今後の対策
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翌日、屋敷のリビングにローゼとステラが何食わぬ顔でお茶を飲んでいた。
「おはようございます、レナ様。」
「おはようございます、ザッハさん。」
二人は朝の挨拶をかわしてた。
「レナ様、私の事は呼び捨てで構いませんし敬語も使わなくて構いません。」
「さすがに、無理ですよ?」
「レナ様は私達の主人なのですから周りに示しがつきません。」
レナは苦笑しながら答えた。
「なら、私の事もレナ様と呼ばないでください。」
「それは無理です。」
「じゃぁ、私も無理です。」
二人は何故か笑いだした。お互いに引かない性格なのである。
「わかりました。家の中ではレナさんとお呼びします。」
「わかりました。家の外ではザッハと呼びますね?」
これが二人が出した妥協点である。
そして、顔を膨らませたローゼが話に入ってきた。
「いつまで私達を無視するんですか?」
「そうですね、ローゼ様。私達はいつになったら気付いてもらえるのでしょうか?」
と、ステラも同調した。
「あら、二人ともいつ来たの?」
と、レナはわざと惚けた。さらに、顔を膨らませローゼは言う。
「わかっていってますよね?私達が居ることをわかってますよね?」
レナは微笑みながら言った。
「ごめんね、ローゼ。貴女をからかいたくなったのよ?」
「もぅ、レナさん❗」
「ローゼ様をからかうのはレナさんぐらいですよ?」
と、ステラが言う。
「サラちゃんだってやるでしょ?」
「サラの場合は、立場がありますから少しぐらいはするかもしれませんが・・・。レナさんはただの冒険者ですよ?」
ステラの言葉に納得した表情を見せるレナ。
「じゃぁ、これからはやめるわね?あっ❗言葉遣いも変えないといけないですね、ローゼ女王陛下?」
「むぅぅぅ、それはそれで嫌です❗」
レナの言葉遣いで膨れるローゼ。そんなローゼを見ていたレナとステラは笑いだした。
「もぅ、二人して笑わないでください❗」
「ごめんね、ローゼ。」
「申し訳ありません、ローゼ様。」
と、和やかな?会話は終わり、レナが本題を切り出した。
「で、何か用事があるからここに来たのよね?」
「はい、話し合いをしに来ました。」
と、ステラが言う。そのあとを続けてローゼが話し出した。
「フィール王国についてと今こちらに居る勇者の扱いについてです。」
「やっぱりその話なんだね。」
頷くローゼとステラ。レナは自分の考えというか和馬の意思を伝える。
「勇者に関しては、本人が私達についてくるといったから連れてきただけね。強くなりたいみたいだからラガス帝国に来れば強くなれるかもと言ったらついてきたのよ。ちなみに、監視はリョーマお兄ちゃんがしてるわよ?」
「そうなのですか?勇者が強くなったらさすがに・・・。」
ローゼは勇者である和馬が力をつけたときにフィール王国に戻ったら驚異になると考えたのである。
「岩谷くん、勇者の名前ね。ローゼの懸念もわかるよ?でも、彼はフィール王国に少なからず疑念を持っているわ。復讐とまではいかないにしても何らかの仕返しはしたいみたいよ?どうせなら本人に聞いてみる?」
と、レナはリビングにある扉の方を見た。直後、扉が開き和馬が現れた。
「岩谷くん、自分で話す?」
「あぁ、俺の意思を話すよ。信じてもらえるかわからないけど・・・。俺は、他の勇者と違い洗脳されていない。自力でなんとか洗脳を解いた。そして、実力を隠してネフィル皇国の遠征に加わった。そこで、結城に再会しノルンさんと戦った。結果は、ボコボコにされたんだけど・・・。俺は、結城と戦いたかった。でも、今の俺の力では結城に勝つことなんて出来ない。だから、強くなりたい。ここに来れば強くなれると結城が言った。だからついてきた。今、結城を裏切ることはない、フィール王国よりラガス帝国の方が住みやすいし居心地がいいから。ただ、貴女に忠誠を誓う訳じゃない。でも、フィール王国が攻めてきたら結城達と共に戦うつもりだ。」
和馬は自分の意思をローゼとステラに伝えた。ローゼとステラは少し困った表情をしていた。
「もし、岩谷くんが裏切れば私が止めるわ❗例え、殺すことになっても・・・ね。」
レナの意思も二人に伝えた。そして、ローゼは溜め息をつきながら答えた。
「はぁぁ、わかりました。お二人の意思は受け取りました。それでは岩・・・。」
「和馬でいいです。」
「では、和馬さん。強くなりたいのであれば騎士団の訓練に参加してください。それでいいですよね、ステラさん?」
「はい、大丈夫です。弦十郎様とルナ様もいますので監視も要らないかと。和馬、貴方の覚悟を見せて頂きます。」
「よろしくお願いします❗」
と、和馬は頭を下げた。
「で、岩谷くんの事はこれでいいとして。後はフィール王国についてだよね?」
「そうですね、サラさんの話では軍の再編には時間がかかるのではないかと予想しているみたいで。」
「そうだろうね。今回の遠征でフィール王国の騎士は半分が寝返ったし、冒険者とフィール王国の国民も家族がいない人はここに居るわけだもんね。」
と、ここでアミル、リョーマ、ノルンがリビングに入ってきた。そのまま話に参加することになった。
「おはようございます、レナさん。今後の話をしているんですか?」
「おはよう、アミル。そうだよ、岩谷くんの事とフィール王国の事についてだね。」
「妾は、レナの決めたことに従うだけじゃ。」
と、ノルンが言えばリョーマとアミルも頷く。
「私が決めていいの?」
「当たり前だ。このパーティーのリーダーはお前だよ、レナ。」
「単に面倒なだけじゃなくて?」
「「・・・。」」
アミルとリョーマがレナから目線を反らし黙る。
「はぁ、考えるのが面倒なのね?わかったわよ。」
と、言いレナは視線を戻す。
「サラちゃんの事だから諜報部を動かしているだろうから情報は入ってくると思う。だから、やることは戦力の底上げぐらいと食料調達ぐらいでしょ?食料に関してはサラちゃんの仕事だから私は手を出さないわよ?だから、ここに居るメンバーの戦力の底上げをやるわ。騎士団と岩谷くんについてはおじいちゃん達に任せるわ。」
「わかりました。レナさんもサラさんと同じ考えなんですね。」
「でしょうね。だから、私は自由に動くことが出来るのよ。」
「羨ましいです・・・。」
「ローゼ、前にも言ったと思うけど。自分に出来ることをしなさい。それ以上のことをすれば身を滅ぼすわよ?貴女には守るべき部下や国民がいる。それを忘れないで❗」
ローゼは、レナに言われ黙る。
「ローゼ、貴女が私達の後ろに居るから私達は心置きなく戦える。貴女が思っているほどローゼの影響は大きいのよ?」
ローゼと共に戦ったアミルも頷く。
「ローゼさんが私達の帰る場所を守ってくれる限り私達はここに帰ってきますよ。」
アミルの言葉でローゼは目に涙を浮かべた。
「ありがとう・・・ございます。少し自分を見失っていました。」
「そういうこともあるわよ。だから、相談してね?」
「はい❗」
「さて、今後の方針も決まったことだし朝食を食べて動き出すわよ?」
全員が頷いて答えた。
その後、和馬は騎士団の訓練場に行き、弦十郎とルナによる地獄が待っていたのは言うまでもない。
レナとアミル、リョーマ、ノルンの四人は誰にも迷惑をかけないために街の外の草原で模擬戦をすることになった。
次回は明日六時の更新予定です。




