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ラピス王女、再び

レナ編再開です。


ブクマ、評価などしていただけると嬉しいです。

クリスとアミルの二人と別れたレナは、国境の街を目指して歩いていた。国境の街まで約四日間かかる。一応、レナは四日分の食料を買い込んでいた。食料といっても保存食である。現代っ子のレナにとっては非常に辛い。四日間も耐えれるはずがない。

案の定、二日目にして保存食を諦めることにした。


(もぅ、保存食はイヤ❗新鮮な野菜やお肉が食べたい❗お肉は野生の獣でなんとかなるけど、野菜はさすがに無理よねぇ。それ以前に、調味料が無いのは辛いわね。都合良く商人でも通らないかしら?)


そんなことを考えていたら、後ろから一台の馬車がレナに向かって走ってくる。ただ、速度が異常に速かった。あっという間に馬車はレナを抜き去る。馬車は、レナを抜き去った後一旦止まり荷台に乗っている人がレナに声を掛けてきた。


「そこの人、後ろから狼の群れがこっちに向かってきているから早く逃げなさい❗」


言い終わるとまた馬車は走り出そうとした。しかし、馬車の前にはすでに先回りした狼の群れがいた。


「あぁ、次の街まで調味料を届けないといけないのに・・・。」


馬車の中にいる商人がぼやく。商人のぼやきを聞き逃さなかったレナは商人に話しかけた。


「商人さん、狼の群れをどうにかしたら調味料を少し分けてもらえないかしら?」


「何を言ってるんだ、あんたは?これだけの群れを一人でどうにか出来るわけがない❗」


「もし、出来たら調味料分けてもらえる?」


「出来たらな❗どうせ死ぬのが落ちだ❗」


商人に言われたがレナは無視して馬車の前に立つ。そしてレナは、若干の殺気を放ちながら狼に話しかける。


「ねぇ、狼さん。私の夕食になりたいか、それとも逃げるか選ばしてあげる?」


狼は、レナの殺気に怯え後退り始めた。そして、レナが微笑んだ瞬間、全速力で逃げていった。


「商人さん、狼は居なくなったわよ?」


「嘘をつくな❗遠吠えが聞こえるだろ❗」


「でも、後ろから来るはずの狼の群れは来ないわよ?」


商人は、すでに来てもおかしくない狼の群れが来ないのを不思議に思った。そこで、ようやくレナの言葉を理解した。


「本当に追い払ってくれたんだな?疑ってすまなかった❗」


商人は、頭を下げレナに謝罪をした。


「別にいいわよ。調味料さえ分けてもらえればね?」


「いいとも❗色々とあるから欲しいものを言ってくれ❗」


「ありがとう❗」


レナは、遠慮しずに欲しい調味料を告げた。調味料を受け取り再び歩き出そうとした時、商人に呼び止められる。


「見たところ冒険者のようだがこれから何処に行くんだ?」


「この先の国境の街よ。」


レナは、行き先を商人に告げると商人は嬉しそうに声をあげる。


「なら、街まで護衛をしてもらえないか?ちゃんと依頼料は出す。どうだろう?」


「いいわよ。急ぐ旅でもないしね。」


「そうか、それは助かる❗これから二日間よろしく頼む❗」


「こちらこそ、よろしく。」


こうしてレナは、国境の街まで商人の護衛をすることになった。

残りの二日間は、何事もなく過ぎた。


そして、国境の街に着いた。


商人は、護衛料として金貨一枚をレナに手渡した。


「護衛料にしては多くない?」


「護衛料はとしては多いと思いますが、命を救っていただいたお礼も兼ねていますから❗」


「そういうことね、わかったわ。ありがたく頂くわ❗」


と、レナは言うと馬車から離れ街の門に向かう。門には兵士がおり、誰でも身分証明の提示を求められる。レナは、列に並び自分の順番を待った。


ようやく、レナの順番が回ってきた。


「おぃ、身分証明を見せろ❗」


デカい態度をとる兵士。怯むことなく受け答えをするレナ。


「これでいいかしら?」


レナは、自身のギルドカードを兵士に見せた。レナからカードを受け取り、レナとカードを交互に見てから言った。


「お前みたいなガキが冒険者とはな。そんな格好でよく王都から来れたものだ❗」


「ガキだろうが関係ないんじゃないですか?身分証明は見せたのですから街に入れてもらえませんか?」


若干の敬語で話すレナ。レナの話し方が気に食わないのか怒り出す兵士。


「なんだその言い方は❗貴様、牢にぶちこまれたいか?」


「喋り方一つで牢に入れられるなら、世の中の人間は全員牢屋行きね?」


「ゆるさん❗今この場で叩きのめして逆らえなくしてやる❗」


そう言うと兵士は剣を抜こうとする。しかし、兵士を止める人物が現れた。


「その辺にしといた方がいいぞ?」


「なっ、誰だ❗えっ、ギルさん?なぜ、止めるんですか?」


兵士を止めたのは、王都の冒険者ギルドに居るはずのギルであった。


「お前さんが相手にしてる奴は、俺に勝ったんだがなぁ。」


「えっ?ギルさんにですか?そんなことあるわけないでしょ?」


「本当なんだがな。レナ、お前もなんか言ったらどうだ?」


ギルがレナに話を振るが、レナは無反応である。


(なんで、ギルがここにいるの?王都のギルドに居るはずよね?でも、冒険者は一ヶ所に縛られることはないから別に不思議ではないけど・・・。なんか嫌な予感がするわね。)


一人考え事をしていたレナに、もう一度ギルが話を振る。


「レナ、これじゃあ何時まで経っても街には入れないぞ?」


「そうね、ギルとは王都の冒険者ギルドで色々とお世話になったからね。」


「お前、一年経っても相変わらずだな?」


「誉めてくれてありがとう、ギル。」


「と、まぁ俺の知り合いだから街に入れてやってくれないか?」


「ギルさんがそう仰るなら構いません。」


「ありがとな❗」


ギルは手をあげ兵士から離れ、レナの所に来る。


「じゃぁ、行くぞ?」


「えぇ、さっさと行きましょうか。」


レナとギルは歩き出し街に入っていった。


レナは、まず今日泊まる宿を探し予約を入れてから昼食にした。当然、ギルも一緒である。


「ねぇ、ギル。また、私に何か用があるの?」


「相変わらず鋭いな❗まぁ、そんなとこだ。」


「どうせ、何処かのバカ王女の件でしょ?」


「そうなんだが、今回はさすがにヤバイかもしれんぞ?」


レナは、首を傾げギルに聞く。


「なぜ、ヤバイのかしら?まさか、私一人のために全戦力を投入するとでも言うのかしら?」


ギルは、真剣な表情でレナに言う。


「さすがにそこまではないが、勇者全員が動くことになった❗」


「ようやく、役に立つようになったの?」


「あぁ、今じゃ勇者一人でゴブリンを複数相手に出来るようになっているな。」


「一年でそこまで仕込めたなら上出来ね。ギルが仕込んだの?」


勇者の成長を感心して聞いていたレナは、ギルが教えたものだと思っていた。


「いや、俺じゃない❗王女が何処からか連れてきた剣士が教えたみたいだ。」


「へぇ、その人強いの?」


「かなりの腕だとギルドでは噂になってる。」


「ギルより強いのかしら?」


「さぁな?やり合ったことがないからわからんよ。」


「それもそうね。でも、私は明日にはここを出るから関係ないわよ?」


と、自分には関係ないとレナはギルに言う。しかし、ギルは表情を曇らせる。


「まさか、今日来るんじゃないわよね?」


「そのまさかだ・・・。」


レナは、表情が固くなりギルにもう一度確認した。


「本当に今日なの?」


「あぁ、もうすぐ着くんじゃないか?」


ギルが言い終わると同時に外が騒がしくなる。


「ラピス王女殿下がいらしたぞぉぉぉ❗」


「ラピス王女様ぁぁぁ❗❗」


街が沸き上がり人々は、ラピス王女に夢中になっていた。


そんな中、テーブルに伏せて文句を叫びギルにあたるレナがいた。


「なんでいつも厄介事が起こるのよ❗全部、ギルのせいよ❗なんとかしなさいよぉぉぉぉぉ❗」


「なっ❗八つ当たりを俺にするな❗俺のせいじゃないだろうがぁぁぁ❗」


「こんなの八つ当たりでもしないとやってられないわよ❗」


「お前なぁ。取り合えず明日までなんとかするしかないだろ?」


ギルに八つ当たりをしたためか、冷静さを取り戻したレナはこの後の事をギルと相談しようとしたその時、店に入ってくる人影をレナとギルは確認した。


「ようやく見つけましたわよ、レナさん❗」


店に入ってきたのは、ラピス王女であった・・・。

再び、ラピス王女の登場です。何気に気に入っているのでちょくちょくレナと絡ませたいなと思っています。


次回は、二十二日六時の更新予定です。

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