。
食堂に着いたらすでに、サラの父親であるエドモント皇王が朝食を食べていた。
「サラ、それにレナ殿。おはよう。」
「おはようございます、お父様。」
「おはようございます、皇王陛下。」
「レナ殿、畏まる必要は無い。昨日の謁見後にサラから話を聞いている。」
「そうですか、サラちゃんから聞いているんですか。」
そう言いながらサラの方を見て言う。
「どこまで話したのかな?サラちゃん?」
「えっと、色々?」
「そっか。サラちゃん、今日はご馳走さま❗」
「えっ?レナちゃん、それってどういう意味?」
「そのままの意味だよ?」
「私、お小遣い少ないよ?」
「知らないわ❗」
「許してくれない?」
「ダメ❗」
「イヤァァァァァ❗」
サラの絶叫が食堂に響き渡る。二人の会話を笑顔で聞いていた皇王にレナは話始めた。
「何処までサラちゃんから聞いていますか?」
「レナ殿が、フィール王国での勇者召喚に巻き込まれてこの世界に来たということだな。あとは、サラ自信の事を聞いたぐらいだ。」
「そうですか、私とサラちゃんが幼馴染みであることも?」
「あぁ、聞いている。サラが、今まで隠してきた理由も聞いている。」
「わかりました。私に直接聞きたいことはありますか?」
レナがエドモント皇王に尋ねるとサラが会話に入ってきた。
「レナちゃん、時間が無くなるから朝食食べよ?」
「どこか出掛けるのか?」
「はい、レナちゃんに王都を案内しようと思ってます。」
「そうか、くれぐれも用心しなさい。あと、やり過ぎないようにな❗」
「お父様、私はそんなにお転婆ではありませんよ?」
顔を膨らませて抗議をするサラ。それに対してエドモント皇王は顔を歪ませる。
「昨日のあれを見てしまった以上言わなければいけないだろう❗」
エドモント皇王の言葉にレナも便乗する。
「そうですね。あれを見た以上そう言いたくなりますよね?」
「えっ?えっ?私のせいなの?レナちゃんもだよね?」
「サラ、レナ殿との立場を考えてみなさい。」
エドモント皇王に言われ考え始めるサラ。
「レナちゃんは冒険者、私は皇女だから・・・。」
レナはサラにトドメの言葉を放つ。
「私は、どんなことをしても所詮は冒険者。でも、サラちゃんは皇女。この意味がわかるよね?」
サラは、レナとエドモント皇王の言葉を理解して青ざめながら叫んだ。
「イヤァァァァァ❗私のイメージが崩れたぁぁぁぁぁ❗」
最近叫んでばかりのサラに笑顔を向けるレナ。エドモント皇王もサラの意外な一面が見れて微笑んでいた。
朝食を食べ終わった三人は、行動を開始した。エドモント皇王は、執務室に向かい仕事の準備をする。レナとサラは、王都散策のため城を出ていく。
王都に出た二人が最初にしたことは・・・、買い食いである。料理をするレナにとって味や材料が気になるのである。
「レナちゃん、これ美味しいよ❗」
「サラちゃん、私あれが食べたい❗」
「レナちゃん、お金は無限じゃないんだけど・・・。」
「うん?お小遣い貰ったでしょ?」
「まぁ、そうなんだけど・・・。ちょっとは、遠慮しない?」
サラは、レナに王都を案内するということで父親であるエドモント皇王からお小遣いを貰っていた。
「遠慮したら申し訳ないじゃない?もしかして、出費を押さえて自分の懐にいれるつもり?」
「なっ❗そっ、そんなことしないよ❗」
「そうよね、皇女様がそんなことするはずがないわよね?」
「ぐぅぅぅぅ、レナちゃんのイジワル❗」
「誉めてくれてありがとう、サラちゃん❗」
笑いながらレナは答える。
(やっぱりサラちゃんと一緒に居ると楽しいわ❗こっちに来てからこれだけ笑ったのは初めてね。サラちゃんと一緒に旅が出来たら毎日が楽しいだろうな?まぁ、無理なんだけどね。)
そんなことを考えていたら、急にサラの顔がレナの目の前に現れた。
「どうしたの、レナちゃん?なにか考え事?」
「ううん、何でもないよ❗」
「なら、いいんだけど・・・。何かあるなら相談にのるからいつでも言ってね?」
「ありがとう、サラちゃん❗」
二人は、また歩き出し散策を開始した。
結局、レナとサラは買い食いをしながら服を見たり装飾品を見たりして過ごした。
城に帰った二人は、今日の買い食いを消化するために訓練場で汗を流した。その場に居合わせた騎士達は、二人にとっての汗を流す程度の動きが尋常ではないと思った。
訓練場で汗を流した二人は、お風呂に入り着替えを済ませた。
そして、夕食の時間になり食堂に向かう。
「サラ、それにレナ殿。二人にお願いがある❗」
いきなりエドモント皇王は、話を切り出した。
「お父様、お願いとはなんですか?」
「近隣の街や村が魔物に襲われていると報告があがってきてな。一応、冒険者ギルドに国からの依頼として出してはいるんだが成果が芳しくないのだ。」
「私とサラちゃんに参加して欲しいということですか?」
「簡単に言えばそうなる。如何せん、広い範囲で襲われているため冒険者だけでは手に負えない状況になってきた。故に、騎士団も派遣するつもりだ。」
「そうですか、わかりました。お父様のお願いですから私はやります❗レナちゃんは、どうする?無理しなくていいよ?」
サラは、レナの事を思い強制はしない。
「サラちゃんがやるなら私も手伝うわ❗」
「ホントにいいの?無理しなくていいよ?」
「無理してないよ❗それに誰かが手綱を引いてないといけないでしょ?」
サラは、頬を膨らませレナに抗議した。
「私はそんなに暴れたりしないもん❗私が、レナちゃんの手綱を握るんだもん❗」
「はいはい、そういうことにしておくわね?」
「ぶぅぅぅぅ❗」
レナは、皇王に向いて条件を出した。
「受けるかわりに私達を二人だけにしてもらえませんか?」
「それは、出来ぬことだ。」
「足手まといはいりません❗それに、二人だけの方がなにかと対処しやすいですし。」
「私からもお願いします❗」
「しかしだなぁ・・・。」
渋る皇王にサラは言う。
「聞き入れて頂けないのなら・・・。私は城を出てレナちゃんと一緒に冒険者になります❗」
サラの言葉にエドモント皇王だけではなくレナも驚いた。
「サラちゃん、意味わかってるわよね?」
「もちろん❗」
「それは、ならぬ❗」
「では、認めて頂けますか?」
「ぐぬぅぅ。わかった、認めよう。ただし、ちゃんと城に戻ってくると約束してくれ❗」
「約束します❗」
「なら、許そう。」
「ありがとうございます、お父様。」
まだ、納得のいかない皇王にレナは聞く。
「明日にでも向かった方がいいかしら?」
「頼む、レナ殿に関してはギルドで依頼を受ける必要は無い。国からの直接依頼で話を通しておく。」
「わかりました。そういう訳だから今日は早めに寝て、明日の朝早くに出発するけどいいかな?」
レナは、サラに聞いた。
「それでいいよ、レナちゃん❗」
「明日朝に向かいます。」
今度は皇王に向かってレナは言う。
「よろしく頼む。くれぐれも無理だけはしないようにな。」
「「はい❗」」
夕食も終わり、二人はそれぞれ眠りについた。
そして、翌日・・・。
レナとサラは、いきなり出鼻を挫かれる・・・。
レナの初休日のお話でした。休みの話なのに結局は鍛練をする二人です。
次回は、二十九日六時の更新予定です。




