護衛クエスト開始!
いよいよ、護衛クエストの当日となり、
ロックとウィルは、宿の食堂で早めの朝食を終えてから、
宿の主人でコックをしているアルファの特製弁当を受け取ると、
ロックのアイテムボックスへと仕舞い込んでから、
集合場所となっている、街の出入り門へと向かった。
「お早う御座います!」
「はよ~っす!」
「「「「おはよ~♪」」」」
集合場所には『ヅカージョ過激団』の面々が待って居り、
パーティーの人達が歌う様に、朝の挨拶を返して来た。
「皆さん、集合時間までは、
まだ結構な時間があるのに、随分早いですね」
「ああ!私達は、毎朝の様に発声練習をしているから、
朝は強いのさ~♪」
リーダーのオス☆カルが、ミュージカルを演じるかの様に告げた。
「発声練習ですか?体には良さそうですけれども、
冒険者としては珍しい訓練ですね」
「初めて聞いたっす~♪」
「ああ、私達は元々、同じ劇団に所属していた役者仲間なんだが~♪
劇団が潰れたので、みんなで冒険者になったのさ~♪」
「そ、それは、また変わった転職ですね」
「驚きの急展開っす~♪」
「いや、そうでもないさ~♪
役者は体が基本だから、元々鍛え上げていたからね~♪」
「そうなんですか、それはそうとして、
歌いながら話すのは疲れませんか?」
「結構、腹筋使うっす~♪」
「いや~、いつ止めてくれるのかって思ってたんだよ、
鍛えているから疲れる事は無いんだけど、
いちいち歌うのは面倒くさいからね」
「じゃあ、最初から歌わなければ良いじゃないですか!」
「同感っす!」
「キャラ付けに、どうかと思ってさ」
「キャラ付けとか言うな!」
「よう!オス☆カル、ロック、お早う!
随分と早いな」
「ああ、レック、お早う!」
「レック兄ィ、おはよ~」
「お早う御座います。皆さん、
お早う、ロック君」
「「「う~っす!」」」
『レックとゆかいな仲間たち』のメンバーも、やって来た。
「あとは『フケヅラーズ』の皆さん、だけですね」
「あの人達は、遅れて来そうな顔っす!」
「ああ、ブルース達なら、
ガッポリ商会まで、馬車隊を迎えに行くって言ってたぞ」
「ああ、そうなんだ、
ねぇレック兄ィ、護衛クエストって、お客さん達を迎えに行くのが普通なの?」
「意外と真面目っす!」
「いや、普通は集合場所で合流するだけだな、
あいつらは、あんなコワモテの老けたツラ構えをしているけど、
意外と慎重派なんだよ、護衛クエストの時は何時も、
『玄関を出てから帰るまでが、修が・・・いや、護衛クエストだぞ』って、
言ってるからな」
「へ~、人は見掛けに寄らないもんだね」
「まったくっす!」
暫くすると、早朝で人気の無い街中を、
ガラガラと音を発てて、馬車隊がやってくるのが見えた。
「時間通りだね、レック兄ィ」
「ああ、商売人の人達は、時間に正確な人が多いな、
商売は信用第一らしいから、遅刻は厳禁らしいぞ」
「へ~、そうなんだ」
「タイム・イズ・マネ~っす!」
「おう!みんな揃ってるみたいだな、お早う!」
「「「「う~っす!」」」」
馬車隊を迎えに行っていた『フケヅラーズ』の面々が、
リーダーのブルースに続いて朝の挨拶をして来る
「お早う御座います。皆さん」
「はよ~っす!」
「「「「おはよ~♪」」」」
「お早う!」
「お早う御座います。」
「「「う~っす!」」」
其々が、朝の挨拶を返した。
「今日は、宜しくお願いしますね、皆さん」
先頭の馬車から降りて来た
20代前半ぐらいの年齢に見える男性が、そう声を掛けて来た。
「こちらの方は、今回の商隊のリーダーを務めて頂く、
ガッポリ商会の会長の息子さんで、ゼニーオ・ガッポリさんだ、
皆、挨拶をしてくれるか」
いち早く迎えに行ったので、挨拶を済ませているブルースが、
皆に、そう告げる
「「「「「宜しくお願いします!」」」」」
「はい、こちらこそ、
皆さんの事は、冒険者ギルドのモモエさんから、
優秀な方達とお聞きしているので、今回の旅路は安心出来そうですね、
ああ、それと、私の事はゼニーオとお呼び下さいね」
「「「「「はい!ゼニーオさん」」」」」
「じゃあ、そろそろ出発するとしますか」
ゼニーオの号令で、商隊がヒデブの街から、
王都へ向けての旅路へと出発する、
ロック達は、ギルドでの打ち合わせ通りに、
其々の、持ち場へと移動すると護衛を開始した。
「いよいよっすね!ロック先輩」
「ああ、俺達の冒険はこれからだ!」
「そのセリフは、なんか最終回みたいっすよ」
「『なろう』には、打ち切りが無いから大丈夫だよ」
「それも、そうっすね!」
「だろ?」
「「ワハハハハッ!」」




