ネフィル皇国、到着
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レナは、サラの言葉に驚愕した。
「神城流抜刀術奥義『神威』❗」
サラの使った抜刀術は、レナがまだ日本に居た時にはすでに存在していなかった流派である。正確には、継承者はいた。しかし、謎の失踪をしたのである。神城流の継承者は、レナと幼馴染みで流派は違えでよく一緒に遊んでいた仲でもあった。
(なぜ、神城流抜刀術をサラが使えるの?ううん、違うわね。幼馴染みのサラだから使えるのね。おじいちゃんからサラが失踪したと聞いた時はショックだったけど、まさかこの世界に来ていたとは思わなかったわ❗だから、最初に会った時に違和感を感じたのね。それにしても、相変わらずの速さよね。)
レナが言うようにサラの放った技は、レナが眼を凝らしてようやく見えるほどの速さである。一般人にはただの一撃にしか見えない速さである。『神威』の斬撃数は、レナの使う『雷切』と同じではあるが速さが違う。神城流抜刀術は、超神速の抜刀術である。
「ぎゃぁぁぁぁぁぁ❗」
盗賊風の男から悲鳴があがる。ちなみに、ほぼ盗賊風の者達はレナとサラの前に集結している。他の冒険者には数人がいっているだけである。
「貴方達では私に勝てませんよ?」
サラは、堂々と言い放った。だが、男達は怯まずサラに襲いかかろうとした。そこに、レナがサラの前に立つ。
「レナさん、下がっていてください❗この者達は、私の命を狙ってきているんですから私が対処します❗」
「何いってるの、サラ?私は、冒険者よ?護衛対象を守らないでいたら依頼完了にならないじゃない。」
「確かにそうかもしれませんが・・・。」
サラが言い終わる前に、レナはサラの言葉を遮る。
「良い技を見せてもらったお礼に私も技で答えるわ❗」
「えっ?」
サラは、レナの言葉を聞いて違和感を感じた。
(今、レナさんは『術』ではなく『技』っていいましたよね?こちらの世界では使わない言葉です。レナさんはなぜ、『技』と言ったのでしょうか?)
サラの疑問はすぐに解決することになる。レナの言葉によって・・・。
「結城流抜刀術奥義『雷切』❗」
レナの力強い言葉にサラは絶叫した。
「えぇぇぇぇぇぇぇ❗」
サラの絶叫と同時に盗賊風の男は、悲鳴すらあげることなく絶命した。
レナは、サラに振り返り言った。
「お互い聞きたいことはあると思うけど、今はこの状況を終わらせましょう❗」
レナの言葉で我に返ったサラは、表情を引き締め答えた。
「そうですわね❗レナさんと話したいことが山ほど出来ましたから、さっさと終わらせましょう❗」
レナとサラの二人と盗賊風の男達との戦いの幕があがる。
幼馴染みであることから、お互いの動きは手に取るようにわかる二人。お互いの死角をお互いが埋め、盗賊風の男達を圧倒していく。他の冒険者が、自分達の所にきた男達を倒したあと、レナとサラに助太刀するために駆けつけると眼を見開いた。そして、一人の冒険者が口を開く。
「踊っている?いや、そう見えるほどに無駄がない動きをしている。どうやったら出来るんだ?」
冒険者が言うように、二人は踊っていた。人を斬れば血が流れる。その血を浴びることなく二人は、次々に盗賊風の男達を倒していく。そんな光景を見た冒険者達は自分達との力量の差を感じた。
それから程なくして、最後の盗賊風の男が絶命した。
レナとサラは、すでに刀を鞘に納めており現状を確認してから向かい合う。
パチィィィィン❗
レナとサラは、右手を上げハイタッチを交わした。
「さすがは、サラね❗」
「レナさんこそ❗」
お互いの実力を確認したレナとサラは、抱き合った。普通なら返り血を浴びて抱き合うことなど出来る筈もないのだが、二人は一切返り血を浴びていないため抱き合えるのである。
それを見ていた冒険者の一人が話しにくそうに話を切り出す。
「悪いんだがそろそろ移動しないか?こんな場所で野営をするのは良くないと思うんだが?」
二人は、我に返り恥ずかしそうにした。
「そうですわね。日が落ちる前に野営地を探しましょう❗」
サラの言葉に全員が頷き、準備をしてから移動を開始した。
なんとか日が落ちる前に野営地を見つけ夕食の準備を始めた。
冒険者達から、一緒に食べようと誘われたレナはサラと話があるからと断った。
「さて、サラ。色々と聞きたいことがあるんだけど・・・。その前に、昔の話し方でいいわよ?」
「やっぱりレナさんは・・・。ううん、レナちゃんだね?そういうレナちゃんも昔の話し方でいいよ?」
「そうだね、サラちゃん❗まさか、こっちに来てるとは思わなかったよ❗」
「私だってレナちゃんが居るとは思わなかったよ❗でも、なんでレナちゃんはこっちにいるの?」
「私は、高校でクラスまとめて勇者召喚されたの。で、私には女神の加護がないから自分から城を出てきたのよ。加護が無いだけで王女にも嫌われたしね。だから、冒険者になって世界を見て回ろうと思ったの❗それで、サラちゃんは?」
「私は、ちょっと違うかな?召喚じゃなくてどちらかと言えば転生に近いかも?」
「転生?赤ちゃんからなの?」
「そうとも言うけどそうじゃないの。その前に、今の私の地位について話すね?私は、ネフィル皇国第三皇女サラ・ネフィルよ❗だから、さっきみたいに狙われたの。」
「やっぱりね。で、違うとはどういうこと?」
「十歳の時にいきなり日本での記憶が甦ったから❗」
「だから、召喚じゃなくて転生なのね。」
「そうだよ。でも、またレナちゃんに会えるとは思ってなかったよ❗」
「私もよ、サラちゃん❗急に居なくなるから❗」
「ごめんね。でも、また会えたからいいんじゃない?」
「相変わらずだね、サラちゃん?」
「だって、私だもん❗」
お互いの近況報告をして夕食を食べ終わると、二人はそのままこれまでの出来事を話始めた。
話が一段落したところでその日はお開きとなり眠りについた。
翌日、何事もなく昼にはネフィル皇国王都に着いたレナたちは各々やることをやるために解散となった。
レナは、冒険者ギルドに行き依頼の報告を済ませた。
サラは、城に行き今回の出来事を父でもある皇王に話した。
レナが今日泊まる宿を探していると、一人の騎士が声を掛けてきた。
「申し訳ありませんが、レナ殿でいらっしゃいますか?」
「貴方が思っているレナかは判らないけど、レナであってるわよ。」
「サラ皇女様よりレナ殿を城にお連れするようにと。」
騎士の言葉にレナは、騎士に判らないように顔をしかめる。
(サラちゃん、私を厄介事に巻き込まないでね?お願いだから❗)
「わかったわ。貴方について行けばいいのかしら?」
「はい。では、参りましょう。」
レナは、騎士の後ろを歩く。
やがて、城に着いたレナはなぜかそのまま謁見の間に連れていかれた。レナは、嫌な予感しかしなかった。
謁見の間の扉が開き、そこにいる人物を確認した。
(サラちゃんに皇王、それに大臣みたいな人がいるだけでね。あとは、護衛の騎士が五人ね。お願いだから何も起こらないでね?)
そんなことを思っていると、皇王が話始めた。
「よく参られた。余がネフィル皇国皇王、エドモント・ネフィルである❗」
こうして、レナのネフィル皇国での謁見が始まる・・・。
ついに、ネフィル皇国に到着しました。これからは、ネフィル皇国が舞台になります。
次回は、二十六日十二時の更新予定です。




