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ギガンテスのスター  作者: シュウ
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ゴブ狩り

「キュイ~~~ッ!」

断末魔だんまつまの声を上げたモミジディアが、

ドサッと倒れ込んだ。


「良し!ロック、

臆病おくびょうなモミジディアを仕留しとめられる様なら、

新米の猟人かりゅうどとして合格点だな。」


「ありがとう御座ございます。

これも、ジョセフさんに色々と、ご指導しどういただいた

かげです。」

ロックが、ジョセフから狩りの仕方を教わる様になってから、

3か月程が経過けいかしていた。


「いやいや、俺も今まで、

何人かに狩りの仕方を教えて来たが、

ロックほど早く、気配や足音を消せる様になったヤツは、

始めてだぞ、

しかも、土魔法で造った岩球いわだまを投げて、

あんなに離れた場所の獲物を仕留められるとか、

どんな肩の強さをしてるんだよ。」


「土魔法のロックバレットは、

射程しゃていも短いし、速度も遅いですからね、

何とかならないか考え抜いた結果が、

この投擲とうてきなんですよ。」


「なる程、ロックの努力の賜物たまものって事だな。」


「偶々(たまたま)、投擲スキルを持っていたので、

助かりました。」


「この調子なら、

そろそろ、人型ひとがたの魔獣を相手にしても大丈夫かな・・・」


「人型って言うと、ゴブリンとかオークですか?」


「そうだな、この場合は、

食べる為にるんじゃなくて、

討伐とうばつそのものが目的の狩りって訳だ。」


「冒険者の仕事では、主流しゅりゅうになるんですよね?」


「ああ、冒険者の仕事にゃ、

薬草の採取さいしゅや、

護衛ごえいのクエストなんかもあるけど、

やはり、主流といえば討伐クエストだな。」


「人型の魔獣を相手にする場合に、

何か、気を付けた方が良い事ってありますか?」


「人型の魔獣は複数で行動する事が多いから、

接近される前に、如何いかに数を減らせるかがポイントだな。」


「なる程、魔法や弓矢なんかで減らすんですね。」


「そう言う事だ。

そして、それには、

敵にさきんじて攻撃できるかが重要になってくるから、

狩りできたえた気配の消し方なんかが大事なのさ。」


「ゴブリンやオークも気配を消してるの?」


「いいや、大概たいがいのヤツは消せないな、

ただ、ヤツらの中にも極稀ごくまれに、

アーチャー職を持った個体が居る事があるから、

普段から気を付けて置いた方が良いぞ。」


「分かりました。」


翌日となり、

父のマックからも許可きょかもらえたので、

ロックは、ジョセフと共に、

森と草原の境目さかいめあたりへ、ゴブリンやオークを狩りにおとずれていた。


「ジョセフさん、

この辺りで、かくれて居れば良いの?」


「ああ、あいつらは森に住んでるんだが、

草原に狩りをやりに出て来るから、

見晴らしが良い草原で張り込んだ方が、

近付かれる前に、数を減らせるんだ。」


「へ~、そうなんだ・・・!?」


その時、ジョセフが手信号で静かにする様に合図をして来て、

少し離れた場所を指差した。


ロックが、そちらの方向を見てみると、

森の中から、身長140センチ程の、

緑色のゴツゴツとした皮膚を持った

醜悪しゅうあくな容姿の魔獣が5匹出て来た。


ジョセフが、仕留めろと手信号を送って来たので、

ロックはアイテムボックスから、

ひまな時に大量に造ってストックしてある、

岩球いわだまを取り出して、

魔獣に向かって投擲した。


ボムッ!

先頭せんとうを歩いていた魔獣の頭が弾け飛んだのを見て、

後続こうぞくの魔獣たちは、

何が起こったのかが分からずにポカ~ンとしている、

そのすきを付いて、

ロックは、2匹目、3匹目も仕留めて行く、

ようやく、かなり離れた場所から攻撃しているロックに、

気付いた魔獣たちが向かって来たが、

近付く前に、投擲で全て仕留しとめえる事が出来た。


「良し、ロック、

知ってるかも知れないが、

こいつらはゴブリンという魔獣だな、

今の戦闘を評価すると、

複数を相手にしての戦闘力としては問題無いが、

冒険者としては失格だ。」


「どう言う事?」


「冒険者は魔獣を討伐して金を稼ぐんだが、

何匹倒したかの証拠を持ち帰らねばならんのだ、

ゴブリンの場合は左耳だな。」


「そうか、頭を吹き飛ばしちゃ、

左耳が残らないかも知れないからだね?」


「そう言う事だ。

あと腹の中にある魔石を買い取って貰えるから、

バレット系の魔法で狙うとすれば、

胸の心臓辺りにした方が良いぞ。」


「うん、分かったよジョセフさん。」


ロックは、ジョセフに魔石のある場所や、

その、取り出し方などを教えて貰ったが、

狩りで血抜きなどをして慣れていた所為せいか、

別段べつだん、気持ちが悪くなる様な事は無かった。

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