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レナ、魔族と初遭遇?

本編第十話です。


まだ先は長いと思いますが、これからもよろしくお願いします。

レナは、宿の食堂へ朝食を食べに向かう。そこには、クリスが待っていた。クリスは、レナを見つけるといきなり叫んだ。


「レナさん、私を弟子にしてください❗」


レナは、一瞬固まりその場に立ち尽くす。


「おはよう、クリス。いきなり言われても困るから、取り敢えず朝食を食べさせてくれないかな?」


レナは、なんとか切り抜けようとした。しかし、クリスはとまらない。


「あっ、おはようございます。すいません、先走り過ぎました。」


「解ってもらえればいいわ。」


「朝食を食べながらお話ししますね❗」


レナは、溜め息をつきクリスが座るテーブルへと向かう。


レナが、朝食を注文し終わるのを待ってからクリスが話を始める。


「私を、レナさんの弟子にしてほしいんです。」


「それは、さっき聞いたわ。何故、私の弟子になりたいの?他にもたくさんいるでしょ?」


「確かに、います。ですが、他の人はみんなこう言うんです。『女に教える剣は無い❗』って。」


「女性は居なかったの?」


「はい、私みたいな武器を使う人は居ませんでした。だから、見よう見まねで練習したんですけど・・・。」


クリスが言い終わる前にレナが言う。


「盗賊に追われることになったんだ。」


「はい。それに私は、強くなって村の敵討ちをしたいんです❗私が住んでた村は、ある盗賊に襲われ皆殺しにされました。私は、ちょうど村には居なかったので助かりましたが村の人、それに私の家族は私が帰ったときにはもう・・・。」


クリスは、その光景を思い出してしまい眼に涙を浮かべていた。

レナは、最初クリスを疑っていた。自分へ差し向けられたラピス王女の暗殺者ではないかと。だが、その考えはすぐになくなった。なにせ、ラピス王女の動かせる人材は勇者達と少しの騎士達だけである。なので、暗殺者ではないと確信した。


「クリスは、その盗賊に復讐したいの?」


「はい。私の手で❗」


クリスは、右手を強く握りしめ見つめている。その様子を見たレナはクリスに告げる。


「じゃぁ、弟子にすることはおろか剣を教えることは出来ないわ❗」


クリスは、目線を右手からレナへ向けて言う。


「何故ですか、レナさん?復讐がいけないことだからですか?」


「クリス、なにか勘違いをしてない?」


レナは、口調を少し強めて言う。


「なにを勘違いしてるって言うんですか?まさか、レナさんも復讐からは何も生まない、復讐したあとはどうする?なんて言わないですよね?」


クリスの口調も強くなる。レナは、首を振り告げる。


「そんなこと言わないわよ。私が言った勘違いとは、昨日の盗賊をなぜ殺さずに気絶させただけなのかよ。」


「えっ?それは、罪を償わせるためにですよね?」


「違うわ❗」


レナは、クリスの答えに即答で言う。


「そもそも、クリスは私の使う(けん)を誤解してない?私の使うのは殺人剣であって、人を生かすための活人剣ではないのよ?今の貴女が私から習ったところで活人剣にすらならないわ❗」


「でも、昨日は盗賊を殺してませんよね?」


「当たり前よ、殺す価値すらないもの。それに、圧倒的な実力差があれば生かすも殺すも使い手次第よ?まだ、わからない?」


「・・・。」


クリスは、黙り下を向く。レナは、最後の追い打ちを言う。


「私の弟子になって圧倒的な実力差をつけるまでどれくらいの時間がかかるかわかる?一ヶ月や一年じゃないのよ?何十年と鍛練するのよ?時間だけじゃなく才能も必要になるわ。実力差がつく頃にはその盗賊は寿命でこの世には居ないかもね?この時点で復讐は出来ないわ。ここまで話せばさすがにわかるわよね?」


「はい。今の私には殺すことは出来ても生かすことはできません。」


「わかったならいいわ。それと、強く言って悪かったわね。ごめんなさい。」


「いえ、私の方こそすみませんでした。」


「私の弟子になることを迷っているなら、明後日の依頼を一緒に受けてみない?私の本来の戦い方を見せてあげるわ。どうする?」


「一緒に受けます❗でも、私役に立ちませんよ?」


「構わないわよ?私が守ってあげるから。」


「わかりました、お願いします。」


「じゃぁ、明後日にギルドでね❗」


レナは、席をたちクリスと別れそのままギルドへ行き明後日の盗賊の依頼と今日の依頼を受けた。

その日の夕方にクリスは、レナと同じ盗賊の依頼を受けた。


翌日、レナはいつも通りに起き、朝食を食べてからギルドへ向かった。ギルドに着くとレナは依頼が貼り出されている掲示板に向かった。そこで一つの依頼を眺める。その内容は、この街の近くに魔族が出現したと書かれておりその調査の依頼書である。


「この依頼、受けても大丈夫かしら?」


と、受付嬢に依頼書を渡す。


「はい、大丈夫ですよ。依頼内容は調査になってますが討伐出来るならしていただいて構いませんので。」


「ちなみに、魔族は強いの?」


「わかりません。ゴブリンなんかも一応は魔族ですが、喋れませんから。」


「もし、喋れる魔族がいたら強いわけね?」


「そうなりますね。ですが、けして無理はしないでくださいね?」


「えぇ、わかったわ。ありがとう。」


レナは、依頼を受け魔族が出現した場所へと向かう。



魔族が出現した付近に近づくとそこに人のように見えるが明らかに異質な気配をしている何者かがいた。

レナは、異質な者に話しかけてみる。


「あなたは、魔族かしら?」


『人間は我らをそう呼ぶな。』


魔族はそう答えた。更にレナは続けた。


「ここで何をしているの?」


『空を見ていた。』


「変わってるわね?」


『そうかもな。強き者よ、我を殺しに来たのか?』


今度は、魔族がレナに問う。


「場合によるんじゃない?あなたが、何もしないなら私も何もしないわよ?」


『お前も変わっているな?』


「よく言われるわ。」


レナは笑いながら答えた。レナは振り返り魔族に告げる。


「あんまり目立つ所にいない方がいいわよ?冒険者ギルドが調査の依頼をだすぐらいだから。見つかれば討伐依頼に切り替わるでしょうから。」


『我を助けるのか?』


「さぁね?ただ、私は話が出来る相手なら話で解決したいだけよ。武力に出るのは話が通じない相手だけよ。」


『そうか。では、助言を聞き人間にバレないようにしよう。』


「助かるわ、ありがとう❗」


『魔族の我に礼を言うか。おかしな奴だな。名をなんという?』


「先に名乗るのが礼儀じゃないかしら?」


『確かに、我の名はアミルだ。』


「私は、レナよ。よろしくね、アミル。ちなみに、魔族に性別はあるの?」


『レナか、覚えたぞ。魔族にも性別はある。我は、人間で言う女だ。』


「教えてくれてありがとう。それじゃあ、私は行くわね?」


『そうか、レナの気配は覚えたからいつでも来るといい。』


レナは、微笑んで答える。


「来れたらね?私は、冒険者だからここに留まるつもりはないわ。まぁ、旅立つ前には来るわね❗」


アミルは、少し落ち込み答える。


『そうか、なら仕方ない。では、我も行くとしよう。』


お互いに背を向ける。そして互いに言葉を交わす。


「それじゃあね、アミル。」


『また近いうちに、レナ』


言い終わるとレナは歩き出し、アミルは姿を消した。


こうして、レナとアミルは出会った。この時のアミルはただの魔族だったが、次の魔王でもある。


レナはアミルとの会話の後、街に戻りギルドに依頼の報告を済ませた。明日の依頼に備え備品などを買いに行き宿へと戻る。

夕食を済ませ、刀の手入れなどをしてから眠りについた。



翌日・・・。盗賊討伐の依頼の日。


クリスと宿で合流し、ギルドに向かうレナとクリスである。



本編が十話まできました。そして、初魔族です。いつだそうか悩んでいましたが今回出すことにしました。今後のアミルはたぶん登場回数が増えていくと思います。


次回は十六日、六時の更新予定です。

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