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レナ、クリスを鍛える?

本編第十三話です。


ブクマ、評価などしていただけると嬉しいです

クリスの修行が始まる朝、レナはいつも通り宿で朝食を食べていた。そこにクリスが現れる。


「レナさん、おはようございます❗」


朝から元気一杯に声をあげるクリス。若干、まだ眠たげなレナは顔をしかめクリスにかえす。


「おはよう、クリス。朝から元気ね?」


「そりゃそうですよ❗今日からレナさんに教えて頂けるんですから❗」


クリスは、レナからの修行を楽しみにしていた。その楽しみが地獄に変わるとも知らずに・・・。


「もう少しで食べ終わるから待っててくれる?」


「はい❗分かりました❗」


レナは、マイペースに食事を再開した。

レナが食べ終わり休憩しながら修行の内容を話し始める。


「まず、基礎となる体力作りよ。毎朝朝食の前にするからね❗その後、朝食を食べて剣の練習ね。剣の練習は、主に実戦形式で教えることになるわ。」


「体力ならありますから大丈夫です。剣の練習は、真剣を使うんですか?」


「違うわ、木刀にするわ。ある程度、力がついてきたら真剣を使うけどね。残り二、三ヶ月は一人で討伐依頼を受けてもらうわ。」


レナは、残りの二、三ヶ月でクリスに刀を渡そうと考えていた。祖父の鍛冶を間近で見て覚え、解らなければ祖父に尋ねていた。だが、レナは見て覚えているだけで実際には一度も刀を作ったことはない。


「分かりました❗今日は何をやるんですか?」


「今日は、体力作りよ。」


「体力作りだけですか?」


「不満?」


クリスは、少し不満げにレナに聞いた。今日から剣を教えてもらえると思っていたからである。


「今日から剣を教えてもらえると思っていましたから。」


「それはないわ。体力が無ければ剣の練習は出来ないから。さて、休憩もこのぐらいにして早速始めるわよ?」


「はい❗よろしくお願いします❗」


二人は、宿を出て街のすぐ外まで来ていた。そこで、レナが教えるストレッチを始めた。

ストレッチが終わり準備が整ったのでこれから行うことをクリスに告げる。


「私と一緒に街の外周を走ってもらうわ。」


「えっ?街の外周を?」


「そうよ。但し、時折全力で走ってもらう時があるからしっかり私についてきてね?」


「分かりました。」


クリスの返事を聞き、走り始めるレナ。レナの後をすぐに走り始めるクリス。


そして、約二時間後・・・。


クリスは仰向けで倒れていた。


「レナ・・さん、なんで・・平気・・なん・・ですか?」


声を詰まらせながらレナに聞くクリス。レナは、クリスの前で仁王立ちをしながら答える。


「おじいちゃんに鍛えられたからよ。ちなみに、おじいちゃんの修行はこれよりも地獄よ?」


クリスは想像してしまった。そして、顔が血の気が引いたように青ざめる。


「今日は、これぐらいにしておくわね。明日からは、少しずつ増やしていくから覚悟しておいてね?あと、しっかり疲れをとっておかないと明日から辛いわよ?」


笑顔で言うレナ。


「イヤァァァァ❗」


クリスの絶叫が響き渡る。



そして、翌日・・・。


朝食前の走り込みを行い、朝食を食べる二人。しかし、クリスは朝食に手をつけていない。それを見たレナは一言いう。


「少しでも食べた方がいいわよ?じゃないともたないわよ?」


レナの言葉でようやく食べ始めるクリス。

そして、午前の修行が始まる。


「剣の練習は、私が使う『結城流抜刀術』を教えるつもりよ。その為には、まず剣の速度を速くしないといけないの。だから、速く剣を振るう練習ね。まぁ、簡単に言えば素振りよ。」


「はい❗」


こうして、午前中はひたすら素振りを続けた。


午後は、さすがにお金を稼がないといけないので二人でギルドに向かい依頼を受ける。


これが大体の一日の流れである。



あっという間に半年が経過した。


クリスの成長速度は早く、既にレナと木刀ではあるが実戦をしていた。


「ハァァァァァァ❗」


クリスの一撃がレナを襲う。しかし、レナは軽く受け流す。更に、クリスの攻撃が続く。


カン、カン


木刀が重なり合うたび響く音。一旦、距離をとるクリス。そこへレナが距離を一瞬で詰める。


「まだまだね❗」


カーーーン


クリスの木刀が宙を舞う。


「参りました❗私もまだまだですね。」


「そんなことはないわよ?たぶん、この街の冒険者よりは強くなってるから安心していいわよ?」


レナの言葉に驚くクリス。クリスが驚くのも無理はない。レナ自信も驚いているからである。


(半年でここまで成長するとは思ってもいなかったわ。クリスには、結城流抜刀術の才能があったのね。私も、もっと強くならないと・・・。)


「信じられないなら午後の依頼は一人でやってみる?ちゃんと私もついていくから安心してね。」


「はい、やってみたいです。自分がどれだけ強くなったか確かめたいです。」


その日の午後は、クリスの実力を試すためゴブリン討伐の依頼を受けた。


そして、依頼はなんの展開もなく終わる。

結果は、ゴブリン五匹にクリスの圧勝で終わる。ゴブリン程度なら複数相手でも圧勝出来るまでにクリスは力をつけていた。


街に帰り依頼の報告をし、宿に戻る。


(この調子なら一年はかからないわね?そろそろ刀の作成にはいろうかな?でも、鉱石がどこにあるかわからないのよね。アミルならいい鉱石のある場所知ってるかな?明日にでも行って聞いてみよ。)


翌日、レナはクリスに今後の事を話した。


「今日からは、午前中まではやることは変わらないけど午後はクリスに一人で依頼を受けてもらうわ。基本はゴブリンの討伐依頼ね。極力それ以外はやらないように。」


「午後からレナさんはどうするんですか?」


「私は、用事があるからそっちを優先するわ。でも、たまには討伐についていくから安心してね。」


「分かりました❗」


話が終わりいつも通りに午前中の修行が消化されていく。


午後は、クリスが一人でギルドに行き依頼を受けた。

レナは、アミルが居る場所に向かう。


「アミル、久し振りね?」


『久し振りだな、レナ。』


挨拶をしレナは本題に入る。


「アミルは、鉱石がある場所知ってる?」


『知っているぞ。教えてほしいのか?』


「お願いできる?」


『別に構わないが、その場所は魔族の領域だぞ?』


「それは、まずいわね。どうしよう・・・。」


『我が採ってきてやろうか?』


「えっ?いいの?」


『かまわん、レナには世話になっているしな。』


「それは助かるわ❗ありがとう❗」


そう言うとすぐにアミルは消えていった。


数日後、レナはアミルから鉱石を受け取り刀の作成に取りかかる。実際に鍛冶屋に行き場所を借りれないか聞いてみた。最初は渋っていたがレナの根気に負け貸してくれることになった。しかし、いざ刀を打とうと始めたが上手くいかない。やはり見ただけて刀を作るなど無謀である。見かねた鍛冶屋の主人が手を貸してくれることになった。それから試行錯誤の結果、クリスに渡す刀が完成した。



そして、数ヶ月後・・・。


クリスの最終試験が行われた。



異世界での結城流抜刀術の後継者の誕生です。クリスの今後の活躍に期待です。


次回、十九日の六時の更新予定です。

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