新たなる驚異
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ギルの合図により、レナ対ラピス王女一行の戦いが始まった。
まず、布陣を説明しよう。レナは、一人のため布陣などないが、ラピス王女達は、勇者達を横に十人ほど並べ縦に三列つくり、その後ろに勇者の中で一番強い元クラス委員長が居る。さらに、その後ろにラピス王女と勇者達に指導した男が並んでいる布陣である。ちなみに、この隊列の提案者は元クラス委員長である。本当は、一対一でやりたかったのだがそんな優しい相手でないことを理解しているため、この隊列のを提案したのである。
「みんな、俺達は強くなった❗だけど、油断をしたらダメだ❗相手は、あの女だ❗全員で戦い勝利を掴み取ろう❗」
「「オォォォォォォォ❗❗」」
元クラス委員長の演説じみたセリフに他の勇者達が雄叫びをあげる。雄叫びを聞いた元クラス委員長は、指示を出す。
「最前列、突撃ぃぃぃぃ❗」
「オォォォォォォォ❗❗」
最前列の勇者達がレナに向かって走り出した。
時間を少し遡り、ギルが合図を出す前の事である。ラピス王女達が敷く布陣を見て考えていた。
(数で押しきる布陣を敷いているわね。個々の連携ができていたら少し厄介かもしれないけどどうかしら?たぶん、全員が一斉に来ることはないと思うけど・・・。最初の出方次第で対策を考えようかな?)
そして、今現在に戻る。
勇者達、十数人がレナに向かって突撃してきた。レナは、心の中で「やっぱり、こうくるわよね?」と呟き突撃に対応するために動き出す。勇者達の隊列は横一列から縦一列になっていた。脚が速い者が前になり遅い者が後ろになるという当たり前の事である。この状態を見たレナは確信した。
(連携は無いわね。これなら一人づつ撃破できるわね。でも、それをあと二回もやるのは面倒ね。どうしようかしら?)
そして、一人の勇者がレナに斬りかかってきた。
「覚悟しやがれぇぇぇぇぇ❗」
叫びながら剣を振り下ろす。レナは、剣をかわして勇者のお腹に峰打ちでの一撃をいれる。
「ぐふっっっ❗」
レナの一撃を喰らい地面に倒れる勇者。レナは、次の勇者に目標を定めた。
次から次へと地に倒れていく勇者達。そして、最前列にいた最後の勇者が倒れる。
「キャァァァ❗」
レナは、一旦刀を鞘に戻し息を整える。レナの行動を見たラピス王女は勘違いを口にする。
「レナさん、武器を納めたということは降参の合図かしら?」
「なにか勘違いしてない?ただ、息を整えてるだけよ。」
「負け惜しみはよくありませんわよ?」
レナは、ため息をついただけで返答をしなかった。レナの行動が勘に触りラピス王女は元クラス委員長に指示を出した。
「全員で叩きのめしてやりなさい❗」
ラピス王女の指示を聞いた元クラス委員長は頷き返した。
「全員で突撃するぞ❗」
武器を構え、合図を待つ勇者達。それを見ていたレナは、視線だけをギルに向ける。
レナの視線を感じたギルは「なにかやるな?」と思い集中力を高めた。
(さて、私の殺気に何人耐えれるかしら?)
その瞬間、レナは全力で殺気を放った。
ズドォォォォォン
こんな表現が当てはまるような殺気が辺り一面を支配する。
レナの殺気により、口から泡を噴いて倒れる者やそのまま地に倒れ伏す者、なんとか意識を手放さずにいた者も居た。意識を失わずにいた者は、立っているのがやっとのことで戦闘には参加出来る状態ではなかった。ラピス王女と男はというと・・・。
ラピス王女は、脚が震えてはいるが戦闘が出来る状態にある。男は、なに食わぬ顔をしていた。
(意識があるのはラピス王女を含めて五人ぐらいね。あの男は、耐えきったわね。何者かしら?考えても仕方ないからさっさと終わらせましょう❗)
レナは、すぐさま行動を開始した。
あっという間にラピス王女と男を残し勇者全員が地に倒れた。
「さて、残るはラピス王女とその男だけね?」
「ここまでとは思ってませんでしたよ❗」
男が喋り始めた。ラピス王女は、未だに足の震えが治まっていなかった。
「そうかしら?これぐらい普通じゃないかしら?」
「これで普通なら人間が魔族に怯えることはないでしょう?」
「それもそうね。それで貴方はどうするの?まだやるつもり?」
男は、暫し考え答えた。
「そうですね、私が戦ってもいいんですが今回はやめておきます。」
「なっ❗どういうことですか?」
ラピス王女は、男が戦わないと宣言したことに驚きの声をあげる。
「私は、勇者を育てることを依頼されただけでこの方と戦うことは依頼されてませんから❗」
「確かにそうですが・・・。ここまで来たのですから戦って頂かないと・・・。」
ラピス王女が言い終わる前に男が動こうとした。だが、男の行動を読んでいたレナは、ラピス王女と男の間に立って男に刀を向けていた。
「口答えしたラピス王女を殺すのかしら?」
男は、レナの動きが見えていなかったため驚いていた。
「貴女は、まだ実力を隠していたんですね?」
「その言葉をそのまま貴方に返すわ❗」
「バレていましたか・・・。うまく隠したつもりなんですが?」
「上手く隠しているわよ。実際、私以外はわかっていないもの。」
と、周りを見渡すレナと男。
「そのようですね。貴女を見くびっていました。」
「で、目的は何かしら?『魔族』さん❗」
レナの言葉に驚くラピス王女とギル。
「魔族ですって?なぜ、魔族がここにいるんですか、レナさん?」
「そんなの知らないわよ。本人に聞いてみたら?」
レナは、ラピス王女に返す。その後をギルが続ける。
「目的はなんだ?」
「目的ですか?簡単なことですよ❗人間同士の戦争を起こすためですよ❗手っ取り早くラピス王女を殺してね❗まぁ、貴女に阻まれましたが。」
と、平然と答える魔族。
「私を殺して戦争を起こすだなんて・・・。なんてことを考えているんですか、魔族は?」
「そんなの簡単じゃない?自分達より遥かに弱い人間同士を争わせれば後が楽だからよ❗私でもそうするわよ?」
レナの言葉にラピス王女は愕然とした。
「さて、ラピス王女を殺せなかったので私はこれで失礼させて頂きますね?」
「こんなことを聞いてタダで帰すと思うのか?」
ギルが叫ぶがレナが制した。
「ギル、止めておいた方がいいわよ?」
「なんで止めるんだよ、レナ?」
「犠牲者が出るわよ?それに、私はラピス王女やギル、それに勇者達を守りながら戦うのは無理❗」
ギルは、レナの言葉で冷静を取り戻した。
「貴方に戦う意志がないなら見逃してあげるわ。」
「貴女が私を見逃す?逆ですよ、私が貴女達を見逃すんです。」
「どちらでもいいわよ。さっさと行きなさい❗」
「何か府に落ちませんが、そうさせて頂きます。」
そういうと魔族は姿を消した。
あとに残っていたのは、意気消沈のラピス王女と未だに眼を覚まさない勇者達、怒りを出したギルだけであった。
結局、戦いはレナの圧勝で幕を閉じた。
この日も結局、国境の街に泊まるハメになったレナはさっさと宿に戻り眠りについたのである・・・。
アミル以外の魔族のが登場しました。この魔族もちょこちょこ出てくる予定です。
次回は、二十四日六時の更新予定です。




