ご縁がありますように・・・
Win10トラブルが・・・
「ねぇねぇ、ロック君達って何歳なの?」
ロック達に年齢を尋ねているのは、
今回、ロック達が護衛クエストを実行する商隊に同行していた
商隊のリーダーである、ガッポリ商会の副会長ゼニーオの妹、
カネー・ガッポリである
「俺は、15歳だよ」
「自分は、13歳っす!」
「へ~、ロック君は私と、同い年なんだ、
ウィル君は、私より年下なんだから、私の事は『カネーお姉さん』って呼ぶのよ」
「それだと、長くて呼び辛いっすから、
姉さんでも良いっすか?」
「ええ、それでも良いわよ」
「ゼニーオさんから、カネーさんは王都の治療院で定期的に診療を受けているから、
余り旅行とかに行けない代わりに、今回の商隊に同行してると伺ったのですが、
馬車から降りて歩かれても大丈夫なんですか?」
「ロック君、同い年なんだから私の事はカネーで良いわよ、
それと、敬語も必要ないわ、
それで、さっきの質問の答えなんだけど、
私の病気は、体の中に良く無いものが溜って行くらしくて、
偶に、王都の治療院に行って浄化して貰わなくちゃならないのよ、
症状が悪化すると、体が動かなくなって来たりするけど、
定期的に治療をすれば、普通に生活出来るんだ」
「へ~、そうなんだ、
でも、定期的に治療に行かなきゃならないなんて大変だな」
「そうっすね」
「親に、高い治療費を払って貰ってるんだもの、
大変なんて言ってられないわよ」
「完治する事は出来ないの?」
「医者いらずっす!」
「ええ、この病気を完治するには、
中級治療薬を毎日1年間も飲み続けなくてはならないらしいのよ、
ウチは商会だから、仕入れ値で、手に入るとは言っても、
1本3万ギルもする薬を毎日なんて、飲んではいられないわよ」
「中級治療薬って、仕入れ値で3万ギルもするんだ・・・」
「売値で5万っすかね?」
「ええ、その値段になるというのは、
原料になるナカナカキキ草が品薄っていうのもあるのよ、
だから、薬を買えるだけの、お金があったとしても、
品物を確保出来ないから無理ね」
「ロック先輩!」
「ああ、ヒデブの街に帰ってから、モモエさんに相談してみよう」
ロック達は、薬草畑で試験的にナカナカキキ草の栽培も試しているので、
それが、軌道に乗れば、十分な量が確保出来る可能性が高いのである、
ただ、直にガッポリ商会へと販売すると、世間に目を向けられる恐れがあるので、
冒険者ギルドを隠れ蓑に、させて貰えないかをモモエに、
相談してみようと考えたのである
「どうかしたの?ロック君、ウィル君」
「ああ、まだハッキリと決まった訳じゃないんで確約は出来ないんだけど、
冒険者ギルドで、ナカナカキキ草の群生地を見付けた冒険者が居るって話を、
聞いた事があるから、ガッポリ商会に優先的に回せないか、
知り合いのギルド職員に聞いてみるよ」
「有望な話っすよ!」
「それってホント!?
もし、その話が上手く行ったなら、
ロック君とウィル君には、一生ウチのお店での買い物を格安で売ってって、
お父さんに、お願いするわよ!」
「ああ、俺達も格安で買い物が出来るのは魅力だから、
期待して待っててくれよ」
「安心のOKマークっす!」
「うん、ありがとう!ロック君、ウィル君」
初日の行程は、特別な問題も無く順調に進み、
商隊一行は、日が暮れる前に最初の宿泊地である、
グワシ村へと到着する事が出来た。
「ロック君!今、カネーから聞いたんだけど、
ナカナカキキ草が、定期的に入手出来るって話は本当かい!?」
ゼニーオとカネーは、商会の一般店員や、ロックら冒険者とは別に、
村長の家に宿泊しているのであるが、
カネーの話を聞いて、居ても立っても居られなくなったのか、
ロックが宿泊している宿まで飛んで来たのである
「ええ、信用出来る人から聞いた話なんで大丈夫だと思いますよ、
薬草を加工する事が出来る職人さんにはアテがあるんですよね?」
「ああ、ウチの商会が、いつもお願いしている職人さんが居るから、
材料さえ確保する事が出来れば、格安で中級治療薬が作れるよ!」
「そうですか、ナカナカキキ草の方は、
多分、入手する事が出来ると思いますんで、
期待して貰っても大丈夫だと思いますよ」
「その筋からの情報っす!」
「そうか!もし上手く行ったなら、
ロック君とウィル君は、ウチの家族の恩人だよ!」
「いえいえ、そんな大げさなもんじゃなくて、
偶々、縁があったってだけですよ」
「神様の、お導きっす!」




