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ギガンテスのスター  作者: シュウ
90/252

最強

ロック達がしばらくく商談室で待っていると、

タヌキノと共に、侍女の様な女性に手を引かれた大柄な女性が入って来た。

「ここかい?私みたいな奴隷を買うっていう物好きな客がいるってのは・・・」


「アンジェラさん!」


「うん?その声はカレンか?」


「はい、ファニーも一緒に居ます。」


「何だい、折角うまく逃げられたっていうのに、

結局、捕まっちまったのかい」


「いえ、私達の借金を立て替えてくれるっていう冒険者の方がいらしたので、

戻って来たんです。」


「何だって?立て替えるったって、

あんた達程の器量良しを買うなんていったら、

2000から2500万ギルは必要じゃないのかい?」


「それが、タヌキノさんのご厚意こういで1500万ギルになったんですよ」


「ご厚意?」

はたで聞いていたカネーが首をかしげている


「タヌキノさんが仕入れ値で売ったって?

そりゃ珍しい事があるもんだね」


「その分、100万ギルで仕入れたお前さんを、

500万ギルでお買い上げ下さるからな」


「何だって!?私を買うってお人は、

カレン達を買った人と、同じ人なのかい?」


「ええ、初めましてアンジェラさん、

カレン達や貴女を購入する予定のロックという者です。

ヒデブの街で冒険者をやってますんで、よろしくお願いします。」

「しゃ~っす!自分はウィルっす!」


「ヒデブの街だって?

何を好き好んで、あんな初心者ばかりの街で冒険者をしてるんだい?」


「何をも何も、俺達は初心者の冒険者ですから」

「まだ若葉マークっす!」


「あ~、分かった。

大貴族様のご子息様が気紛きまぐれで冒険者をやろうって訳だね、

悪いんだけど他を当たってくれないかね、

腐ってもこの、元『ニャンダフル・ワールド』のアンジェラ、

お貴族様のなぐさみ者で一生を終える気は無いんでね」


「ロック君達は貴族じゃ無いですよ、アンジェラさん」


「うん?そういう、あんたは誰だい?」


「お久し振りです。アンジェラさん

ガッポリ商会の娘のカネーです。」


「ああ、ガッポリ商会のお嬢さんかい」


「カネーちゃん、アンジェラさんの事を知ってたの?」

「生き別れの、お姉ちゃんっすか?」


「うん、怪我をされて奴隷に成られたのは知らなかったんだけど、

何度か、父や兄の商隊を護衛してくれたのよ」


「それで、何でガッポリ商会のお嬢さんが、

ここに居るんだい?」


「はい、実はカレンさん達を私が保護致しまして、

今回、アンジェラさん達を購入する予定のロック君は、

私の友人なんですよ」


「それじゃあ、お嬢さんに聞くけど、

何で貴族でも無い、初心者の冒険者がカレン達や私を買える程の金を持ってるんだい?」


「ロック君は、相棒で水妖精のウィル君と一緒に、

アンジェラさん達が襲われた『シャッキーン・バード』を討伐したんですよ」


「馬鹿を言っちゃいけないよ!

初心者が『シャッキーン・バード』を討伐しただって?

ああ、分かった。

一緒に護衛クエストをしていた何組かの冒険者パーティーが討伐して、

そのおこぼれを頂戴したって訳だね」


「確かに、一緒に護衛クエストを受けていた冒険者達で分け合いましたけど、

『シャッキーン・バード』を討伐したのはロック君とウィル君ですよ、

むしろ、お零れを受けたのは他の冒険者の人達のほうです!」


「カネーちゃん、護衛クエストを受けた冒険者同士が、

報酬を分け合うのは当たり前の事だよ、

だから、誰が得をしたとか損をしたとかは無いんだ」

「山分けっす!」


「ごめんなさいロック君、

ロック君やウィル君が不当に収入を得ているみたいに言われたんで、つい・・・」


「カネーちゃんが、俺達の為に怒ってくれたのは分かってるから大丈夫だよ」

無問題もうまんたいっす!」


「これは失礼した様だね、

あんた達の話を聞いている分には、どうやらシッカリとした冒険者の様だ

しかし、初心者の冒険者がアノ『シャッキーン・バード』を倒せるなんて、

私には、どうしても信じられないんだよ」


「アンジェラさん、ロック君は、

ラックさんや、リックさんの弟なんですよ、

今回、一緒に護衛クエストに付いてくれていた

ロック君の、お兄さんのレックさんの話では兄弟最強って言ってました。」


「ラックさんや、リックって、

あかつきの戦士』のラックさんと、

『ケモ耳守り隊』のリックの事かい?」


「兄達をご存じなんですか?」


「ああ、ラックさんは私のあこがれの冒険者だし、

リックは同期なんで、私の耳を見て飛びついて来る様になるまでは、

仲良くしてたんだよ」


「ああ、アンジェラさんケモ耳ですもんね・・・」

「副作用っすか?」


「しかし、あの兄弟で最強って事は、相当なもんだね・・・分かった!

目の見えない私が、どれだけ役に立てるかは分からないけど、

どうか、私のご主人様になってもらおうかね」


「主人なんて大げさなもんじゃ無くて、

冒険者としては初心者の俺達の、良きアドバイザーになってくれませんか?」

「ご指導しどう願うっす!」


「ああ、分かった。

よろしく頼むよ!」


「こちらこそ、お願いします。」

「しゃ~っす!」

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