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もう一つの抜刀術

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国境の街を旅立ってからは何事もなく順調に旅を続けるレナにちょっとした異変が起きた。それは・・・。


(お米が・・・。白米が食べたい❗こっちに来てから一度も食べてない。一年も我慢したけどそろそろ限界だわ❗この世界にお米はないのかしら?折角、調味料も手に入ったのに・・・。お米があれば完璧な日本食が作れるのに。)


そう、レナはお米に飢えていた。日本では、祖父の影響もあり日本食以外は家で食べたことがない。かといって、洋食や中華が嫌いなわけでもない。両親とたまに外食をすれば日本食以外になることが多い。なので、レナの場合は単にお米が好きなだけである。 日本食といってもお米さえあれば、おかずは純和風でなくても気にしないのがレナである。


そんなことを思いながら旅を続けるレナ。国境の街を出てから一週間で次の街に着いた。


街に着いたレナはあることに気がついた。


(もしかして、この匂いはお米の炊ける匂い?ううん、お米があるわけないわ。この世界の主食はパンだもん。でも、国が違えば主食も違うから・・・。期待したらダメよね?あとで落ち込むのが辛いから。)


と言いつつも、レナの足は匂いがする方へと向かっていた。


匂いの元に辿り着いたレナは、屋台のそれを見て眼を輝かせた。


(お米が・・・、白米がある❗)


屋台には、レナの求めていたお米が調理され売られていた。レナは早速、屋台の人に聞いた。


「すいません、その料理に使われている物はなんですか?」


「いらっしゃい❗これのことか?これは、米だよ?知らないのか?」


「やっぱり、お米なんですね?私は、フィール王国から来たのでお米があるなんて思わなかったから。」


「嬢ちゃんはフィール王国から来たのか?じゃぁ、知らなくて当然か。この国、ネフィル皇国じゃ当たり前だぞ❗」


「そうなんですか?何処に行けば買えますか?その前に、その料理を一つください❗」


「あいよ、銅貨五枚な❗」


レナは、お金を払い商品をもらう。屋台に隣接された椅子に座り食べ始めるレナ。レナが食べている料理は、チャーハンに似た料理である。一年振りのお米にレナは、黙々と食べ始めた。

レナの食べる姿を見ながら屋台の人がレナに話始めた。


「米に関しては、普通に売ってるから米屋で買えるぞ❗あとは、豆類なんかも置いてあるぞ❗」


レナは、食べながら屋台の人の言葉に驚いた。


「えっ?豆類もあるんですか?」


「あるぞ❗豆を使った調味料なんかも置いてあるし、米から作った酒も置いてある❗これらの物はなんでも、皇女様が考えて作られた物らしいんだよ。おかけで食生活が改善されたとみんな喜んでいるよ❗」


「そうなんですか?教えてくれてありがとうございます❗あとで、米屋に行ってみます❗」


「良いってことよ❗」


レナは、チャーハンを食べ終え屋台の人に礼を言い、早速米屋に向かった。


米屋に着いたレナは、店の中を見回し店員に尋ねた。


「お米が欲しいんだけど?」


「いらっしゃいませ。どれ程の量が必要でしょうか?」


「多いに越したことはないんだけど、旅をしているからそれなりの量は欲しいわ。ちなみに、ここから皇国の首都までどれくらいの日数がかかるのかしら?」


「そうですね、歩きなら一週間ぐらいですかね?馬車なら三日ぐらいですね。」


「なら、三食食べるとして二週間分貰えるかしら?」


「二週間分ですと結構な量になりますが大丈夫ですか?」


「大丈夫よ、一応アイテムボックスを持っているから。」


「なら大丈夫ですね。二週間分の米の値段は、銀貨八枚になります。」


レナは、言われた金額を店員に払い米を受け取る。調味料など買おうか迷ったが今回はやめにした。まだ、買わなければいけない食材や器具をあるからである。

米屋を出たレナは、街を巡り食材を買い漁った。

この日は宿に泊まり、翌日には皇国の首都に向かうことにした。


翌日、レナは一応ギルドに向かい依頼を確かめた。都合よく首都に向かう商人の護衛依頼がないかの確認のためである。

運よく護衛依頼があり受け付けに依頼を持っていき受付嬢に聞いた。


「この依頼をお願いするわ。」


「わかりました。少しお待ち下さい。」


「聞きたいんだけど、依頼を完了したらここまで戻らないとダメかしら?」


「いえ、大丈夫ですよ。完了報告は、皇国内のギルドであればどこでも可能です。」


「わかったわ、ありがとう。」


「依頼の手続きは完了しました。お気をつけて❗」


レナは、受付嬢からギルドカードを返してもらい商人が待つ場所に向かった。


「貴女がギルドの依頼を受けて頂いた方ですか?」


「ええ、そうよ。他にも居るみたいね?」


「はい。中規模の商隊ですから。よろしければ名前を聞かせていただいてもかまいませんか?」


「レナよ。これからよろしくね?」


「レナさんですね。私は、サラと言います。一週間ほどですがよろしくお願いします。」


サラは、レナに頭を下げた。そんなサラを見たレナは違和感を感じた。


(サラと話していると妙に懐かしいような感じがするわね・・・。)


サラはサラで、レナに親近感を覚えた。


(なぜかしら?レナさんを見ていると何か他の人とは違う親近感がありますわね。)


ちなみに、レナ以外の護衛は男の冒険者である。そんなこともあり、サラの乗る馬車の護衛は必然的にレナが行うことになった。


準備が整い街を出る商隊。サラは、レナに馬車に乗るように話をしたがレナはそれを断り馬車に並走するように歩いていた。


何事もなく皇国の首都まで残り二日になった時、ある意味で事態がかわる。それは、今まで一人で食事を食べていたレナの所にサラがやってきたのである。


「いつもレナさんは一人で食事をなさっているんですね?」


「そうね、あまり騒がしいのは好きじゃないのよ。」


「ですが、食事が偏りませんか?」


「大丈夫よ?街で食材は買ってきたし、肉ならその辺に居る動物を狩ればいいから。」


レナの前には焼かれている肉とサラダがある。肉の隣には米を炊いている鍋があった。それを見たサラは感心した。


「凄いですね。ご自分で狩りから料理までなさるなんて❗」


「狩りはおじいちゃんに教えてもらったから出来るだけよ?それに、出来なきゃ冒険者は無理よ?」


「確かにそうですが、冒険者の方は保存食がメインだと聞いていましたので。」


「確かに私も最初はそうだったわよ?でも、依頼を受けてお金を貯めたから自炊出来るようになったのよ。元々、料理は出来るから。」


「苦労なさってるんですね?」


「苦労とは思わないわよ?私は、楽しんでるもの❗」


「よろしければご一緒させていただいてもよろしいですか?」


「別に構わないわよ?」


「ありがとうございます❗」


こうして、レナとサラの夕食が始まった。ちなみに、本日の夕食の献立は、白米はもちろんのこと和風ドレッシングのかかったサラダに、テキヤキ風のソースがかかった肉料理である。


「このサラダ、凄くおいしいですね?」


「そう?」


「はい❗今までに食べたことのない味です❗(この世界では❗)」


「?。喜んでもらえて良かったわ❗」


サラの最後の言葉が聞き取れなかったレナは、首を傾げながら答えた。


「お肉のソースも一味違いますね❗」


「そんなに喜んで貰えるなら作った私も嬉しいわ、ありがとう❗」


「本当の事ですから❗皇国の首都まで夕食だけでもご一緒させていただいてもよろしいでしょうか?あまり日数もありませんが。」


「別にいいわよ?二人分ぐらいなら問題ないから。」


「ありがとうございます❗」


こうして、明日からのサラとの夕食が決まった。

この後、レナはサラと色々と話をしてこの日は終わりを告げる。


翌日からも旅は順調に進み、明日の昼前に皇国の首都に着く前日の夕方にまたもやレナに厄介事が舞い降りてきた。


その厄介事とは・・・。盗賊風の者達が襲ってきたのである。


(やっぱり巻き込まれるのね❗もぅ、どうでもいいわ❗私の旅を邪魔するなら問答無用よ❗)


そんなことを思いながら護衛対象であるサラを守るレナであった。


「貴方達はなんですか?この馬車には何も積んでませんよ?」


サラは、盗賊風の男に問いかける。


「荷物なんかどうでもいい❗欲しいのは貴女の命だけだ❗」


そういうと、男はサラに斬りかかった。レナは、サラを助けようと動こうとしたがサラに止められた。


「レナさんは手を出さないでください❗」


サラは、どこからか取り出した武器を構える。その武器を見てレナは驚いた。


(なぜ、サラが(それ)を持っているの?それは、この世界では私とクリス以外は持っていない物よ?)


レナが驚いた理由は、サラが取り出した武器が刀であることにである。さらに、サラの言葉に驚くレナ。


神城流抜刀術(かみしろりゅうばっとうじゅつ)奥義『神威(カムイ)』❗」


それは、レナの使う結城流抜刀術と同じく日本に存在したもう一つの流派、『神城流抜刀術』であった。

新キャラが登場しました。そして、武器は刀です。何処までいっても刀が最強と信じています。

それに伴い、プロローグを若干変更をしました。


次回は、二十六日六時の更新予定です。

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